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1.2 役立つ人への応答
「その通り。だからこそ、私がいるの」
アカリは、背負っていたリュックから、銀色のリストバンドを取り出した。
「これは、私が開発した**『仮想質量維持装置』よ。通称、『オモリくん』。これを装着すれば、あなたの5グラムの本体が、突然の『偽の重力開放』**で宇宙へ飛び立ってしまうのを防げるの」
大山は、少女の真面目さに気圧され、言い返す気力も失っていた。
「わかった、わかった。変な遊びにつきあう暇はないんだ」
「待って、大山」アカリは、大山の目を真っ直ぐに見つめた。いつもの大仰な口調ではなく、少しだけ声が震えていた。
「私の**『究極の目標』のために、貴方に『研究協力』を要請するわ。私の『発明品』を、『この世界で困っている人』**に、使ってもらってほしいの」
「発明品?」
「これは、**『母の言葉』への『応答』なの。母はね、『役立つ人になってね』と言い残して、『この場から退場した』**ものよ」
大山は、その言葉の裏に隠された**『喪失』と『さみしさ』を瞬時に察した。この聡明すぎる少女は、母の言葉を「発明で人を助けること」という『役割』**として背負うことで、人との繋がりを保とうとしているのだ。




