序曲 ランナーズハイ
お久しぶりです!
新作ですので何卒よろしくお願いします!
息が切れる様な感覚。
命が燃えて、消えて、尽きて、終わる。
目の前に広がる光景に、目の前に広がる惨劇に、彼女はため息を吐くも、惨劇を止めようと歩き始めた。
誰も、誰もいない。
知ってた人、知らない人、知ってる人、唯一の親友。
全員、全員死んでいった。
自分のせいなのか分からない。だが、この惨劇は自分が起こしたのではなく、他人が齎したものであった。
それでも、舎人子が願って、自分に託してくれた生への希望と言う名の呪いを享受するために彼女は立ち上がり、足掻こうとする。
「結局、観測者が書いた通りの結末に辿り着いてしまうんだね」
ふとした瞬間に独り言を呟くも誰も聞いていない。
どうせ一人ぼっちだから。
夕空がひび割れ、境目から人が、他人が、知人が、自分が現れ、それらを彼女は黙々と一人残らず殺す。
鏡の世界は反射し、あの時の選択がまた違った世界を生み出し続ける。
狂ってしまった世界の枝を切り落とし、自分が生きるために剣を振るった。
どれくらい経ったのであろう。
どれくらい殺したであろう。
戻すべき世界は崩壊し、並行すべき世界の形は一つになるとチグハグに世界線が一本になっていた。
彼女はバラバラになっていた空を戻するために手を翳す。
「この後の世界はもう知らない。私はどうせ疎まれる。なら、元に戻す努力はして、その後は他の人達に任せよう。リコ、ごめんね。私、あなたが求める様な未来を歩めないや」
狂狂、空空。
廻る、回る。
最後の一回転。
優雅に、非情に、無常に回す。
***
彼女は崩れ落ちる世界と言う名の概念を繋ぎ止めた。
だが、そんな彼女を世界は感謝をせず、疎み、忌み嫌い、蔑み、こう呼んだ。
最低最悪の"魔王"と。
感想、レビューいつもありがとうございます!
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自作の続編でもあるのでもしよろしければそちらも是非!