第7話 からっぽの人生
今回はいつもより短めです。
僕は元居た世界で一人暮らしをしていた。
共働きだった両親は僕が15歳になった頃仕事にいったっきり帰って来ず、1年程捜索されたものの、結局見つからず死亡と言う扱いで終わった。
唯一僕の身内である祖父母は随分年を取っており、年金を使って老後施設で生活していたことから、僕は学校終わりにバイトをしてやりくりしていた。
そうして学校以外での時間をバイトに費やして居たことから友達とつるむ事もなくなり必然的にいつも独りぼっちで過ごす様になっていた。
何となくこのまま卒業して働いて年を取って死ぬ。
せめて死ぬまでにやりたいことを見つけれたらいいな…そんなこと考えて毎日を生きていた。
…結果僕は何かを成すことも、また目的を見つけることもなく、ただ毎日を一人で生きることに手一杯で死ぬことになった。
だから神様に僕が必要と言われた時、僕にしかできない何かがある、ということが嬉しかった。
ケルビィさんや桜さん、それにウロくんの様な人達に出会えたことが嬉しかった。
たかがそれだけかも知れ無い。でもそんなことでも僕はもうからっぽじゃ無い、そう思えた。
だからケルビィさんの問いかけに僕は頷いた。
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「まぁ私も神様にお願いを受けた時にある程度のことは覚悟していたので、ケルビィさん達のせいで不幸になるなんて思わないでください。」
「…分かりました…空さん、桜さんありがとうございます。」
そうして話を終えた僕達はそれぞれの部屋に戻って眠りについた。