第2話 自己紹介と異世界について
気がつくと僕は畳の敷かれた和風の部屋にいた。
「ここは…?」
???「ここは私の家です。」
声がし振り向くとそこには、鹿の用な角を持つ女性が立っていた。
「朝食を用意しておりますので説明はそれを食べてからにしましょう。ついてきてください。」
そう言われ彼女についていくと部屋にはサンマの塩焼き、ご飯、味噌汁、たくあんと異世界なのかと疑うレベルのものがテーブルの上に並んでいた。そしてその部屋には黒いショートヘアの女性が座っていた。
食後、片付けを終えた角の女性が戻ってきて説明を始めた。
「それではまず自己紹介といきましょう。私はここの家主であなた達の先生を任されたケルビィ・ディアと申します。私のことはケルビィでもディアでも好きな方で呼んでいただいて構いません。それではあなた達の名前を教えて下さい。」
「僕は夜宵 空です。」
「私は御鏡 桜です。」
「空さんと桜さんですね、よろしくお願いします。それではこの世界ジ・オプスについての説明に移ります。」
この世界には地球と違って科学とは別に魔法が存在し、空気中に漂う“魔素”を元に使うことができること。
その魔素の吸収によって家畜や野生動物とは別に“魔物”と称される生物がいること。
そしてより多く魔素のたまる場所に“ダンジョン”と呼ばれるものが点在していることを知った。
「あなた達にはこれから一月の間でこの世界について学び生きていく術を身に付けてもらいます。その上で一月後に行われる試験に合格し学校に通っていただく話になっています。今の時点で分からない点はありませんか?」
「この世界で生きていくのは理解しましたが、なぜ学校に通うんですか?」
「それについてはあなた達を召喚した訳に繋がる話になるので実際に学校に行き、フェイト様に直接説明してもらってください。」
「試験ってどんなものですか?」
「試験は対人戦と面接で、対人戦に関して三回ほどランダムの相手と戦ってもらい、勝ち負けはではなく審査員による内容の評価できまります。対人戦通過者に個人面接を行い合否を決める流れとなります。
他に質問が無いようでしたら、まずは町に出掛けましょう、少し準備をしてくるので待っていてください。」
そしてケルビィさんは席をはずした。
「えっと、今更だけど自己紹介しようよ。
私は御鏡 桜、17歳、向こうで交通事故にあってこっちに来たの。」
「本当に?あ、僕は夜宵 空、同じく17歳。
この世界に来たきっかけも一緒だよ。」
「へぇ、そんなことあるんだね…
まぁ私はあんまり向こうの世界に未練とか無いし、それに、こういう魔法とかあるファンタジーっぽい世界に興味あるからむしろこれからがちょっと楽しみなんだよね!」
「そうなんだね。
まぁこれから色々あるんだろうけど一緒に頑張ろうよ。」
「うん!これからよろしくね空くん。」
「こちらこそよろしく、桜さん。」
僕達の自己紹介に一区切りついたところでケルビィさんが戻ってきて僕達は異世界で初めての外に出掛けた。