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1、ナナ、巻き込まれて始まる異世界生活

最近は声優を目指している友人ができました。クラスで唯一の友達?です。高校生のうちに声優の学校に通っているなんてすごいです!

   1、ナナ、巻き込まれて始まる異世界生活


わたしたちは、王子に連れられ、不気味な石部屋から白壁の中世風の城内を移動し、別部屋に案内された。もちろん王子の護衛も一緒である。

案内された部屋は、壁の全部がバロック風の豪華な彫刻で施された部屋だった。豪華な客室といったところだろうか?

美術に詳しいルカは、彫刻を一つ一つ眺めながら感嘆の声を上げていた。ギリシャとかミケランジェロとか呟きながら頷いていた。さすがは、将来の夢が美術教師なだけはある。

部屋の広さは学校の教室ぐらいはあるだろうか? 室内には6人のメイド服を着た侍女が横一列になって待機していた。

6人は多いのではと思ったが、わたしとルカの二部屋の人数らしい。


侍女の中で30歳ぐらいの年長の女性が列から一歩前に歩みだした。緑の髪にエメラルド色の瞳が特徴的な侍女だ。6人を代表するようにわたしたちに挨拶をしてきた。


「初めまして聖女さま。今日から聖女さまのお世話をさせていただきます、リンカーと申します。そして、こちらが侍女たちになります」


そう告げると、一同は丁寧にお辞儀をしてきた。

わたしたちは部屋の中央に立って、その挨拶に返事をする。


「初めまして、青木ルカです」


ルカは微かにわたしを見てから、侍女のリンカーにわたしのことを指さしながら続けた、


「これは従妹の稲村ナナです。人見知りなのでご了承ください」


わたしは、相変わらずルカを盾にするような感じでリンカーをちらりと見て、軽く頷いた。

人見知りの激しいわたしにとっては、初対面の人との会話は難しかった。

あの事件以来、わたしは、年上の人には微かに反応できるが、同年代の人に対して、声がでなくなってしまったのだ。忌々しいあの事件。思い出したくない過去である。

 

それからの私たちの予定は、聖女かどうかの確認作業だった。部屋にきらりとハゲ頭の白ローブの男が現れ、クンユー王子と軽く言葉を交わしていた。

白ローブの男はダイーチという名で、城の筆頭魔導士であった。年齢は35歳の独身で只今お嫁さん募集中だと主に侍女に対してアピールしていた。

また王子は18歳と説明された。わたしたちの一つ年上だ。まー先輩という感じだろうか。


簡単な挨拶の後、ハゲのダイーチはわたしとルカに対して、鑑定なる魔法を唱えた。

その結果、どうやらルカは聖女だった。


さらに、付け足すとするならば、カラオケボックスで歌っていた歌が聖女であるルカの声に反応し、たまたま召喚儀式をしていた魔法陣に反応したらしい。

その結果、異世界召喚が起こってしまったとハゲのダイーチは、説明してくれたが、責任逃れのようにしか聞こえなかった。


おまけではあるが、この話の主人公であるわたしナナは・・・魔法使いで1ヵ月の期間限定の補助スキル持ちであった。

そのスキルの内容は、どうやらスマホゲームで新規参加者を募るために行っている、あのよくある1周年記念特典みたいなものだ。

今ならレベル20まで経験値が10倍になる指輪プレゼントとかいう例の新規参加者が入りやすくするアイテムだ。ガチャ100回分プレゼントとか・・・


その後、ダイーチは、明日から修行するようにすすめてきた。

わたしは魔法で、ルカは聖女の修行をすることになったのだが、正直、不満でいっぱいだったが、疲れていたので、その日はすぐに眠りについた。


修行初日、ルカとともに、修行することになった。

なぜか? わたしたちは学校の制服姿だった。不思議なことに制服には、防御力があるらしく、毎日、洗浄魔法を使えば、新品のようにピカピカになるようだった。

城の隣に併設された体育館ぐらいの広さの魔法鍛錬所に移動し、わたしたちはハゲダイーチとクンユー王子の指導で練習を開始した。

王子はルカに指導していたため、わたしはダイーチの指導を受けることになった。人見知りの激しいわたしにとっては同世代は苦手だったが、かと言って独身アピールのダイーチもできれば避けたかった。

それでもさすがは筆頭魔法師の指導である、1時間も練習すると体内の魔力を操作し、火の玉が左手から出るぐらいにはなった。が、それを習得した時点であきてしまった。

その結果、暇つぶしにルカに話しかけて、修行を邪魔してしまった。


2日目も前日のように最初は練習をするのだが、1時間もすると飽きてしまい。再びルカに話しかけて、修行の妨害をしてしまった。


そして、3日目にはとうとう、ハゲのダイーチの怒りに触れてしまい、わたしは魔法鍛錬所から追い出されてしまった。


「必要なのは聖女ですから、ナナ様はご自由にしてください!」


わたしはついにお役御免になった。

まー、わたしとしても言いたいことはある。そもそもなぜ? わたしが魔法の練習をしなければならないのだ!

