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10 ナナ、オデーブユーミコ国のピンチに遭遇する! 

題名が変わりました。内容と題名が合わないので変更させてももらいました。

10 ナナ、オデーブユーミコ国のピンチに遭遇する! 





城に戻ると城内は大騒ぎになっていた。北の魔物の森で方で、大きな炎の柱が見えた。また微かに爆音も届いていた。ドラゴンが攻めてきたのか?と心配する声もあったようだ。


わたしたちは城に入り、食堂に向かった。夕食を食べるために椅子に座っていると、ルカが心配して駆けつけてくれた。


「なな、大丈夫だった。北の魔物の森方面で炎の柱と爆音がしたって聞いて心配だったんだよ」


今にも出かけようとするのを王子とダイーチが止めていたようである。


「ごめんね」

「ルカ様、ボクがついていながらすみませんでした」


わたしがかる~い感じに左手を挙げるのに対して、よこたんは丁寧なお辞儀である。


「北の方で何があったの?」


ルカが炎の柱と爆音について質問してきた。


「わたしたちもびっくりしたけど、特に大丈夫だったよ」

「ボクも最初は驚いた」


それからルカはわたしの後ろで会話を眺めていた女性に気が付いた。そして、驚きの声をあげた。


「あ、びっくりした! え、カ、カノさんじゃない? え、どうしてここにカノさんがいるの?」


おろおろとしながらルカはわたしとよこたんを交互に見た。


「彼女はカノさんだけどカノさんじゃない、カノさんなんだよ」

「え、カノさんじゃない、カノさん? どういうこと?」


ルカは、意味が分からないと首を傾げる。


「よこたん、みたいな感じ」


そういわれて、ルカはようやく小さく頷いた。


「カノさんに似たこの世界の住人ということね。日本から召喚されたわけではないんだよね」


そう念を押されてわたしは頷いた。


「カノさんに似たカノさんだよ」

「カノさんに似てるからって、カノさんって呼んだらわからなくなるから、カノコとかにしなよ」

「ダメ!カノさんはカノさんなの」


ルカは納得はしないが、わたしのことを説得するのも面倒なのか、それ以上は何も言わなかった。



翌日、わたしは、よこたん・カノさん・ルカの4人でランチを食べながら雑談をしていた。


「わらわの国の宝だ!」


カノさんが手のひらの上に、ビー玉ぐらいの大きさの黒い魔石を載せて、みんなに見えてくれた。


「く、黒い魔石ってまさか?」


よこたんが何かに気が付いたようで、びっくりした表情を浮かべた。


「そのまさかじゃ。これは黒竜の魔石の一部なのじゃ」

「一部ってことは、もっとあるのよね?」


ルカが触ろうとして手を伸ばすのをカノさんが手を引いて防いだ。


「ケチっ! ちょっとぐらい触らせてよ」

「これはわらわの国の宝だと言っているのじゃ」

「えー、わたしも触りたい」

「いくらななさんの頼みでもこれだけは無理」

「そんな大切な国の宝をなぜボクたちに見せてくれたの?」


ふと不思議そうな顔を浮かべながらよこたんが質問してきた。

カノさんは自慢するように胸を張って宣言する。


「実は、この魔石の一部と本体はお互いに反応するのじゃ。もしかしてななさんの体内に魔石が隠されていないか確認してたのじゃ」

「なるほど」


よこたんが頷くが、わたしは反論する。


「そんな魔石が体内に入ってたら死んじゃうでしょう」


よこたんが首を左右に振って否定する。


「吸収の魔法で取り込めます。主に魔石の能力を複製します」

「え、それは便利ね」


これにはルカが反応した。魔石で色々な物を作っているだけあって興味があるらしい。

そんな話をしていると、城の奥の方で何やら騒がしい音が聞こえてきた。


そして、食堂に慌てた様子で走りながらハゲの男が飛び込んできた。ハアハアと肩で息をしている。ダイーチである。


「せ、聖女様、大変です。南の森でスタンピードが発生しました!」

「え、ス、スタンピード」


その言葉に、わたし以外の者たちが顔を青ざめていた。

スタンピードとは魔物の大発生である。定期的な魔物の討伐により、スタンピードが起きないようにしている。しかし、近年は人族同士の戦争があり、魔物の討伐が間に合わない状態であった。そのため聖女の儀式を急いでいたのだが、間に合わなかったようだ。


「これからどう対策するのですか?」


ルカの質問にダイーチはわたしたちに目を送るが、ルカが軽く頷いて、先を促した。どうやらルカの方が力関係が上になっているようだ。


「まずは騎士団1000人に歩兵5000人を集め、途中のトーダ町に向かいます。そこで防衛線を引いて魔物を防ぎます。スタンピードで魔物が減っている隙に、ルカ様と先鋭部隊で南の森にあるミーヤ・ダダーム神殿に移動し、浄化の結界を作動させます」

