幕間 四季祭「春」 決戦前
アランの神秘の補足。
神秘解放と神秘拡張時の能力は自身の弾丸で貫いた相手の体の制御権を奪うこと。ドローンはその援護のためのものであり、破壊されても時間があれば自己修復出来る。
そして、神秘応用ではアランの神秘を相手と繋げることで自身の痛みを相手に共有するモノ。自身には痛みを遮断する痛覚遮断機構がなされているので相手の攻撃で相手だけが痛みを受けると言うものになっている。他人と痛みを分かちたいという願いが歪んだ形で能力になった。
桜子はハッとなり目を覚ます。そこには見知らぬ天井があり、自身が崩との試合後に倒れていたことを理解した。
「や、桜子ちゃん」
「ひゃん!」
急に話しかけられた事で驚いた桜子は声のした方を見るとそこにはツクヨが彼女の目覚めを待っていたのかベッドの近くにあった椅子に座っていた。
「そんな驚く〜? 心外だなー」
ツクヨは笑いながら桜子を揶揄うと彼女は少しだけ笑顔を見せて応える。
「暗闇の中から急に声かけられたら誰だって驚くよ!いてて」
少し声を上げただけでも痛みが走り、顔を歪ますとツクヨはそんな桜子に対して冷静な表情を浮かべながら喋りかけた。
「やっぱり、無理矢理痛みを和らげてるし、マガツちゃんみたいな完全な回復神秘じゃないと痛みまでは和らがないね。桜子ちゃん、明日の試合なんだけど」
体を起こし、桜子はツクヨの口に人差し指を置くと彼女がそれ以上言葉を発しない様にし、自分が代わりに口を開いた。
「それは言っちゃダメだよ、ツクヨ先輩。私ね、この試合で色んな事を見てきたの。それの集大成が明日になるんだったら、体が癒てなくても、傷ついていても、何がなんでも出ないと行けないと思うの。だって、そうじゃないと伊織や、崩、それ以外の色んな人達に失礼だし! だから、見守っててよ、私がバシッと優勝してアマルスクルール生徒会役員になるとこ」
目にも分かるほどハッキリと桜子の体は二日間の連戦により受けたことのない様な傷と疲労を負っていた。
だが、それでも桜子の目は輝いており、彼女は自分が決勝戦という晴れ舞台に立つと言う自信を持ってもいた。そんな桜子をツクヨは心の底から心配であると同時に信頼しており、その言葉を聞き、優しく微笑んだ。
「そっか、なら、仕方ない。明日の決勝の相手はアラン・カロだ。レイズくんと結衣ちゃんが負けてしまった相手。桜子ちゃんがどこまでやれるか私は見せてもらうよ」
「レイズ、負けちゃったんだ。でも、うん! 任せてよ! なんたって私、ツクヨ先輩に強くなれるってお墨付きをもらってんだから!」
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