プロローグ
「静粛に!では、ただ今から、寮の総会を行います。」
寮長の号令で、寮長を除く29名の偉人達及び3名の寮母は静まりかえる。誰もがモノを言いたげな雰囲気。ちょっとでも変なことを言えば、爆発しそうな様相を呈していた。
「では、第一号議案 【寮の決算】について、本年度の寮費状況を会計の国丸氏より報告します。」
「紹介にあずかりました、国丸でおます。では、皆様、お手元にお配りしました資料を御覧ください。1枚目は、現在の寮費の徴収状況であり、、、、。」
寮長は会計からの報告を聞きつつ、周りの様子を伺っていた。皆、反応は様々であったが、多くの者は眉間に皺を寄せて資料を拝見していた。206号室の向井リノン氏だけ笑顔であり、寮長と目が合うとほくそ笑んでいた。
(ああ、こいつ、多分話についてこれてないな、、、。)
とりあえず、寮長はリノン氏に微笑み返した。そして、静かな時は15分ほど流れ、国丸会計の報告が終わりを迎えようとしていた。
「よって、収入865万8990円、歳出が未払額含め1073万2500円となっておます。以上で、私からの報告を終わりでおます。」
寮長は会計の報告終了に伴い、平然と皆に問う。
「、、、。今の報告の中で御意見・御質問等ある方はおられますか?」
寮長は眼前に広がる状況は想定していた。この寮の偉人達が静かなことなどあり得ないことを、、、。