第5話 出会い
僕達はギルドでの登録を終えた後、これからの生活用品を揃えるために買い物をしていた。
いろんな動物の耳や尻尾がついた人、角が生えている人、鱗のある人など、行き交う人を見て改めて異世界に来たという感じがした。
そして思った、この人混みの中でケルビィさんは変装する必要あったのかな?
「必要なものは揃いましたか?」
ある程度町を回ったあとにケルビィさんがそう確認してきたので僕達は頷いた。
ちなみに買ったものはというと、ケルビィさんが持つアイテムボックスと言うどんな大きさのものでも入れられる鞄の中に入っている。
「それでは最後によりたいところがあるので私について来てください。」
ケルビィさんのあとをついて行くとそこには大きな建物と多くの子供達がいた。
…桜さんも気づいているだろうけどここは多分孤児院なのだろう、見れば五歳にも満たない子供達だけで家事をこなしていた。
「ディア姐、久しぶりだね!そして…この人達は?」
後ろの声がした方を振り向くと、そこには銀色の髪と左側の目から頬にかけて入っているタトゥーが印象的な青年がいた。
「えぇ、久しぶりね。彼らは空さんと桜さん、来月の試験のために私が預かる事になった子よ。
彼はウロ、あなた達とは学園で同級生になる人です。」
「ハハッ、試験に合格できたら、でしょ?
二人ともよろしく!紹介にあった通り俺はウロ、お互い頑張ろうよ。」
そう言って彼は笑顔で手を差し伸べる。
「私は御鏡 桜です、よろしくお願いします。」
「僕は夜宵 空、よろしく。
ウロくんは僕らより若く見えるけどいくつなの?」
「ウロで良いよ。歳は今年で15だよ。…って言っても物心付いたときには親なんていなかったから多分なんだけどさ。」
「そうなんだ、って言うか学園って年齢制限とか無いの?」
「無いよ?学園は試験に合格出来る実力なら年齢・身分・種族は特に問われないところだからね。まぁ試験の難易度上、平均は20歳位の人が多いと思うけど」
「…試験…難しいのかな。」
「ハハッ、まだ一ヶ月はあるしディア姐は頼りになるから、まぁ頑張りなよ。」
僕らはウロと挨拶を交わした後、そこで生活する子供達と一緒に料理をして晩御飯を食べた後ケルビィさんの家へと帰った。