閑話 次の者へ
すいません。
ちょっと山◯春の◯ン祭りで忙しく全然描く暇が無いです...
4月30日から本格的に投稿始めます。
-学園都市ウル 商業区-
辺りは暗くなりレストランや酒場が賑わい始める頃、closeと書かれた看板が立てかけられているBARの中にシュッとした体型で腰まで伸びた黒髪の女性店主とケルビィの2人だけが居た。
「遅くなりやした!お久しぶりです姐御!!」
店に入って早々、白いコートを着た長身の男性がケルビィの横に立ち勢いよく頭を下げてそう言った。
「お久しぶりです姐御さん。
ごめんなさい、連絡をもらった時はダンジョンの深層にもぐってて今さっきこの街に着いたの。」
それに続けて少しだけ遅れてやって来た女性が彼とは対照的におっとりした口調でケルビィに謝罪する。
「久しぶりねジャバウォック、それにラミアスも。
寧ろ急な連絡だったのにSランク冒険者である2人が来てくれた事に感謝しているわ。」
この2人、ジャバウォック•ヘルハウンド並びにその妹ラミアス•ヘルハウンドはこの街で活動している者の中でもギルドにその実力を認められSランクの資格を与えられた冒険者であった。
「いえいえ、ケルビィの姐御から呼び出しとあれば例え八王から呼び出しくらってもこっち優先っす。」
「...そんな事してないでしょうね?」
「はは、大丈夫ですよ姐御さん、そんな事しない様私がお兄ちゃんに付いてるんですから。」
「まぁラミアスがそう言うなら心配は無いでしょうけど、ジャバウォックならやりかねないから不安よ。」
「うっ、すいやせん...
ところで今日はどういったご用件で?」
「私の弟子2人が数日後に私の元を離れてここで生活する事になるわ。
住むところは寮で良いと思うけど、どんな事が起こるか分からないから少し面倒を見てくれないかと思って。
ラミアスの目があればそう難しくは無いことでしょ?」
「まぁ見る分には構わないけど、まるでこれから事件に巻き込まれるみたいな言い方だね。」
「事前に防げるものは私が対処するけどそれだけじゃきっと足りなくなるわね。
あの子達はこれから起こる事の渦中にいるのだから。」
「....」
既にケルビィ達が空座の王関係で動いている事を知っているラミアスは今回、ケルビィの弟子がそれに関わっている事を理解した。
だからこの本来極秘である件でどこまでの情報を聞いて良いのか分からず黙ってしまう。
少し沈黙の空気が流れる中最初に発言したのはジャバウォックであった。
「了解しやした!
...って言うかこの話俺必要なかったっすか?」
「いやお兄ちゃん!まだ全然何も聞き出せて無いじゃん!」
「あ?良いんだよ。
ケルビィの姐御の事は信用云々の前に恩義があんだからよぉ。
それにそんな難しい事じゃねぇだろ?」
「いやいや、話からするにお兄ちゃん何もしないつもりでいるよね?違うからね?何か事件に巻き込まれた時の対処は全部お兄ちゃんがするってことだからね!?」
「なら尚のこと問題ねぇよ。
俺たちは兄妹であると同時にそれぞれがSランク冒険者だろうが。
お前も分かったら俺のことじゃ無くて自分の事で決めろ。」
「...はぁ、まぁこう言うことだから引き受けるよ姐御さん。」
「あなたは良かったの?聞きたいことがまだあるんでしょ。」
「いやいいよ。この際お兄ちゃんが納得してるなら私としてもそれでいいし。」
「そう、あなたも大変ねラミアス。
そして2人ともありがとう。」
3人はその話の後、少しだけ酒を飲み交わし店を後にした。