三章 月夜を照らす 其の参
サクラコ裏話 ステータス編
ステータスは攻撃、防御、技術、射程、機動、知力、成長性、戦闘IQ、精神力、神秘量の10個を評価するよ!(数値基準表1〜3欠陥、3〜5標準、5〜8優秀、8〜10卓越、10〜超越)
3回目
旧巣 結衣
攻撃力 5
防御力 5
技術 11
射程 12
機動 6
知力 9
戦闘IQ 10
精神力 6
成長性 8
神秘量 7
総合評価 79
このステータスは第一部春を参考に作っております。
ツクヨと慎一郎のゲームが始まって一週間。
休憩時間に入った途端、ツクヨは慎一郎がいる元に駆けると彼がいる教室のドアを開ける。そして、ドアの一番近くにある慎一郎の席にいることを確認すると彼目掛けて飛び蹴りを放った。
「不意打ち上等とはいいねぇ!」
教室内での幻想換装の使用は禁止されており、それを遵守するツクヨは己が持つ四肢のみで慎一郎に襲い掛かる。
幻想換装すら使わないのにツクヨの動きは洗礼されており、右から左へと縦横無尽に突きや蹴りを放ち続けた。だが、それらを慎一郎は簡単に受け止め、いなし、ツクヨの全力であっても彼の体に一切かすりもしなかった。
しかし、始業の鐘の音が聞こえると同時に、ツクヨの猛攻はピタリと止まり、教室から出ていくと慎一郎はニコニコとしながらその背中を見守った。
そして、三週間の時が経ち、これを毎日、毎週、学校が休日である日にも関わらず、慎一郎は校舎に現れるとツクヨもそれを知っていたのか彼を見つけた瞬間に、同じことを何度も何度も繰り返した。
(強い、とかじゃない。私の動きを先取りしてる? そうじゃないとあそこまでの動きは出来ないはず)
自分が持てる技術を全て用いて幾度もなく攻撃を放つも慎一郎には一度も届かなかい。だが、そこには最初の様な苛立ちは無く、相手は自分が本気を出すのに相応しい好敵手と認めており、むしろ、どこかに尊敬の念すら生まれていた。
そんな尊敬の念は慎一郎相手に見せたくないツクヨはツンケンとしながら攻撃を続ける。幾分かして、今日も攻撃が当たらないと分かると流れてきた汗を拭き、彼の前から姿を消そうとした。
すると、慎一郎はツクヨを止めるために声をかけた。
「待てよ〜、な! ツクヨ、俺と一緒に飯行こうぜ」
「行かない」
「俺の奢りだからよ」
「行く」
「急に食いつきが良くなったな!」
***
学園都市の飲食店にて、ツクヨはテーブルいっぱいに並べられた料理を一人で黙々と頬張った。あれもこれも全て一人でパクパクと食べていき、慎一郎はそれを見ながら目を点にする。
「ツクヨ、お前すっげえ食うんだな! いい食いっぷりだ! 気に入った!」
「うるさい、食べてる時くらい静かにして」
「美味しそうに飯を頬張る割には笑顔じゃねえなー」
ツクヨはある程度テーブルの上の食べ物を全て食べ切ると次はデザートを頼もうとメニュー表に手を取った。慎一郎はそれを笑顔で眺めるだけであり、ツクヨはそんな彼を睨みつけながらデザートを頼む。
「な、俺と学校建てるのは少しくらい考えてくれたか?」
「嫌だ、そう言ってる。残り一週間で一本返せなかったらその時はやる」
「えー、ぶっちゃけ、俺はお前がやる気じゃないのに無理矢理やらされるってならやりたくないんだよ」
慎一郎は自分が頼んでいた珈琲を口に運び、ゆっくりと飲むとツクヨの目をしっかりと見て話し始めた。
「俺がなんで学校を建てようとお前だけを誘ったのか知ってるか?」
「知らない」
「そりゃそうだ、教えてなかったしな。俺が学校を建てたい理由は至ってシンプル。お前を笑顔にするためだ」
思いもよらぬ言葉にツクヨは初めて慎一郎の前で素の声を上げた。
「は?」
「いい反応するねえ〜、こっちも嬉しくなっちゃうだろ」
ニヤニヤとする慎一郎に少々苛立ちを覚えるがすぐにそれは冷め、ツクヨは冷ややかに言葉を返した。
「意味が分からない。なんで、私のためなんかのために、学校を建てるの」
「お前が楽しそうじゃないからだ」
慎一郎はツクヨを見ながらそう言うと彼女は頼んでおいたデザートを頬張り始めた。そんな彼女をよそに慎一郎は自分の目的を伝えようと一生懸命に声を上げる。
「四季祭「春」の決勝戦見ててな! お前の勝ちっぷりはすごかった! だが、龍仙学院の刃、あいつも物凄く強いのにお前はそいつを倒して、優勝したってのに一つも笑わない! そこで考えた、ツクヨが笑顔で過ごせる学校を建てればいいんじゃないかなってな! な! だからよー、俺と一緒に学校建てようぜ〜」
感想、レビューいつもありがとうございます!
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自作の続編でもあるのでもしよろしければこちらも是非!




