第9話 神と世界の始まり
剣から斬撃を出す練習をひたすらやって今日で5日目になった。
ケルビィさんの様なスピードはまだまだ追い付けそうにも無いけど、どうにか的を割る程度の威力なら出せるようになっていた。
そして昨日の訓練終わりにギルドカードを見てみると、斬翔と言うスキルが付いていたり、許容魔力量の数字も15から108まで上がっていて、そのおかげで8回までなら倒れず斬翔を繰り出せるようになっていた。
そして今日も訓練が終わりみんなで晩ご飯を食べている。
僕達が反復で同じことをしている間ケルビィさんは孤児院に行ってウロくんと一緒に子供達の面倒を見ている。
だからこの世界のことなど分からない事はこういったみんなで集まった時に話してもらっている。
「そう言えば私達が暮らしてた世界じゃあり得ないことだったから気になってたんですけど、この世界ってフェイト様みたいな神様が普通に暮らしてるんですか?」
「確かにそちらの世界では神と言うものは信仰の対象であり実在しているかすら明確になっていない存在でしたね。
では今日はこの世界でフェイト様をはじめとする”神“の定義について説明しましょう。」
ケルビィさんが言うには、この世界は地球と同じように星同士の衝突から生まれたそうで、唯一違うところはその衝突で魔素が発生したことであり、その魔素からこの世界で最初の存在となる“創造神オプス”が生まれた。
そして創造神オプスがこの世界を管理するために作ったシステムに“言語登録”と言うものがあり、ギルドカードで言うところの種族欄に“現神”、“神龍”、“神器”などの名前が記載されている人達を神様と部類しているらしい。(ちなみに異世界で当たり前の様に日本語が通じているのも創造神オプスが作ったシステムの一つだった)
「ちなみにフェイト様の種族は現神ですね。
もちろん他の人々同様の生活をしていますよ、まぁ神様と言う扱いなこともあり人前に出ることはあまり多くありませんがね。」
「なるほど…って現神はわかりますけど神龍と神器って人なんですか?」
「程度強い龍ともなれば人の姿をすることも可能です。神器に関しては…まぁ少し特殊で、今この世界において人の姿で生活をする武器が存在していると考えてもらえれば問題ありませんよ。」
「龍や武器が…なるほど。」
「それでは今日の話はこれくらいにしましょう。
明日は魔物との戦闘を行ってもらいますので今日はそれに備えて準備しておいてください。」
「「はい!」」
…それにしても、空想上の生物である龍や元の世界からしてみればただの道具である武器が、人の姿をして生活してるなんて本当不思議で違和感のある世界だと感じた。