表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/70

幕間 龍仙学院

サクラコ裏話。

() (ジン)は自作の散華のカフカと同一人物。

並行世界での彼は妹共に仲良く暮らしてる。


 龍仙学院訓練場。

 凡ゆる武を極めんとするものが集う学園で唯一無二たる才を持つ男が新入生と打ち合っている。


「あははは!いいね!いいね!(ホウ)!君のその強さは最高だよ! 」


 三つ編みの髪を靡かせながら龍仙学院の政を執る龍真会党首である() (ジン)は声を上げると目の前に立つ男と拳をぶつけ合う。


 拳に蹴り。

 蹴りに拳。

 そして、互いに同時に声を上げた。


覇号鉄鋼山(ハゴウテッコウザン)」「覇号鉄鋼山(はごうてっこうざん)!!!!」


 二人の男の背中から放たれる体当たりがぶつかり合うとドンと言う大きな音が響き渡った。


「いいねぇ!凄くいい!!(ホウ)!やっぱり君は最高だ! 」


 黒い髪を三つ編みにしている(ホウ)と呼ばれた青年が(ジン)の言葉を聞き、口を開いた。


師匠(スース)、そう言ってもらえて光栄です」


「いやはや、今年の入学生で君を見つけられたのは僕に取っての最ッ高の幸運だよ! 」


 (ジン)はそう言いながら突きや蹴りを放つと(ホウ)もまた、同様に交えた。


 それを遠くから一人で眺める少女がいた。

 水色の髪をした彼女は眠そうに(ジン)達を見つめており、興味がない様に見えるがしっかりと彼らが互いを高め合っているのを感じていた。


(兄様(ジン)、楽しそう。最近はマイケルとも組み手してたし、今日は(ホウ)と組み手。ここ最近はずっと(ホウ)に付きっきり。つまんない、そろそろ私も構ってほしい)


 少女がぼんやりとそう思いながら(ジン)(ホウ)の組み手を見ているといつの間にかそれが終わっており、彼女の背後に一つの影が迫っていた。


「つまんなそうにしている子猫(にゃんにゃん)はここかな! 」


 唐突に背後から抱きしめられ、少女は頬を赤く染め上げると背後から抱き付いた相手の顔に目掛けて肘をぶつけた。


 ゴツんと鈍い音が鳴ると抱きついた男の鼻から血が流れるも気にすることなく抱き続けた。


「あははは!(フー)!ごめんよ!最近かまってあげれなくて!寂しそうに見てたから今日は早めに切り上げたよー♪(フー)がだぁい好きな兄様とこれから遊ぼ! 」


「うっさい、兄様(ジン)、別に寂しくなんかない」


 そう言いながらも(フー)は嫌な表情はしておらず、むしろ、緩みそうになるものを全力で阻止しようと顔に力を入れていた。


 すると、そんな彼らへ背を向けて、(ホウ)が一人帰ろうとしていた。


(ホウ)、どこ行くの?」


 (フー)の呼び声にピクリとし、彼らの方を向くと(ホウ)は丁寧な口調で彼らの誘いを断った。


(フー)様から、師匠(スース)を多くの時間をお借りしていたので自分はこれにて失礼させて頂きます」


「えー、(ホウ)帰っちゃうのー?僕、寂しいなー」


 (ジン)がぶーと言いながら残念そうな表情をするとすぐに(フー)が割って入る。


兄様(ジン)はちょっと黙って。(ホウ)、一緒に都市に行かない?今日の特訓は終わりなんだし」


 (フー)の一言に少しばかり考えるもすぐに再び口を開いた。


「いえ、自分などが(フー)様と共に都市に向かうのは」


「じゃあ、良いわ、私からの命令よ。(ホウ)、私たちと一緒に都市に行きなさい」


 () (ホウ)という人間は真人間という言葉を具現化させた様な人間である。それ故に、自分が慕い、従う相手に対して命令という形を取られると断ることができなかった。自分に課せられた命令を理解すると(ホウ)はすぐに応えた。


「承知しました、ですが、一旦シャワーを浴びさせてください」


 それを聞き、(フー)はニコリと笑みを溢すも(ジン)に視線を向けると厳しそうな表情を浮かべ彼に向けて声を上げた。


兄様(ジン)、あなたももちろんシャワーを浴びていくのよね? 」


「モ、モ、モ、チロンダヨ〜」 


 ぞくりとした悪寒を感じると(ジン)は震えながら誤魔化そうとした。


(ホウ)、もう一個命令、兄様(ジン)もお風呂に入れて」


 追加の注文、それに対して(ホウ)はこくりと頷くと師匠(スース)と呼んでいた男の服の背後(うしろ)を掴み引きづりながら訓練場を後にした。

感想、レビューいつもありがとうございます!

嬉しくて狂喜乱舞です!

続きが気になると思っていただけましたら、ブックマークや評価をぜひお願いします!

評価はこのページの下側にある【☆☆☆☆☆】をタップすればできます!

自作の続編でもあるのでもしよろしければこちらも是非!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