鷺ノ宮 莉音 なんかおかしい世界
「んっ、、、知らない天井だ、ここはどこだ、、、?」
俺は確か、塾の帰りにコンビニに寄ろうとして、それから、、、
「そうだ、その時にコンビニに突っ込んできた車に轢かれたんだ、良かったぁ〜俺生きてたのか」
じゃあここは病院かな?確かに言われてみれば病院っぽいけど、ただ広すぎね?
4人部屋の大きさなのにベットがひとつしかないんだけど、仕切りもないし。
「まぁとにかく起きたんだし、一応ナースコールした方が良いか?服着替えたいし、ついでに言えば持ってきて貰えるかな?」
『はーい、どうされましたか?』
「すいません、今起きたんですけど、服とかを着替えたくて、着替えとタオルを持ってきてもらってもいいですか?」
『えっ!?あっ、はい!?わ、分かりました、じゃあ直ぐにお持ちしますね!!少々お待ち下さい!!』
「ありがとうございます〜よし、これで一応大丈夫か?お母さんにも連絡しなきゃだけど、流石にまだ動きずらいし、スマホも何処にあるか分からないから、着替えたら病院から連絡してもらうか」
それにしても、看護師さんがちょっと焦ってたな〜
なんか、忙しい時だったかな?だとしたら少し申し訳無い。
コンコン
「は〜い」
『看護師の中村です!!お着替えとタオルをお持ちしました!!』
「あっ、ありがとうございます、すいませんまだ身体があんまり上手く動かせないんで、入ってきていいですよ」
『えっ、、、良いんですか!?じゃ、じゃあ、し、失礼します!!』
ガチャ
「来てもらって、直ぐに悪いんですけど、体起こすの手伝ってもらっていいですか?ちょっと、体に力があんまり入んなくて」
ってか、この看護師さん、めちゃくちゃ美形だな、これは裏でモテてるだろうなぁ〜
「は、はひ!?じゃ、じゃあ少し触っちゃうんですけど!!だ、だ、大丈夫ですか!?い、嫌なら、手袋とかしてきますけど、、、」
「えっ?別にそんな事しなくても大丈夫ですよ?着けたいなら別にいいですけど?」
なんだ、俺に触りたくないからか?触りたくないから遠回しに手袋つけさせてって言ってるのか?
「そのままで、いえ!!そのままが、いいです!!」
「そ、そうですか、じゃあそのままでお願いします?」
「は、はい!!」
何だこの空気感、なんか若干おかしい気もするけど、まぁ大丈夫か?
「すいません、出来れば着替えが終わったら母に連絡して貰ってもいいですか?」
「あっ、そ、それなら大丈夫です、お母様にはナースコールの後に意識が戻ったことは連絡してますから、あとちょっとしたら来ると言ってましたし、あと2,30分もしたら来ると思います」
「気を利かせてもらってありがとうございます、着替えの事といい、色々とやってもらって本当にありがたいです」
「い、いえ、仕事ですので!!で、では失礼しましたっ!!」
美人な上に仕事が出来るなんて最強だな、それにしてもお母さんにも、心配をかけちゃったな〜
お母さんもお父さんが死んでから過保護に拍車がかかってたから、ちゃんと謝らなきゃだな。
「それにしても、どのくらい寝込んでたんだ?寝過ぎたからか、若干身体が痛いし」
と言うか、どっかに時計がないかな〜まぁ寝込んでも数日だろうけどな。
「っと、あった、え〜と1月5日か、なら2日間も寝てたのか?なんか正月早々に病院で寝込むなんて縁起が悪いなぁ〜まぁ正月に轢かれてる時点で縁起もクソもないけど」
しかし、この部屋もデカい割には質素だなぁ〜普通にテレビくらいならあっても良さそうだけど。
「まぁ気にしても仕方ないか、こんな広い部屋にいる時点でラッキーだと思うべきだしな、スマホもお母さんが持ってきてくれるでしょ」
ドタドタドタッ バァァンッ
「りおぉぉんちゃぁぁんん!!だいじょぉぉぶぅぅう!!」
「なになになになに!?お母さん、いきなりどうしたの!?大丈夫だから、とりあえず大丈夫だから、ねっ?だから、着替えたばっかの病院服に鼻水つけないで!!」
「ほんとに!?本当の本当に大丈夫なのぉ!?」
「本当に大丈夫だから、本当の本当に大丈夫だから、ね?というか、今日のお母さんなんかいつもより綺麗じゃない?どうしたの?」
と言うか、前から年齢の割には綺麗めだったけど、今のお母さんはその比じゃないと言うか、、、
なんか、癖とか雰囲気は完璧にいつものお母さんなんだけど、普段の何倍も綺麗なんだけど。
「えっ!?お母さん綺麗?えへへ、そんな事言われても困るなぁ〜」
「はいはい、お母さんも落ち着いて、それにしても莉音がお母さんを褒めるなんて珍しいな、なんかいい事でもあったのか?」
「いや、別に、、、と言うか、失礼かもですけど貴方、誰ですか?俺の知り合いにお姉さんみたいな綺麗な人は居なかったと思うんですけど」
と言うか、俺のお母さんのことをお母さんって呼んでる?どういう事だ?
俺にはお母さん以外の親戚がいなかったから、お姉さんくらいの親戚どころか、従姉妹はもちろん、叔母も居なかったはず。
「さ、流石に冗談だよな、莉音?綺麗とか言って褒められるのは嬉しいけど、流石に自分のお姉ちゃんに対して誰ですかなんて言わないよな?」
「えっ?お姉ちゃん?」
「そ、そうお姉ちゃんだよ?ほ、ほら、私だよ、鷺ノ宮琴音だよ?よ、よく家でご飯とか作ってるだろ?」
なん、、だと、、、
こんな綺麗なお姉さんが俺の姉?どういう事だ!?
「えっと、すいませんけど、俺の家族ってお母さん以外居ましたっけ?俺、お母さん以外は覚えてないんですけど、、、」
「り、莉音ちゃん?お母さんを覚えてくれてたのは、凄く嬉しいんだけどね、もしかして莉音ちゃんって、琴音ちゃんだけじゃなくて春音ちゃんと天音ちゃんと静音ちゃんも覚えてないの?」
「う、うん、悪いけどお母さんが言ってる、琴音さんも春音さんも天音さんも静音さんも4人とも覚えてない、かな、、、」
「そ、そんなぁ」
「ごめんね、琴音お姉ちゃん?出来るだけ頑張って思い出すから」
「い、いや、私は別に大丈夫だ、それより莉音こそ身体は大丈夫か?」
「う、うん、特に痛いところとかは無いかな、見た感じ大きな怪我も無さそうだし」
一体、何が起きたら兄妹が4人も増えるんだよ?新手のドッキリ何かか?
いや、だとしてもやり過ぎだろ、、、それになんかこの人、本当に落ち込んでるみたいだし何がどうなってるんだ?
「あの〜家族での団欒中に申し訳ないんですけど、莉音さんが起きたんでしたら、そろそろ検査をしたいのですけど、、、?」
「あっ、すいません、先生!!今行きます!!それじゃあ、ちょっと検査に行ってくる」
「莉音ちゃん行ってらっしゃ〜い、あっ、先生?うちの莉音ちゃんのことお願いしますね?なんかあったら、、、ね?」
「は、はいぃぃい!!」
なんかお母さんがちょっと黒いモヤを纏ってた気がするけど、気の所為だよな?うちのお母さんはそんな超次元なことしないよな?