 勝手に呼ばれて帰れません。みたいなノリにわたしは怒っていた。

まー、本当の理由は大好きなスマホゲームができないことに対する怒りなのだが・・・

この世界は実に残念である。娯楽がすくない。まず第一にスマホがない。さらに、漫画までないのだ、トドメを指すかのようにテレビすらない。アニメも見れない! 

正直、わたしにとっては、冗談みたいなふざけた世界だ! こんな世界では、わたしは生きていけないだろう。


とりあえず、自由を手に入れたが、やることがなくて朝から布団で寝たまま、だらだらとしていた。1日中食っては寝てしていると、さすがにこの状況にも飽きてきた。

そんな、堕落した生活を4日間もしたからだろうか? 天罰が下った!

大事件が起こったのだ!

それは召喚された日からちょうど一週間後のことだった。


いつものように城の一角にある食堂でルカと朝食をとっていた。なぜ? 食堂。そう思うかもしれない。

実際、最初は部屋に食事が運ばれてきたのだが、この国の情報収集も兼ねて、わたしたちは城内の食堂に赴くことに変更してもらった。さすがは、ルカである今では城の近衛兵から文官の人たちとまで仲良くなっていた。

食後、ルカは聖女の訓練に、わたしは寝ているのも飽きたので、侍女に教えてもらった城にある庭に侍女に案内されながら向かうことにした。


その日はどんよりとした雲が多い天候だった。

わたしと侍女は、城に併設された巨大な庭園の前で足を止めた。

庭園に咲いていたアジサイの青い花を見て、驚きの声をあげた。


「この世界にも地球と同じ花があるんだ」


懐かしそうに花を眺めた。アジサイの花は黒色の幹に支えられていた。その時、地面でガサガサとする音が聞こえてきた。

なんの音だろう? わたしは地面に視線を送った後、黒い物が動いているのに気が付いた。

その黒い物体の正体を確認した次の瞬間、わたしは固まった!

なぜなら、その正体が地球で見たことがある人類最大の敵だったからだ!・・・それも大きさが3、30センチはあろうかという大物なのだ!

わたしは身震いし、自然と背筋がぞっーとするのを感じた。

まさに、この世の終わりだ!


あろうことか、黒い物体はわたしに近づいてきた。もうやだ! 反射的にファイアーの魔法を唱えていた。

人類の敵は、わたしの左手から飛び出した炎の玉の直撃を受けて丸焦げになり、炭化してボロボロに崩れ、最後には魔石だけが残った。


はははは、ざまみろと笑いが出るが、もうあんなのには会いたくない。

わたしはこれ以上は、庭園にいられなくなり、駆け足で城の中の自室に戻った。

ベッドに潜り、すべてを忘れようと眠りについた。

しかし、事態はそう簡単ではなかったようだ。


侍女の話によると、この世界で言うブリコ(ゴキ)という魔物は、この城から北にある大きな森が生息地らしく、よく城にも飛んで来るのだ。

正直、やめて欲しいものだ・・・

この試練は、タワーオブテラーに3回連続で乗るよりも辛い仕打ちだ。

ゴキは気持ち悪い! 見たくもない。

このままでは、外に出られない。

一生部屋暮らしになってしまう。あーどうすればいいのだ!

そう悩んでいたが、すぐに解決策が思い浮かんだ。


「城の北の森、焼いて、ブリコ消して!」


夕食後、わたしは、ハゲのダイーチを捕まえて対策を訴えた。ダイーチの後ろでルカと王子が修行の打ち合わせをしていたのが見えた。

忙しそうな雰囲気の中、ダイーチからの反応は実に残念なものだった。


「魔物の森を焼いてブリコを消すなんて無理ですよ」


「なんで? ファイアーで燃えたわよ」


「ブリコはこちらから攻撃しなければ、特に害はない魔物ですし、ブリコ討伐に魔法使いを出せる余力は、今、城にはないです」


そう告げると、ダイーチは助けを求めるかのようにルカを見た。


「なな、今は無理だけど、わたしの聖女の役目が終わったら考えよう」


ルカの説得にもわたしは食い下がる。


「えー、その間、ずっと外に出れないよ」


わたしの反応を見て、諦めるようにルカはため息をついた。それから隣に座っている王子に頼るような目線を送った。王子もルカに視線を返して小さく頷くと、わたしを見て威厳の声で決定事項を告げた。


「残念ながら、今は聖女の儀式を優先しなければならない。このままでは、多くの死者が出る。予想以上に浄化を急がなくてはならない事態なのだ」


多くの死者が出る! そう言われたら、さすがにあきらめるしかなかった。

それにしてもあんな人類の天敵が近くにいるのかと思うと、背筋がゾ~としてきた。外に出ることは、しばらくあきらめるしかない・・・

中間テストの数学が・・・壊滅的です。あははは、もう笑うしかない。小説を読んで面白いと思った方、もう少し続きが気になる方は、わたしの数学の点数よりも高いポイントをぜひ、お願いします。

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