四章 月夜を照らす 其の肆
サクラコ裏話 ステータス編
ステータスは攻撃、防御、技術、射程、機動、知力、成長性、戦闘IQ、精神力、神秘量の10個を評価するよ!(数値基準表1〜3欠陥、3〜5標準、5〜8優秀、8〜10卓越、10〜超越)
4回目
斗南 ツクヨ(現在)
攻撃力 15
防御力 15
技術 15
射程 8
機動 15
知力 8
戦闘IQ 10
精神力 6
成長性 7
神秘量 9
総合評価 108
このステータスは第一部春を参考に作っております。
ツクヨと慎一郎のゲームが始まってちょうど一ヶ月。
最終日故に、ツクヨは誰よりも学校に早く来ると慎一郎もそれを知っていたかのように彼女のことを待っており、朝からそれは行われた。
始業のチャイムが鳴ると彼らは互いの教室に戻って行き、休息のチャイムが鳴ると再び戦いを始める。
どんな手を使っても絡めても慎一郎に当たることはなく、時間だけが過ぎていく。ただ、それすらもツクヨにとってはほんの少し楽しく感じる時間になっており、慎一郎とのゲームを無意識のうちに楽しんでいた。
昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴ると彼らは再び教室に戻る準備を始めた。
「今日の放課後、決着つけるから。体育館で待ってて、慎一郎」
一言残し、颯爽と消えて行くツクヨの背中を慎一郎はポカンとしながら眺めていた。
「あいつ、今、初めて名前呼んだよな?!」
***
放課後、ツクヨは急いで体育館に向かおうと駆けようとした。しかし、彼女が教室から出た途端、キャーという声が上がった。
その声の方向を見ると鞄を盗られた女生徒が地面に倒れ込んでおり、それらを見た瞬間に何が起きたかを察した。体育館とは逆の方、盗人が走る方向へツクヨは足を動かした。
(あいつ、逃げるの上手い)
相手の手慣れた足取りを見ながら、その背中を無心に追いかける。
校舎の外、都市の廃屋。
そんなところまで来てしまったことに気づいた時には既に遅く、そこには多くの人間がツクヨを待ちかねていたと言わんばかりに集まっていた。
「お待ちしてたよ、斗南ツクヨぉ!」
そう声を上げるのは以前も鞄を盗んでいた生徒であった。そして、そこに集まっていたの多くの学生達はツクヨが入学し、彼女が風紀委員として活動していた時の被害者、いや、不良達であり、これまでの溜まっていた鬱憤を晴らそうとしていた。
だが、ツクヨは自身の時間を、約束をしていた時間を割かれたことに腹を立てており、立っている者たちを睨みつけると自身の得物を取り出すために呟いた。
「起動」
ガントレットを握るツクヨを見て、彼らもまた大声で叫ぶ。
「「「「「「「起動!!!!!!!」」」」」」」
様々な武器を携えた不良達がツクヨ目掛けて襲いかかるもその様な有象無象達に彼女を止めることは不可能であった。
神秘の解放すら行わず、物理的に殴っては蹴ってを繰り返す。数の暴力があるにも関わらず、圧倒的な個の暴力の前に捻り潰され、その様子は見ていて圧巻とも言えるものであった。
だが、それはただ数を集めたわけでは無く、ある一瞬、ほんの一瞬だけのツクヨの隙を生み出すためのことであり、それを生み出すには十分。
ドンと言う音共にツクヨはどこからか引き金が引かれたことを理解していた。
ただ、数による肉の壁、それらに目が奪われていたツクヨは、その方向に気づくことが出来ず、右腕を弾丸が貫いた。
弾丸が自身の体を貫いたと思いきや、それは何かの液体が入っている注射器のような物であり、気付いた途端、すぐさま弾き落とすも液体はツクヨの体に入り込んでしまった。
(痛みは、ない? いや、そんなことよりも毒とかならあんまり良くない。こっからは少し本気で行く)
自分の置かれている状況が思ったよりも不利なことを一瞬にして把握するとツクヨは自身の神秘を解放するために怒りを込め、叫んだ。
「神秘解放! 転醒神!」
主人の叫びに応じ、神秘は顕現する。
はずだった。
ツクヨの頭上に輪っかが現れた途端、それは消えて無くなり、自身の手に握る得物が変化しないことに気づく。
「神秘が、使えない?」
一言残した瞬間、ある者のハンマーがツクヨの頭の背後を思い切り殴打し、その一撃を喰らったツクヨは地面に目掛けて倒れ込む。
頭の後ろに血が集まって行く嫌な感じと身体を動かそうとする意識が遠のく感覚。
意識はうっすらと遠のいて行くと彼女は最後に消えゆく中である考えた。
(ごめん、慎一郎。約束破っちゃった)
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