表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
145/162

3-42

「邪魔をするな!」


ヴェイル様が、私達の周りに集まった影を焼き払う。でも、払っても払っても新たな影が、私達の足に絡みついてきて、行く手を阻み続けた。



「クソッ!クソッ!いい加減にしろ!」


何度も異能の力を使うヴェイル様の顔色が悪い。私は、荒い呼吸を繰り返すヴェイル様にしがみ付いて、彼を止めた。

すると、影はまた、私達の周りに大量の闇を吐き出す。



このままじゃ、ヴェイル様の体がもたない。

ヴェイル様の体もミシャの闇に、侵食され始めていた。彼に触れた所から闇の力が流れてくるのだ。

でも、周りの闇が濃過ぎて、私ではヴェイル様を浄化しきれない。



どうしたらいいの?

ヴェイル様を助けたいのに。

せめて、ヴェイル様だけでも…。


そう考えて、私は頭を振る。



駄目よ。

ずっと一緒にいるって約束したんだから。

自分だけ犠牲になればいいだなんて、以前の私のような考えではいけないのよ。

私達が、みんなが、助かる方法を考えなきゃ!


ヴェイル様の腕の中で、必死に思考を巡らせていると、彼が一際大きな青炎を燃え上がらせた。

青の大火は、空高く上りキラキラと輝く火の粉を散らせる。それが、頭上から光の雨のように大地と私達に降り注いだ。


一気に空気が澄み、私の心臓の痛みも和らぐ。その時ふと、私はある可能性に気付いた。



「ヴェイル様、ミシャの闇を全て浄化しましょう。」


「ステラ、駄目だ!貴女の体は、もう限界だ。このまま、この闇から一度離れるぞ。」


「でも、私達なら…。」




「それは無理だぞ。」


話の途中で突然、ミシャの声が聞こえた。そして、目の前の闇が左右に割れ、地面に広がる影の一部が盛り上がる。その影の中から、所々体が崩れた満身創痍のミシャが、姿を露わにした。



「もう、この闇は、フローラに与えた我の核から離れない。フローラを主人と定めた。フローラは、この地を汚す魔の一部となるのだ!ハハ。」



「そんな事はさせない。俺は、必ずステラを守りきる。彼女を幸せにすると約束したからな。だから、お前達、魔の者には、決してステラは渡さない。」


ヴェイル様は、強く宣言すると、私を抱き抱えたまま、剣を上空へ翳した。そして、ミシャ目掛けて、青炎の刃を斬りつけた。

炎刃をまともに受けたミシャの体から青炎が噴き上がる。その美しい炎の中で、笑顔に狂気を混ぜながら、ミシャは笑い続けていた。自分の死など、どうでもいいと言うかのように。



「いずれまた…、魔、と共に。その日、まで、苦し、め。」


ミシャは、最後に私達へ呪詛を吐き、崩れながら影に溶けていった。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