「それにはどれぐらいかかるのですか?」

「兵を揃えるのに早くて2日、そこからトーダ町まで3日の合計5日はかかるかと」


その言葉にルカは顔をしかめた。


「そ、それではアナザーワ町や魔物の森に近いイータムロ村の人たちはどうなるのですか?」


ダイーチは表情を曇らせながら首を小さく振った。


「イータムロまであと2日、アナーザワ町も3日で魔物が到着します。もう間に合いません・・・」

「そ、そんなアナーザワ町には、あなたの妹のアーリンがいるのに・・・それを見捨てろと言うのですか」

「国を守るためです。今回は・・・致し方ありません」


ダイーチは苦しそうな表情で目を伏せた。

そんなシリアスすぎる状態にいたたまれなくなり、わたしは手を挙げた。


「わたしが行く。黒ローブとほうきを用意して!」


わたしの突然の言葉に、ルカとダイーチはきょとんとした表情でわたしを見た。あなたが行ってどうするの? 黒ローブ? ほうき? え、どういうこと? そんな感じのようだ。

そこでよこたんが補足してくれた。


「ナナたんとわたしなら間に合います」


それでも意味がわからない顔をするルカとダイーチに向けて、よこたんが言葉を続けた。


「ボクとナナたんは飛行魔法が使えます」


そこでようやく2人は、理解した。しかし、それでも事態が好転するとは思えなかったようで、ダイーチが口を開いた。


「妹のアーリンは町を離れないでしょう。妹だけが助かるのを彼女は認めないでしょう。必ず町に残るというはずです」


ダイーチはまだ勘違いしているようだ。そのような一人だけ助ける作戦など考えるわけがない。ただ今は、時間がないのは確かだ。だから、説明するよりも先を急がせることにした。


「ルカ、一緒に行くから準備してね」

「聖女様をどうするつもりですか! 妹のところに行くのは危険すぎます」

「なな、アーリンの説得はわたしには無理よ」


ダイーチとルカは、わけがわからないとばかりに止めに入った。


わたしは、2人が言っている意味がようやくわかった。わたしたちの戦力を二人は知らないのだ。ルカを神殿に送り届けるのは、たやすいことであるのに・・・


「アーリンの説得のために行くわけないよ。目的地は浄化の魔法陣があるミーヤ・ダダーム神殿だよ」


わたしの言葉にようやくルカは納得したようだ。それからいつも笑顔のルカにしては珍しいシリアスな深刻な顔でわたしを見た。


「本当に、ミーヤ・ダダームに行く気なの?」

「もちろん、そして、アーリンと町を助ける」


わたしは強く頷いた。その仕草に、ルカも小さく目を閉じ軽く頷いた。


「ナナの無謀にかけてみますか」


ルカはわたしたちの実力を知らないので、この作戦はかなり無謀だと考えたようだ。それでも可能性があるのならば、急いで神殿に向かうべきだと考えたのだ。早く到着できれば、それだけ多くの人が助かるチャンスが生まれるのだ。


それから1時間ばかりで準備を整え、わたしは黒ローブ姿でほうきに跨っていた《またがっていた》。ほうきが浮上すると、ロープを通して駕籠を吊るすようになっていた。もちろん駕籠の中には、聖女であるルカが入っていた。


「なな、これちょっと、怖いんですけど」

「防寒と防風シールドをかけてあるから大丈夫だよ。耐空魔法も付けたから落ちてもゆっくりと落ちていくから心配ないよ」

「なな様、聖女様と妹をよろしくお願いします」


ダイーチがハゲた頭をピカっとさせながら、頭を下げた。

王子のクンユーも心配そうに駕籠の前でルカと見つめ合っている。


「すまないルカ、君に迷惑をかけて」

「クンユーのために、わたし頑張るわ」

「気を付けて、ルカ」

「行ってくるわ、クンユー」

「ななたんは、ボクが守ります」

「スタンピードの状態が気になるから、わらわもついて行くわ」

「リア充がうざいから出発するね」


 わたしは、無表情で無機質な声で合図を送ると、リア充滅びろ!と飛行の呪文を唱えた。

ほうきとわたしは宙に浮かぶ。駕籠が空中から5メートルほど持ち上がるのを確認してから、わたしはほうきを前進させた。

そして、少しずつ速度を上げて行った。目的地は当然、南の魔物の森にあるミーヤ・ダダム神殿である。



昨日は、久しぶりに学校帰りにマックに行きました。友達がいないので、母とです。あははは

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