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七日目 ーGood bye, my dreamー


目を覚ました祈は、いきなり異変に気が付いた。ベッドから飛び起きてヨミの元へと向かう。


『ヨミさん!』

『祈、どうしたの?』

『お母さんが起きている感じがしないの』

『えっ!?』


祈は、毎日起きた時は微かな朝食の匂いを感じていた。だが、今日に限ってそれがない。昨日の事といい、明らかにおかしかった。母は仕事があるから毎日祈よりも早い時間に起床して朝食を作っている。寝坊なんて…あり得るか?二人は急いで母親の部屋へと向かった。


『お母さん!!』


部屋では、未だに眠りにつく母親の姿が見えた。どれだけ揺すっても全く起きる気配がない。


『どうしよう…普段ならすぐに起きるのに…!!』

『ねえ、祈』

『な、なに!?』

『この時間帯、いつも車の走ってる音…するわよね?』


それを聞いて祈は更なる違和感を改めて認識した。そうだ、いつもなら通勤通学の時間だから、車の通っていく音が聞こえてくるのだが…これまた聞こえてこないのだ。


『な…んで…。まさか…!?』


二人は朝食も簡単に済ませ、急いで外に飛び出した。



二人が見たのは異様な景色だった。人どころか自動車すらなく、更にどれだけ時間が経っても電車が来る気配すらない。


『う…嘘でしょ…』

『完全にゴーストタウンね。…クソ、やられた』

ヨミは忌々し気にそう吐き捨てる。


『これも全部アイディールの仕業?』

『ええ、そんなところね。恐らくここで私たちの事を叩き潰しに来ると思うわ』

『まさか色んな人を眠らせて、その人たちの事を殺して、自分の力にするって事?』


この問いにヨミは首を縦に振った。ああ、そういう事なんだ。昨夜、ヨミがあんなにも焦っていた理由が分かった気がする。ヨミはきっと、これを恐れていたのだ。


『ど、どうするの。このままじゃ本当に他の人たちが…』

『…手は打ってある』

『え?』


ヨミはそう言うと、スマホを取り出し誰かに連絡をとった。そして少し時が経ったとき、ヨミはスマホをカバンの中にしまう。


『祈、今から学校に行くわよ』

『え、学校!? どうして…』

『そこに協力者がいるのよ』



歩き続けて数分後。二人は校舎に辿り着いた。


『ここ…誰かいるの?』

『その人ならもうすぐ…あ、来た』


ヨミの目線の先を祈も見たのだが…そこにいたのは彼女にとって意外過ぎる人物だった。


『ゆ…夢原先生!?』

『久しぶりね、二人共』


祈はだいぶ混乱していた。協力者の正体がまさか夢原先生だとは想像もつかなかったのだから。しかし…一体何故?


『…この様子だと、祈さんには真実は話していないようね?』

『はい。こういうのは、あなたの口から直接伝えた方がいいかと。…何せ現実離れしていますから』


夢原先生は『そうね』と答えた後、何故か二人の元から二、三歩後ずさった。


『先生?』

『そこにいて。私の魔法に巻き込まれてしまうから』


その瞬間、夢原先生を眩い光が包んでいく。あまりにも眩しくて祈は目を伏せてしまった。しばらくすると、光は治まったので祈はゆっくりと瞳を開ける。そこにいたのは、見たこともない女が立っていた。


『あ、あなたは…?』

『初めましてね。私は…そこにいるヨミ・レ―ヴの上司ってとこね』

『ヨミさんの…上司…』


祈は、ポカンとした表情で目の前の女を見ていた。ヨミは、まあこうなるだろうなとは予想していたので何とも思わなかったのだが。


『ヨミからアイディールの話は聞いてる?』

『ああ、はい』

『なら話が早いわね。これからの作戦を伝えるわ』


そうして、たった三人での作戦会議が始まった。夢の中での戦いは、今日で最終決戦となるだろう。念入りに練られた作戦は、今夜成功させねばならない。女の話によれば、アイディールは今夜の夢で、自身の計画を終わらせ、再び魔法の世界に侵攻するらしい。


『…以上が、今回の作戦よ。二人共、大丈夫?』

『『はい!!』』


威勢のいい返事をしたところで、今日は解散となった。


『今夜で…最後』

『そうね。本気で仕留めないと、この世界も、私たちの世界も危ないわ』


祈が『頑張ろうね』と口にした後、ヨミがある問いをしてきた。


『祈、あなた「夢原先生」って知ってる?』

『え? 夢原先生って…誰?』

『いえ、何でもないわ。気にしないで』


祈は不思議そうな表情で、『うん』と答えた。


(やっぱり…凄いわ。あの人の『認知を書き換える』魔法…。もうこの世界で、『夢原先生』という人物は、『初めからいなかった』ことにされているわね)


ヨミは、そんな事を考えながらしばらく歩いていたが、だんだんと、そのスピードが遅くなっていく。そして、とうとうヨミの足はピタッと止まってしまった。


『ヨミさん?』

『あ…いえ、別に…。ごめんなさい。早く家に行きましょう』


祈は頷いた後、再びヨミと共に家へと向かった。祈は、ヨミの暗い表情の理由を聞くことは無かった。



(この事件が終わったら、私も、『いなくなりましょう』)



In the Dream World...



