六章 月夜を照らす 其の陸
サクラコ裏話 ステータス編
ステータスは攻撃、防御、技術、射程、機動、知力、成長性、戦闘IQ、精神力、神秘量の10個を評価するよ!(数値基準表1〜3欠陥、3〜5標準、5〜8優秀、8〜10卓越、10〜超越)
6回目
セラ・コトリ
攻撃力 4
防御力 9
技術 8
射程 8
機動 3
知力 10
戦闘IQ 10
精神力 8
成長性 9
神秘量 10
総合評価 79
このステータスは第一部春を参考に作っております。
不良達の束を破竹の勢いで蹴散らして行く。
槍を携えた慎一郎はキレていた。
慎一郎は自身が怒るなんて相当のことが無ければないと思っていたにも関わらず、相手のことをお構いなしにと持てる武器全てを使い、不良達を薙ぎ払う。
遅い来る凶刃を全て知っているかの様に一切受けることなく避けると手に握る得物に蹂躙を行った。一振りすれば三人を、蹴りと拳を振るえば二人を、同時に蹴散らしてはツクヨとの開いている距離を最短ルートで突っ切る。
「たった一人だぞ!? 何やってんだよ!」
主犯の男は叫ぶもそんなことお構いなしにと不良達を倒して行くと廃屋に集まっていた彼らの味方は半分も満たなくなっていた。
「おい! お前ら! せっかくここまでやったのに何やってんだ! 相手は一人だぞ!」
「そうは言ってもあいつ強すぎる?! この人数相手に出来るやつなんてそうそう、いや、まさか」
「なんだ!? なんなんだ?! あいつは一体!?! なんなんだよ!」
不良達が徐々に引いて行くのを見て、慎一郎は一人たりとも逃すまいと距離を詰めるのをやめない。
「そんなに何者か知りたいなら答えてやるか? お喋りが好きなら喋らせてやらんでもないぞ」
槍を投げると不良の肩を抉り、そこから叫び声が上がった。痛みつけると言うよりも傷つけること、相手を許すことをしない全くの躊躇いのない真の暴力であり、それの目の前にして、不良達は恐怖した。
恐怖は一瞬にして伝播し、一人が背を向ければまた一人、また一人と背を向ける。背を向けた獲物ほど狙い易い的は無いが慎一郎はそんな彼らを追うことはなかった。
ただ、そこに彼らが走ることを知っていたが故に。
「維持神・慈海波」
一言残すと慎一郎が握る槍が背を向けた不良達の地面から唐突に突き出た。そして、彼らの肩や、足を貫くと彼らは倒れ込んだ。
「お前らの未来は見えてるから安心しろよ。俺は有言実行ってのが好きなんだ。お前らは一人も逃さねえからよぉ〜!」
一歩、また、一歩と歩を進める慎一郎に対して、また一人、また一人と倒れて行く不良達。
いつの間にか、主犯の男を取り巻く者たちは一人も残っておらず、ツクヨを盾にして叫んだ。
「く、来るなぁ! お前! こいつが! こいつがどうなってもいいのか?! 俺は! 俺は殺すぞ! こいつを、こいつを殺す! はぁ、はぁ、殺したくないなら、俺を! 俺を逃がせ!」
ツクヨを人質に取ると言う行為、それに慎一郎はここ一番で怒りを、殺意を、露わにした。
「その意地汚さ、気に入ったよ。そうだな、お前は今、死ね」
慎一郎は槍を地面に突き刺すと自身の体に眠る神秘の可能性を広げるために再び大声を上げる。
「神秘拡張、維持神帝王」
頭上にもう一つの輪っかが生まれると突き刺した槍を中心に彼らの周りには様々な武具が形成され、その中にあった一輪の蓮華を右手で摘んだ。
「維持神帝王・未来福音」
蓮華に息を吹きかけるとその花びらが男の目の前に舞う。主犯の男はようやく自分が神秘による攻撃を喰らったことを理解するもその一つ一つの動作に、自身の死が近づいているにも関わらず、見入ってしまっていた。
男はツクヨを人質に取っているのだから下手に攻撃してこないと思い武器を握るも、何故か自分の右腕がぼとりと千切れ落ちた。
痛みもなく、落ちた腕に脳が追いついた途端、声を上げようとするもののいつの間にか口も塞がれており、叫びすら出ない。
次に左腕が落ちた。
男は逃げ出そうとするものの右足が千切れる音がした。
血は出ない。痛みもない。左足も千切れた。感覚が無く、恐怖も薄れる。主犯の男は理解した。この感覚、この迫り来るものそれら全てが死の形であり、死そのものであるということを。
そして、男の意識もまた、千切れ落ちていく。
突然、ツクヨは横にいた主犯の男が無傷で泡を吹いて倒れると彼女は目を丸くした。
だが、そんな男を気にすることなく慎一郎はツクヨに近づくと彼女の目の前に手を出し、ニッコリと笑顔を浮かべながら喋りかけた。
「よ! ツクヨ! 元気か?!」
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自作の続編でもあるのでもしよろしければこちらも是非!




