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二章 月夜を照らす 其の弐

サクラコ裏話 ステータス編

ステータスは攻撃、防御、技術、射程、機動、知力、成長性、戦闘(バトル)IQ、精神力、神秘量の10個を評価するよ!(数値基準表1〜3欠陥、3〜5標準、5〜8優秀、8〜10卓越、10〜超越)


2回目


レイズ・ヴァリティタス


攻撃力 7

防御力 6

技術 8

射程 10

機動 6

知力 7

戦闘IQ 8

精神力 10

成長性 10

神秘量 7


総合評価 79

このステータスは第一部春を参考に作っております。


 殴っては駆け、殴っては駆け。

 幾星霜、幾星霜と繰り返す。

 生まれていく倒れ込んだ罪人達。

 彼らに向ける感情は無く、淡々と容赦なく、秩序を乱す者達を狩り続けた。


 そこに理由はなく、ただ、自身が任されたからやるだけ。意思も、想いも、何も、全く背負うものなく、ツクヨは風紀を正すためだけに己の拳を容赦なく振るった。


(あっちから声が)


 体育館から聞こえた声を聞き、ツクヨは向かうとそこには背丈が180㎝ほどの青年が彼女を待っているかのように立っていた。


「誰、あなた」


 目の前に立つ青年目掛けて、握り締めるガントレットを使い、思い切り突きを放つ。しかし、青年はその拳を素手で受け止めると彼女の顔を見て笑顔をこぼした。


「はじめましてかな? 斗南(ほしなみ)ツクヨ。俺は幹慎一郎(みきしんいちろう)、三年生、これにて俺とお前には縁ができた、友達になったってことで自己紹介終了、本題に入るぜ。な! ツクヨ、俺と一緒に学校建てないか?」


 自身の拳を簡単に止められたこと、そして、いきなり意味のわからないことを自分に提案してきた慎一郎に対して、ツクヨは右足を使い、彼の体目掛けて回し蹴りを放った。


 慎一郎は簡単にそれを止めると闘争心を剥き出しのツクヨは止められた足から宙返りをし、握っていた得物をテンポ良く振い始める。


 右の突き、左の突き、前蹴り、回し蹴り、小さな体の小回りの良さを使い、素早く何度も何度も放ち続けるも慎一郎は気にすることなく、それらを簡単にいなす。


(この人、意味わかんないこと言ってんのに、ものすごく強い。このままじゃ、勝てないし、本当に邪魔。ちょっとだけ本気出す)


 ツクヨはそう考えると慎一郎から距離を止めると己の体に眠る神秘を解き放つために呟いた。


神秘解放(リリース)転醒神(ホルス)


 ガントレットは姿を変え、頭上には輪っかが顕れるとツクヨは自身の持つ全力を見せる。


 目にも止まらぬ速度に、慎一郎は嬉しそうにしており、彼女がいきなり目の前に現れた瞬間、彼もまた己の神秘を解き放つ。


神秘解放(リリース)! 維持神(ヴィシュヌ)!」


 得物が握れていない両腕に一本の槍が姿を現し、彼の頭上にはツクヨとは違う形の輪っかが浮かんだ。


 ガントレットと槍がぶつかった途端、互いに握る得物から火花を散らす。槍を振るう慎一郎は満遍の笑顔を溢すもその逆にツクヨはムスッとした表情で淡々と拳を打つけた。


「いいね! その膂力! その俊敏さ! ますます欲しくなったぜ!」


「何が欲しくなった、だ。私はあなたに欲しがられることなんてないし、あなたを求めることもない」


「学校作ろってのは嫌か?! 」


 ツクヨがその言葉に向けるのは殺意であり、ここまで一度も見せたことのない、感情を露わにした。


「嫌に決まってるでしょ!」


 言葉を放つと同時に己の神秘の技を見せるために拳にに力を入れ、構える。


転醒神(ホルス)緋炎砲(マグナ)


 盾の一部が開き、拳はそれを纏いながら急激な速度の変化を見せるとその凶器は慎一郎の体目掛けて容赦なく向けられた。


 槍で防ぐもその威力自体は殺すことが出来ず、慎一郎の体は吹き飛ぶ。だが、すぐに立ち上がるとツクヨの目の前に立ち塞がると彼は笑顔で手を前にして彼女を挑発した。


 その自信に満ちた表情と余裕が、ツクヨの怒りを更に燃え上げる。


転醒神(ホルス)緋炎乱舞(スクランブル)


 火がツクヨの拳を加速させ、先程同様の拳の連撃が放たれるも慎一郎はそれらを槍を用いて一切、自身の体にぶつけられることなく弾いた。


(こっの! 余裕こかれてるのも! 攻撃が当たらないのも全部腹立つ!)


 怒りは身体の能力を向上させる一方で、冷静さを欠けさせる。

 慎一郎はそれを知っており、ツクヨが放つ連撃の中、彼女の足目掛けて蹴りを放った。


 放った蹴りは決して強いものではなく、軽い足払い。だが、その一撃はツクヨの足の重心を簡単に崩すと彼女は体育館の床に転がった。そして、転がっているツクヨの首に慎一郎は槍の先端を向けると声を上げた。


「これで一本な!」


 初めて地面に転がったツクヨは先ほどまでの怒りなどは無く、彼女の頭を支配したのは悔しいと言う感情であった。


 冷静さを欠けたこと、自身の力に慢心したこと、そして、油断していたことにツクヨはそれらに気づかせてくれた相手がこの意味も分からぬ提案ばかりをする男であったことを悔やんだ。


「んだよ、そんな恨めしそうに見て〜」


「五月蝿い、すぐに取り返す」


「いいね、でも、今すぐってのは面白くない。なぁ、ツクヨ、俺とゲームしないか」


 慎一郎はそう言うとツクヨに向かい、手を差し伸べるとニッコリ微笑みながら再び口を開いた。


「これから一カ月、お前は俺をいつでもつけ狙っていい。そんでもって今日の一本を取り返しに来い。もし、取ったら俺はお前の言うことなんでも聞いてやる。代わりにお前が取り返せなかったら俺の学校作りに協力しろ」


 慎一郎は翠色に輝く目をツクヨに向けると、彼女に取ってその眩い視線に嫌気が刺すと同時に自分にない何かを感じ取る。


(腹が立つ。だけど、勝てずにいるのも悔しい)

 いつもの自分なら無視をしていたはずなのに、その時だけ、その一瞬だけは自分ではないかのように、思わず答えてしまった。

 

「わかった、なら、私が一本返したら、なんでも言うこと聞いてもらうから」

感想、レビューいつもありがとうございます!

嬉しくて狂喜乱舞です!

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自作の続編でもあるのでもしよろしければこちらも是非!

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