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三十九章 四季祭「春」 後夜祭準備

サクラコ裏話

伽藍重工附属学校新聞部部長、(あずま) (くあく)

伽藍重工の最高戦力とされている者達と新聞部部員はトントンの実力を持った部員が集っている武闘派部活。別に、武闘派を集めたのではなく、勝手に集まって来たと言った感じで、(くあく)は特に何をした訳ではない。彼自身もちゃんと強い。

実は、自作の主人公の並行世界の姿。そっちよりも生き生きとしているぞ。


 桜子(さくらこ)は様々な学園の記者から質問攻めになっており、目がぐるぐると回っていた。


「優勝した感想は?」「アラン選手へ一言!」「何が決め手になりましたか?!」「この勝利を届けたい相手はいますか?」


 至る所からマイクとカメラが向けられ、そんなものに慣れていない桜子(さくらこ)はアワアワとし、加えて尻餅をついてしまう。


 幾つもフラッシュが襲いかかる中、青い髪を軽く纏めた青年が桜子(さくらこ)の目の前に立っており、彼は落ち着かない彼女を見て、ゆっくりと手を差し伸べた。


 桜子(さくらこ)はその手を掴み、立ち上がると青年へとお辞儀をした。


「あ、ありがとうございます」


「いいよ、気にしないで。俺たちもこれが仕事だけど君を困らせたくはないしね。よし! そんじゃ、まぁ、ここは俺に任せな! 全員解散だ! 優勝者を困らせてまで聞きたいことなんてないだろ! 文句を言うなら俺、伽藍重工附属学園新聞部、部長、(アズマ) (クアク)が受け付ける!」


 (クアク)と告げた青年は桜子(さくらこ)に背を向けて、そう言うと大量にいる記者を前にして彼女を守る様に立った。


「チッ、伽藍の新聞部部長かよ」「武闘派だからってしゃしゃり出やがって」「よせ、あいつに手を出すと他の部員も容赦なく報復してくるらしいぜ」「やめとけ、やめとけ、後ででも実際聞けるしな」


 (クアク)の一言で全ての記者が徐々に消えるといつの間にかお礼をしようとあたりを見渡すも彼もいなくなっており、桜子(さくらこ)は少しばかり呆気に取られた。


(アズマ)先輩、でいいのかな? お礼し忘れちゃった」


***


 記者達から解放された桜子(さくらこ)はレイズと結衣(ゆい)が居る病院へと足を運んだ。


桜子(さくらこ)ちゃーん、待ってたよー」


 その入り口にはツクヨが一人で立っており、桜子(さくらこ)に手を振っていた。


「ツクヨ先輩! 見てくれた!? 私の戦い!」


「もちろんだよー、強くなったね、入学式よりもはるかに」


「でしょ、でしょ! えへへ〜」


 大型犬が飼い主に甘えるように桜子(さくらこ)はツクヨに近づき抱きつく。そんな彼女をツクヨは頭を優しく撫でると桜子(さくらこ)は微笑みながら嬉しそうにしていた。


「病院の前で何してんだか」


 入り口の背後から聞き覚えのある声がした。

 桜子(さくらこ)は声のした方向へと視線を向けるとそこには松葉杖をついたレイズの姿があった。


「レイズ!!!! もう傷は大丈夫なの?!」


「うるさい、お前の声が一番、傷に響く」


 レイズが目を覚まし、桜子(さくらこ)は先ほどよりも嬉しさが爆発し、見えない犬の尻尾をブンブンと振り回す。


「レイズくんも目を覚ましたんだね」


「チッ、あんた夜中ずっと俺の寝室にいたらしいな」


「うーん、そんなことないよ」


「濁すならいい、感謝はしない。どうせ、桜子(さくらこ)も会長も結衣(ゆい)に会いに来たんだろ? ちょうど、さっき目を覚ましたところだ。ついてこい」


 レイズはそう言うと松葉杖を使い、移動すると彼が結衣(ゆい)が目を覚ましたタイミングと場所を知っているかの理由を突っ込まず、静かに後をついて行った。


***


「閉会式は明日。会場は貸切で出せるだけ出して。うん、企業の方にも言ってあるし、今からでも出店したい企業は連絡して欲しいって伝えて欲しい。わかった、うん、OK」


 エデン学園生徒会室にて、ツカサ・ヴォーダインが嬉しそうに準備をしていた。四季祭「春」が何事も無く終えれたこと、そして、今年の優勝者が自分が居なくなっても学園は安泰だと言う気持ちにさせてくれたことにより、仕事へのモチベーションが高まっていた。


「明日の閉会式は張り切るぞー! みんな頑張ったんだからこれくらいはやらないとね!」


 ツカサは独り言を呟くと一人作業に勤しもうとした。

 瞬間、ドアが蹴破られ、マリアとエデン学園役員達七人が現れた。


「マ、マリア?! ど、どうしてここに?! と言うよりも、ドア?! それにみんな今日は他の仕事のはずじゃ?!」


「あなたも頑張っているのに自分が頑張ってないみたいな言い方いい加減やめませんか」


「いや、でも、実際、みんな僕よりも仕事してるし」


 ツカサが抵抗すると彼の首に刃がつきつけられた。

 刀の持ち主は青い髪を短く整え、両手に手袋をはめていた九十九(ツクモ)アオイであった。


「ア、アオイ?!」


「抵抗するならさっくりと行きます。私たちはチームなのですからもっと頼ってください。以前、マリアも言ってましたでしょ」


「で、でもー、みんな今日まで頑張ってるし」


「言い訳は聞きません。みんなでやればすぐに終わります。まだ、この前の夜の仕事を手伝った時のご飯を奢る約束すら守れてないんですから今日は早く終わらせて食べにいきますよ」


 役員達は各々がツカサの机に置いてあった書類やらを取って行き、彼が許可をするまも無く仕事を始めた。


「会長も口では無く手を動かして下さい」


 マリアの一言でツカサは申し訳なさそうに書類を手にした。

感想、レビューいつもありがとうございます!

嬉しくて狂喜乱舞です!

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自作の続編でもあるのでもしよろしければこちらも是非!

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