第一話 先生やってます
初投稿の作品です。拙い部分も多々あると思いますが、読んでいただけたら嬉しいです。アドバイス等ありましたらぜひ書いていってください。
「先生、おはようございます」
「ああ、おはよう」
俺の勤める学校の生徒と朝のあいさつを交わす。
……退屈だ。
昔からの夢であった魔法科教諭になることはできた。自分でいうのはなんというかアレな感じはするが、人並み以上に努力してきた。何せ魔法科教諭というのはエリート中のエリートしかなれない、特別な存在だからな。さぞ楽しく華々しい日々が待っているのだろうと期待したさ。でもさ、待っていたのは日々の仕事を淡々とこなすだけのつまらない生活だったんだ。
いや、もちろん人にものを教えるというのは好きだし、魔法はもっと好きだ。魔法科教諭になれたことは誇りに思うし、俺の数少ない自慢だ。別に生活に不自由や不満はない。周りのヒトはみんな優しいし、給料も良い。ただ、時々思うんだ。
俺が本当に好きなのはこんな魔法なのか?と。
……こんなこと考えてても仕方がないな。よし、
「今日も頑張りますか!」
急に声を出したせいで若干周りに引かれた。
ガヤガヤと楽しく談笑する声が聞こえる。
学生は元気があっていいな。俺にも分けてもらいたいわ。
「うーしお前ら、席につけー。朝のホームルーム始めるぞー」
全員が静かになったところで出欠確認ーーー全員出席と。
自慢じゃないが、うちのクラスは休むことがほとんどないうえに喧嘩なんかもほとんどないから、模範的なクラスとして教師の中では評判がいい。特に魔法を専攻してる奴らは、変なプライド持ってたりして他者を見下しやすいし喧嘩にも発展しやすいからな。少しは喧嘩してくれたほうが成長につながることもあるんだがなぁ。……おっと、これは教師として不適切な考えだから忘れることにするが。
「今日は火属性と風属性の持続テストを行うからしっかり準備しておけよー。俺の望みは二分間以上、つまりSランクを全員が取ることだ。」
「えー、Sランクは無理だよぉ」
「俺風は苦手なんだよー」
なんて声がちらほら上がる。まあ期待されちゃあそりゃ弱気になるよな。
「大丈夫だ。今までの授業で躓いたことなんてなかったし、実施前には俺がコツを教えてやる。それにお前らは優秀なんだぞ?自信を持て」
少し偉そうな気もするが、大切でかわいい教え子の自信とやる気を引き出すためだ。これでいいだろう。
「先生がそう言うならできる気がするよ!」
「そうだよ」
「みんなでSランクなんて取ったらかっこいいよ!がんばろ!」
やる気を出してくれて何よりだ。
「よし、そろそろホームルームを終わる時間だ。午前は魔法教科はないから眠い人もいるかもしれないが、まあ頑張ってくれ。それじゃまた後でな」
教室を出て職員室に行き、テストに必要な道具を運んだり雑用をこなしたりする。
こんなにも楽しく充実しているのに、なぜどこか物足りないのだろう。
やはりいつもこんなことを考えてしまう。