夢の世界は、昨日よりも更なる混沌を極めていた。あちらこちらから、人々の阿鼻叫喚が聞こえてくるのだ。加えて…血肉の飛び散るような音すら聞こえる。さすがの祈も吐き気を覚えた。


「アイディールは、どこにいそう?」

「この夢の世界の空間そのものを作り出しているから…中心部ね」

「中心部?」

「もう少し奥まで行かないとダメかもしれないわ」


化け物共の猛攻も、昨夜より激しさを増していた。ヨミも今まで以上に重火器をフル活用している。ほんの一部だけでも…、ハンドガン、手榴弾、マシンガン、ミサイルポッド、


ロケットランチャー、バズーカ砲。ありとあらゆる武器が無尽蔵に出てくる。まあそれでも、ヨミは涼しい顔をして化け物の相手をしていた。


「だいぶ減ったわね」

「これで先に進めそう?」

「ええ、行きましょう」


二人は、ひたすら夢の中を走り続ける。足場の不安定な場所も、天地がひっくり返ったような場所も、どんな道も迷いなく進んでいく。急がなければ、もっと多くの死人が出てしまうから。


だが、走り続けていれば流石に息が切れてくる。そろそろ一旦立ち止まろうとした、その瞬間。地面が崩れた。二人は真っ逆さまに下へ下へと落ちていく。そして地面へと近づいていくにつれて、ヨミは強大な力を肌で感じ取っていた。


(いる!! この最下層にあいつが!!)


ヨミが地面すれすれのタイミングで風の魔法を発動させ、二人は怪我をすることもなく着地した。


「この事態にも冷静に対処するとは…少しばかり予想外でしたね」


聞きなれない声が、聞こえてきた。声のした方角を見ると、そこに…人がいた。中性的な顔立ちで男か女か正直見分けがつかない。ふと、祈はヨミの顔を見たが、彼女は今までよりもずっと憎悪をむき出しにした表情を出していた。


「アイディール…!!」

「おや、あなたは…もしや魔法使いかな? しかし、隣にいる方からは魔力が感じられない…ああ」


ヨミがアイディールと呼んだその人物は、怪訝そうな顔をして祈を見た。


「あの夢から覚めたイレギュラーか」

「夢から覚めたって、私が遊園地にいた夢のこと?」

「ほう、覚えているんですね」

「あんな出来事…忘れたくても忘れられないですよ」


祈は負けじとアイディールを睨みつける。だが、アイディールはさして気にしてはいないようだった。むしろ余裕しゃくしゃくといった感じである。


「あなたも随分ともったいない事をしましたね」

「もったいないって、何がです?」

「夢から覚めたことですよ。あの夢の中にいれば、あなたの願いは永遠に叶ったままだったのに」

「…どういう事?」


祈が聞くと、待っていたとばかりにアイディールは語り始める。


「この世界は、驚くほど欲望に満ちている。それもただの欲望じゃない。大半が、今ある現実から目を逸らしたかのような、妄想に満ちたものばかりだ。いや本当に、実にくだらない。だが、くだらないという事実に気づきもしないというならば、今ある現実から逃げたいと願うならば、私が叶えてさしあげようと思ったのですよ」

「叶える?」

「ええ。本人が叶えたい夢を、永遠に見せるのですよ。夢の中ならば、あらゆる事が叶う。どんなに不可能な事でも実現できる。ただ一つ、欠点を除けばですが」

「欠点って…?」

「目覚めれば、消えてしまうのですよ。これだけが非常に非合理的なんです。目覚めた側も、ああ夢だったのかと絶望する。そんな惨めな姿…とても見ていられませんよ」

「…」


「だったら、どうすればいいのか? 答えは簡単です。永遠の眠りにつかせればいい」


この一言を聞いた祈の口から、「は?」という声が漏れた。ヨミの表情も険しくなっていく。


「ずっと眠り続けていれば、ずっと夢が叶うのですよ? これ以上の幸福もないでしょう。もちろん、抱える夢が変われば対処はしますよ。現実で苦しむことなく、永遠に幸せになれるのも本望でしょう?」

