十章 月夜を照らす 其の拾
サクラコ裏話 ステータス編
ステータスは攻撃、防御、技術、射程、機動、知力、成長性、戦闘IQ、精神力、神秘量の10個を評価するよ!(数値基準表1〜3欠陥、3〜5標準、5〜8優秀、8〜10卓越、10〜超越)
11回目
李 崩
攻撃力 12
防御力 10
技術 10
射程 8
機動 10
知力 6
戦闘IQ 10
精神力 10
成長性 8
神秘量 0
総合評価 84
このステータスは第一部春を参考に作っております。
様々なビルが立ち並ぶ都市の中、慎一郎はビルの中に敢えて身を潜めるとビルの内装を理解し、至る所に罠を仕掛けるために呟く。
「神秘解放、維持神」
神秘による一箇所だけ神秘が強まることで自身のいる場所を明かす代わりに、相手を挑戦者に仕立てる戦法。
ツカサは一箇所だけ神秘が強まっているビルを見つけるとそのドアの前で一度立ち止まった。
(あからさまに誘ってるな、このビル高さは200メートルで周囲にも同じようなのが幾つもある、か。もしもがあれば、そっちに行けばいい。なら、中から上に上がるのは愚策)
ツカサは準備体操を始めると体に回る神秘を使い、ビルの中に入らず、その外郭、ビルの外側駆けた。物理法則を完全に無視した動きであるものの神秘を纏う体であればそれが出来ても可笑しくは無い。
だが、それは慎一郎も同じである。ツカサがいる150メートル辺り、慎一郎は同じくビルの外郭を神秘で覆った足を使い、槍を携えながらツカサに襲いかかった。
腰に差していた刀をツカサは抜き、突きをいなすとビルのガラスを傷つける。慎一郎はまだ神秘を纏いビルの表面を走る調整が出来てないのか、ギャリギャリと音を立てながら遠ざかるものすぐに再び距離を詰めた。
槍と刀が互いに交じり甲高い音を立てると慎一郎とツカサは見合いながら笑っていた。
「お前、神秘解放してないだろ?」
「ええ、それが何か?」
「それなのに神秘を纏ってやがる。氣の操作か?」
「原理は同じですね」
短い会話を交えながら互いの刃が鎬を削る。刹那の攻防で慎一郎は確信した。この青年が本当にエデン学園生徒会長であると言うことを、そして、その瞬間にツカサに対しての危険度と警戒心は跳ね上がり、全力で彼を狩ることを決定した。
内部の罠を解き、動きながら相手にバレないうちに再び仕掛ける。常に神秘を纏いながら動く故に、その行動は相手に知られずに行われ、ツカサの移動範囲を徐々に狭めて行った。
獲物が狩場に着くと同時に、慎一郎は口を開いた。
「維持神・慈海波」
ツカサの地面から槍が彼の体を貫こうと現れるもその一撃を宙返りをして、避けた。
「んな?!」
自身を支える地面が消えた瞬間、縦にある重力に逆らえず、ツカサの体は落下すると思いきや足から神秘を使いガラスの表面に突き刺すと次は彼から距離を詰めてきた。
辺りに仕掛けていた罠を全て使い、ツカサを攻撃するも、それら全てを簡単に避けては切り裂く。そして、再び互いの間合いに入り込むと得物と得物を打つけ合った。
「やるねえ! 俺、神秘の量には自信あるんだがお前それ以上だろ!」
「そんなことありませんよ。ただ、僕は少しばかり目が良くてですね。神秘のコントロールが他人より優れているだけです」
「謙遜すんなよ! 俄然やる気が出てくるだけだからヨォ!」
槍を振り回しながら連撃を放ったと思いきや、先程同様に槍が地面から現れる。槍が目隠しとなった瞬間、慎一郎は人身の槍を投げる構えを取ると声を上げた。
「維持神・三叉投擲!」
慎一郎の全ての神秘を一箇所に集め放つ必殺の一投。
翠の神秘を纏ったあまりにも強大な一撃をツカサは避けることが出来ず、自身の持つ刀で受け止めるも完全に威力を殺すことは不可能であった。
ツカサはビルの表面から離されるとそれと同時に慎一郎もビルのガラスから足を離したビルのガラスにつくかつくかないのギリギリで、滑空するとツカサとの距離を詰める。
「空中戦は好きかい。まぁ、地面に落ちるだけだがな」
その呟きと共に槍はいつの間にか慎一郎の腕に戻っており、足場のない空中で降り回すとツカサの握る刀にぶつけ、彼を地面に叩きつけた。
急転直下するツカサが地面に打つかり、巨大なクレーターのようなものが生まれると砂埃により慎一郎の視界を遮る。神秘による防御を使ったとしても全ての威力を殺しきれないほどの衝撃であると慎一郎は確信しており、自身は槍をビルのガラスに突き刺し、何の負担もなく地面に降り立った。
しかし、その確信は砂煙を裂き、無傷で現れたツカサにより一瞬にして崩れ去る。
「オイオイ、マジかよ。丈夫すぎんだろ」
「そうでもないですよ、まだまだ決闘はここから。楽しんでいきましょう」
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