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2、ナナ、よこたんと魔物の森に行く

中間テストが大ピンチです。コンパス民なので、テスト期間中もスマホをしていたら・・・数学をファイアで燃やしたい!

     2、ナナ、よこたんと魔物の森に行く


翌日の朝食時に、ダイーチにとりあえずわたしだけでも魔物の森に行ってみたいと告げると慌てて止められた。


「さすがにおひとりでは危険です! ナナ様の身に何かありましたら」


それでも行こうと駄々を捏ねると《こ》助手を付けてくれることになった。どんなに忙しくても聖女の従妹を邪険にはできないのかもしれない。


朝食後、食堂にダイーチと一緒に現れたのは、わたしと同い年ぐらいの青いローブ姿のツインテールにした黒髪の可愛らし少女だった。


「初めましてナナ様、ブルー・サイド・ヤーマと申します。今日はよろしくお願いします」


丁寧に頭を下げるその子を見て、わたしはえっ! という感じに驚いた。思わずルカに声をかけた。


「ルカ、見て? この子、すごいよ」


ご飯を食べ終え、今日の予定を確認していたルカは、顔を上げ、わたしが指さした女の子を見て、驚いた表情を浮かべた。


「あれ? もしかして、よこちゃんも召喚されたの?」

「ね、似てるでしょう。びっくりしたよ」


わたしたちの言葉に戸惑っていたブルー・サイド・ヤーマは、名前を名乗り、人違いだと説明した。しかし、そんなことはわたしには関係なかった。


「今日からよこたんって呼ぶね。わたしのことは、今まで通りナナたんって呼んでね」


今まで通りって言われても???のブルー・サイト・ヤーマではあったが、わたしの押しを断り切れず、この日から名前をよこたんに変更することになった。また身長も本物と同じで、わたしよりも7センチ低い150センチだった。


「では、よこたん、ブリコの森まで案内して」


こうして、わたしはよこたんに案内されてブリコの森に移動することになったのだった。


城から馬車に乗って揺られること1時間で目的のブリコの森に着いた。わたしたちの他には、馬車を運転する40歳過ぎの御者と鎧姿の同じく40歳ぐらいの筋肉モリモリの護衛が1名ついていた。どうやらこの森は危険なようだ。


ブリコの森は、ジャングルのように木々が茂っていた。目に見える木々はそれほどの高さはないが、かなり奥まで森は続いていた。森というよりはアマゾンの奥地のようなイメージだった。


よこたんの話によると、ブリコの森の規模は東西200km、北南に150kmの広大さで、関東地方と同じぐらいの広さだった。森の中は大小さまざまな川が流れているらしい。(もちろん関東地方と同じぐらいの広さ情報は、後からルカから聞かされた)

ジャングル風のブリコの森が終わると、その先は広葉樹や針葉樹に変化して別名の森として、高い山まで続いているとのことだった。


わたしはブリコの森の入り口に近づき、さっそくブリコを探そうと周囲を見渡した。が、どうやら周辺には見当たらない。まーいなくて幸いなのだが・・・いざ討伐しようとすると残念である。


「よこたん、いないね」


ブルー・サイド・ヤーマことよこたんは、首を横に小さく振った。よこたんの仕草は実に可愛らしいと、わたしは見とれてしまう。


「まずはわたしが索敵魔法で探してみます」


わ、わたしだって! よこたんが! 突然、衝撃的なことを口走るよこたんに向けて、わたしは厳重注意を促した。


「違うよ! よこたんは自分のことわたしって言わないよ。ぼくって言うんだよ。昔からぼくっ子なんだよ! 言い直して!」


わたしの憤りに困った表情を浮かべながらも、よこたんは言い直してくれた。


「まずは、ぼ、ぼくが索敵魔法で探してみますね」


わたしはその言い方にうんうんと頷いた。それでこそ、よこたんだ。

よこたんは、杖を右手に索敵と呪文を唱えた。それからブリコがいる方向を指さした。


「ななたん、見つけました。この先、約10メートルにブリコ3匹、確認しました」


わたしはよこたんが指さす方にファイアーを3回唱えた。

すると、野球ボールほどの大きさの炎の玉が3つ魔物に向かって飛んだ。すぐにジューと燃え上がった後、その場所には3つの魔石が残った。


よこたんは吸収と唱えて魔石を魔法収納袋に回収し、さらに、索敵をする。

わたしも暇なので、索敵の方法を聞いて実践してみた。

すると、すぐに索敵魔法ができるようになった。

森の奥に大量のブリコを感じ、背筋がぞぞぞとした。隣でよこたんが首をかしげていた。そんなに簡単に索敵魔法は、できるようにならないのですが・・・と小声で呟いていた。


それからわたしたちは、森に入りながら片っ端に魔法を展開し、ブリコを倒していった。

魔力がなくなると持ってきた魔法回復薬を飲んで魔力を回復させながら、夕方までブリコ討伐をしていた。


馬車での帰り道、わたしは、ウインドウと唱え、自分の左側に液晶モニターのようなものを出現させ、自分のステイタスを確認してみた。

今朝レベル5だった数字が47まで上がっていた。このリアルゲームはレベル上げが簡単な仕様のようだ。そう納得しながら帰途についた。


最初は気持ち悪かったブリコ退治も、1日中活動しているとだんだんと慣れてきて、気持ち悪さも減ってきた。それでも直接、見ると思わず、ぞぞぞーとする感覚は残っていた。

さすがにあれに完全に慣れるのは、なかなか難しいと思った。

一方、この世界がリアルファンタジーゲームみたいで、少し楽しくなってきた。

スマホがないならば、リアルゲームをすればいいのだ!

そう感じると同時に、わたしは、明日からのリアルゲームにわくわくしていた。

異世界も悪くないかも・・・


1人カラオケに行ってきました。友達が欲しいです! よこたんが忙しくて遊んでくれません。( ;∀;)読んで少しでも続きが気になったという方、評価をお願いします。m(__)m

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