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『見捨てられた聖女は魔導師として世界を救う』  作者: ダッチショック
見捨てられた聖女は魔導師として世界を救う

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第10話:封印の解除と、元凶の影

1. 封印の祭壇へ

リリアン、シエル、ガド、ルシウスの四人は、記憶の賢者ルシウスの案内で、天候山脈の最深部にある『封印の祭壇』へとたどり着いた。祭壇は、青龍の力の源である巨大な魔力結晶体の真下に隠されていた。


周囲には、青龍の魔力の暴走によって生じた凄まじい雷が降り注いでいる。


「先生、この雷は強すぎます! 防護結界が持ちません!」ガドが、即席で組み立てた魔導防護壁を抑えながら叫んだ。


リリアンは、冷静に『鑑定』を発動させた。


「これは青龍の攻撃ではないわ。古代の封印術が、青龍の力を無理やり抑えつけている反動で、雷として放出されている。封印を解除すれば、雷は止まる」


ルシウスは、頭に乗せた本を抑えながら言った。「封印術は、古代の魔術師団が用いた『逆位五芒星の結界』。解除に必要なのは、術式に組み込まれた「虚偽の光」という特殊な古代魔導具の特定と破壊です」


2. 虚偽の光の正体

リリアンは祭壇の中央に描かれた、巨大な古代の魔法陣を観察した。そこには、確かに魔力を逆流させるための複雑な術式が刻まれている。


そして、ルシウスの記憶を頼りに、封印の核となる魔導具を『鑑定』する。


「虚偽の光……発見したわ」


封印の核となっていたのは、誰もが聖なる力の源だと信じて疑わない、光属性の魔導具だった。その魔導具からは、確かに治癒魔術に似た清らかな魔力が発せられていたが、その奥底では青龍の魔力を逆位相でねじ曲げる邪悪な術式が起動していた。


「まさか、青龍の力を奪うものが、聖なる光の形をしているなんて……」シエルは驚きを隠せない。


リリアンは、その魔導具の設計図の片隅に、見覚えのある痕跡を見つけた。


(この魔力の流れ、設計思想は、かつて王都の宮廷魔導師団が私に教えようとした、現代魔術の劣化版に近い……。古代の術式を現代の魔術でねじ曲げて、封印を施した者がいる)


リリアンは、一瞬の間に、その魔導具の起源を推理した。そして、一つの名前が脳裏をよぎる。


「王国の宮廷魔導師長、ヴァルター……!」


彼こそ、リリアンを「無能」と見なし、王子に追放を進言した筆頭人物だった。そして、彼はイザベラを「真の聖女」として王都に迎え入れた張本人でもある。


3. 封印解除の神業

「リリアン、どうする? 虚偽の光を破壊すれば、封印は解除されるが、爆発のリスクがある」ガドが焦って尋ねた。


「破壊はしない。ガド、私の指示通りに、この魔導具の内部構造に、**『魔力反転リバース』**の術式を組み込んで。シエルは、周囲の魔力位相を安定させて。ルシウスは、術式の古代語を詠唱して」


リリアンは、超精密な古代魔術の技術を、仲間たちとの連携で実行に移した。


ガドは、神速で魔導具の外部に、リリアンが示した古代魔術の術式を刻み込む。シエルは、自身の自然魔力で暴れる雷を一時的に抑え込み、魔力位相を固定した。


そして、リリアンが自らの古代魔力を核に流し込み、ルシウスが古代語の解除コードを詠唱した。


キィィィィン!


魔導具から発せられていた光が、一瞬で収束し、静寂が訪れた。雷は消え、青龍の領域に、穏やかな風が吹き始めた。


封印は解除された。


4. 青龍との対話と新たなる敵

封印が解かれたことで、青龍の魔力結晶体から、まばゆい光が放たれた。青龍は、その巨大な姿をリリアンたちの前に現した。


青龍の思念:「この封印を解いたのは、人間か……。感謝する。この術式は、我の力を弱め、四聖獣の均衡を完全に破壊しようとするものだった」


青龍は、リリアンの持つ古代魔術の圧倒的な安定性に気づいていた。


青龍の思念:「この封印を施したのは、東方大陸の魔術師団と、それに協力した王国の宮廷魔導師長ヴァルターの残党だ。彼らは、我々の力を支配し、古代の知識を独占することで、新たな世界の支配者になろうとしている」


やはり、黒幕は、リリアンを追放した王国の中心人物たちと繋がっていた。彼らは、リリアンを無能とすることで、古代魔術の真の継承者がいることを隠し、裏で四聖獣の力を狙っていたのだ。


リリアンの瞳に、冷たい炎が宿る。


「私を追放し、世界を危機に晒しただけでなく、古代の知識を独占しようとしているのね。私の『ざまぁ』は、彼らを世界から一掃することになりそうだわ」


青龍は、リリアンたちを認め、新たな使命を与えた。


青龍の思念:「世界には、まだ古代の知識と魔導具を悪用しようとする者たちが潜んでいる。お前たちに、その真実を解き明かす旅を託す。我は、この領域の安定を取り戻すために残る」


リリアンたちは、青龍に見送られ、次の目的地である古代の知識を追う「魔術師団の残党」の隠れ家を突き止めるため、新たな旅路へと踏み出した。

第10話、読んでいただきありがとうございます!


ついに、青龍の封印の謎が解けました! 封印を施していたのは、なんと王国の宮廷魔導師長ヴァルターの残党! 聖なる光を装った魔導具で、青龍の力を奪っていたなんて、とんでもない悪役ですね!


リリアンちゃんを追放した連中が、裏でこんな大それた陰謀を企んでいたなんて、もう「ざまぁ」どころか「世界の危機を救うヒーロー」になっちゃいました!


今回は、リリアンちゃんの指示のもと、シエル、ガド、ルシウスの最強チームの連携プレイが光りましたね! 知識、技術、魔力、情報、すべてが揃って初めて古代の封印を解けたわけです。


さあ、四聖獣をすべて味方につけたリリアン一行。次は、古代魔術を悪用しようとする敵との直接対決が待っています! 彼らの隠れ家を見つけ出し、古代の知識を独占しようとする野望を打ち砕く、本当の戦いが始まります!


次の展開も、どうぞお楽しみに!

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