表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
92/162

3-3

地上の生命に、神が異能の力を与え、魔が払われた後、神は生き残った人々に、予言を残した。

それは、後の世に、三つの災厄が訪れるという人々に向けた警告だった。


それから百年後、復興を果たした国々を一つ目の災いが襲った。

それは、魔が消えても尚残る魔物によって齎された疫病だった。


その後、やってきた二つ目の災いが飢饉だ。

突然降った黒い雨に大地が汚染され、田畑だけでなく野山の植物も枯れてしまった。数百年経った今でも、その爪痕はしっかり残されている。


一つ目も二つ目も、大勢の人が命を落とした。予言されていても防げなかったのだ。

そして、とうとう三つ目の、最後の災いがやってくる。

姫様は、はっきりと、そう告げた。




「神によると、今世を生きる私達に迫り来る災厄は、魔物の王だそうよ。」


「魔物の王?魔が消えた今、そんな強力な魔物が生まれるのですか?」


「いいえ、既にいるのよ。王はね、ずっと存在していたの。大昔の異能者達によって、魔物の大半は狩り尽くされたわ。でも、王だけは、生き残って長い眠りについていた。魔物の王は、きっとこの日を待っていたんじゃないかしら。異能者の数が減った、今を。」



魔物の王。

気が遠くなる時を越えてきたそれは、いったいどんな存在なんだろうか。

禍々しい岩竜を思い出して、私の背筋が一気に冷える。


でも、その王と私の死に何の関係が?

魔物の王にとって、私なんて、ただの虫けら程度のはず。


私の疑問を感じ取った姫様が、眉間に何本も皺を寄せて、その美しい顔を鬼のように歪ませた。



「全部、全部、あの腐れ外道のせいよ!あのクソジジイと血が繋がっているのかと思うと虫唾が走る!アイツの死体を掘り起こして、魔物の王に食わせてやりたいわ!」


「エレン、気持ちは分かるが、アイツの死体は、塵も残さず燃やした。その魂すらな。」


「あら、そうだったわ!残念。」


お二人がアイツと語る方は、先々代王のことだ。先々代王は、処刑後も、その罪の重さから、サージェントの王族の中では禁忌扱いされている。

もちろん、私も思い出したくない存在だった。



「ステラ、貴女の体に、結晶化した魔石があるのは、分かっているわよね?」



私は、実験の中で、魔石の粉を血液中に流されていた。その粉が体内で結晶化して、今、私の魔力貯蔵器官になっている。

その魔石が、丁度私の心臓にピッタリくっついて存在しているのだ。



「あのクソジジイは、ステラの体に、魔物の王の魔石を使ったみたいなの。」


姫様は、私の隣に座り直すと、私の胸に手を当てた。



「これは、かつての大戦の中で、魔物の王が落とした命の一部。目覚めた王は、必ずこれを取りに来るわ。」



魔物の一部が、私の中に?

そんなものが、私の中にあるの?


一気に込み上げる吐き気に、私は口を両手で押さえる。

そんな私を姫様が、優しく抱きしめてくれた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