「ふざけんな」


ドスの効いた声が、ヨミの口から発せられる。祈は鳥肌が止まらずにいた。ここまで怒りに満ちたヨミは見たことが無い。冷や汗が流れていくのが分かる。


「お前…随分と御大層なこと言ってくれているけど、要は眠らせた人たちを殺して、精神エネルギーを吸収しているんでしょう?」

「おや、どうしてそう思うのです?」

「とぼけるな。私たちの世界の魔法は人の精神に強い関わりを持っている。そして夢の中の世界は、精神的な繋がりが密接になっている。これがどういう意味か、分からないほど私も馬鹿じゃないわ」

「なるほど…そういう事ですか。ですが、ご安心を」

「は?」

「彼らは夢を見続けるまま、私の力の一部となって尚且つ本人の願いも叶う。それも無限に。…これ以上の幸せ、どこにあるというんです?」


その刹那、銃声が鳴り響く。銃弾はアイディールの顔をかすめた。ヨミの右手には、いつの間にかハンドガンが握られていた。銃口から微かに煙が出ている。


「…前から思っていたけど、あなた相当イカレてるわね。思い出したけど、あの時仲間殺しをした理由も、くだらなかったわ。…だからこそ、みんなあなたに対して憎悪を募らせていた」

「ふうん…。で、結局何が言いたいんです?」

「お前を殺す」


ヨミがバッと手を上げると、空中から大量の重火器が現れる。現れるや否や、アイディールに向かって一気に放たれる。中には恐らくアイディールに直撃したものもあるだろう。だが…。


(う、嘘…無傷!?)


祈は、猛攻を直接食らったであろうアイディールの姿を見て驚愕する。傷どころか、服に汚れが一切付いていなかった。


「まあ、最初はこうなると思ったわよ」

「随分と無差別的な攻撃ですね。実に荒々しい」


アイディールが魔法を発動した。有象無象の化け物共が、二人に襲い掛かる。ヨミから事前に聞かされていたが、夢の中の世界は何でもありが常識であり、アイディールの魔法はその夢の世界の理屈を利用したものになるという。


要は、夢の世界の空間ならば、ありとあらゆるものを出現させることができるのだ。ヨミが重火器を出現させるのとは、少し理屈が違うらしい。だが一つ言えるのは、魔法の世界ではかなり上位の魔法だということである。そして、ヨミとアイディールが戦闘を始めてから既に十数分は経っていた。


「どうしました? 随分と息切れしているようですが」


ヨミは一度攻撃を止め、改めてアイディールに向き直る。その目線は、あまりにも冷たい。


「…先程の戦いを見ていて思いましたが、あなた、魔法使いの中でも、下級の方でしょう?」

「それが何?」

「いや正直、実に非合理的なものだと思いましてね」

「さっきからそればかりね」

「私を殺すというのなら、もっと上級の魔法使いを派遣すれば良かったものの。あの人たちも何を考えているかよく分からない」

「うちの上司、馬鹿にしないでくれる? あの人たちが何の考えもなしに、下っ端の私をあの世界に派遣するとも思えないわ」


アイディールは「そうですか」とだけ答えて、再び化け物や攻撃用のオブジェを召喚する。ヨミも引き続き大量の重火器で応戦する。だが、よくよく見ると明らかに数が減っていた。


(双方魔力切れが近いようですね…そろそろ潮時ですか)

(マズい、予定より魔力切れが早い! でも、それはアイツも同じか…)


戦いはいよいよもって終盤へと向かう。化け物の残骸と、火薬の臭いが散らばるこの場所で、二人の魔法使いが互いを睨みあっている。


「やはり、あなたを派遣したというのは彼らの失策ですね。いい加減諦めたらどうです?」

「そんな事する訳無いでしょ。お前は絶対に殺す。それだけは成し遂げてみせるわ」

「あなた自身虫の息だというのに? そんな状態でどうやって…」

死臭漂う空間に、銃声が鳴り響く。


放たれた弾丸は、アイディールの左胸を貫いていた。


「…え?」


アイディールは思考が止まっていた。血が止まらない。ボタボタと流れ落ちる赤い液体を見つめるアイディールだったが、思考が上手くまとまっていなかった。


「アイディール。私は何も、『私自身があなたを殺す』なんて一言も言っていないわよ?」


アイディールはハッとした表情になる。自身の背後を見た時そこにいたのは…



震える手で銃を構える祈だった。



『つまり…魔力を持たない祈が、アイディールに止めを刺すしか方法が無いと?』

『そういう事になるでしょうね』


夢の世界に行く前の、たった三人での作戦会議。そこで出てきたのが、この案だった。


『アイディールは元々、魔力感知に長けた魔法使い。気づかれないように殺すのは至難の業でしょう。実際、魔法の世界でもアイディールを捕らえるのには一苦労だった』

『てことは、逆に言えば魔力を持たない存在が、アイディールにとっては厄介…?』

『祈さんの言う通りよ。そして恐らく、この世界の人間を夢の中に閉じ込めているのも、自分の脅威となる存在を排除する為でもあったのでしょうね』

『だからあなたは、先手を打ったと?』


ヨミのこの問いに、祈は『先手って?』聞いてきたので、ヨミは内容を少しぼかして説明した。


『祈、あなた私が来る前、何か不思議なことがなかった?』

『あ、なんかそういえば…誰だったかは覚えていないけど、夢に囚われすぎるなとか何とか…そんな事言ってたような気がする』

『そのタイミングで、あなたは防護の魔法をかけられていたのよ。アイディールの魔法に対するガードのようなものだと思ってくれればいいわ』

『防護の魔法…!?』

『ええ、せめてもの対抗手段よ。それに、ヨミは夢の世界を私たち以上に知り尽くしているから』

『え、ヨミさん。そうなの?』


ヨミは、一回溜め息をついてから、祈に向き直って真実を告げた。


『私ね…そもそも人間ですらないのよ』

『え!?』

『「獏」って知ってる?』

『あ…聞いたことある。夢を食べるっていうの…で合ってるよね?』

『そうそれ。今のこの姿は人間に擬態しているだけなの』


次々明かされる事実に祈はただただ呆然としていた。今まで気づけなかった事ばかりで頭の中が混乱しそうだった。


『それはさておき、大丈夫なんですか?』

『ヨミ、大丈夫って?』

『祈は一般人です。銃を扱った事なんてない…。私も、重火器の扱いは苦労した覚えがあります。いくら止めを刺すとは言っても、無理があるのでは?』

『そうね。なら…これを使って』


そう言うと、目の前の女は空中から一丁の銃を取り出した。といっても、その形状はかなり変わったものだが。子供向けの特撮ヒーローやアニメに出てくるような銃を想像してもらえるといい。


『魔法の銃よ。狙いを向ける相手を強くイメージすれば、確実に当たる』

『魔法の銃…』

『使い方はヨミから教えてもらって。こういうのは彼女の方が詳しいから』


祈は、俯いたまま何も言わない。ヨミたちは祈の顔を覗き込もうとしたが、その前に祈は顔を上げた。


『どうして私なんだろう』

『え?』

『いや、本当に今更なんですけど…。他にも声かけられる人、沢山いたと思うんです。それなのに、どうして…』


それを聞いた女は、祈の目をじっと見て答えた。


『祈。私が思うに、あなたには現実と向き合えるだけの精神力が備わっていると思っている』

『私が?』

『そうよ。あなたは、妹さんが亡くなった事実を抱えながらも、尾を引くことなく、かといって妹さんの存在を忘れ去ることなく、今まで生きてきた。そして、奈々子さんの救出成功の件でも示した通り、あなたには、現実を受け止める力がある。誰にだってできる事じゃあない』


祈は言葉を失っていたが、しばらくして、その口から力強い言葉が飛び出してくる。



『私にしか出来ないなら…やります。 もうこれ以上、人が死ぬのは見たくないので』



「あ、あり得ない…魔力を持たない人間に…私が…!!」



アイディールは絶望に満ちた表情で、その場に倒れる。それを見下ろすヨミは、アイディールに対して冷たく言い放った。


「別に私一人で勝とうとした訳じゃないのよ。私はただの陽動。本命は彼女の一発限り。イチかバチかだったけど…あなたが存外馬鹿で助かったわ」

「が…あ…」

「それに確か、あなたが殺したのって、仲間の中でも魔法が使えない人だったわよね。どう? 魔法の使えない人間に止めを刺される気分は」


アイディールはやがて、指の一本も動かなくなる。今ここで、静かに力尽きた。


(うん。確実に死んでいる)


アイディールの死亡を確認したヨミは、祈の元へと向かう。


「ヨミさん!!」

「祈! 作戦成功よ!」


ヨミがそう叫んだ次の瞬間、凄まじい轟音が空間内に鳴り響く。気が付くと、空間のあちこちが崩れ始めていた。


「マズい…アイディールが死んだから、あいつが作っていた夢の世界が崩れ始めている!」

「他の、閉じ込められていた人たちは!?」

「大丈夫。私たちが戦っている間に、あの人が全員脱出させたわ」


その時ヨミの目に、あの光が飛び込んできた。今度こそ、全てを終わらせられる。


「祈、走って」

「でも、ヨミさんは!?」

「私の事は気にしなくていいから早く走って! 光が見えたら迷わず飛び込んで!」


祈は頷き、全速力で走っていく。光までたどり着いたのはあっという間だった。



(さよなら、祈…)



ヨミは、光へと飛び込んでいく祈の背中を見届けた。



In the Real World...



窓から、朝の光が流れ込んでくる。その光は存外眩しくて、祈はすぐに目を覚ました。


(…?)


起きた時だ。祈は自身の首に違和感がある事に気付き、鏡の前に立った。

首には、見覚えのない星形のペンダントがかけられていた。


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