ブロローグ
イジメにあった時は悲しくて、辛かったし、転校する時は別のクラスの友人たちと泣きながら村中の悪口を言いあった。
心に傷ができ、人間不信になったけど、転校先で昔の友人と再会し、同じ高校を目指し受験を頑張ったけど、わたしだけ落ちてしまった・・・それでも前を向いて歩いて行きたい。
プロローグ
女子高生のわたし、ナナは召喚された! 異世界召喚だ!
その日、わたしは、定期テストを終えたばかりだった。
そこでがんばった自分?にご褒美で、カラオケに行こうと考えた。しかし、友達の少ないわたしが誘える同級生は、従妹のルカしか思いつかなかった。
まー,ルカとは仲良しなので、都合が合えば、いつでも遊べる仲ではある。
駅で待ち合わせて、二人でカラオケボックスに向かった。
ルカは細目が印象的なクールな顔立ちに色黒で、耳下まである髪型に真っ黒い制服姿で通称カラス制服を着ている。
わたしはややぱっちりとした目鼻顔立ちに肩上まで伸びた髪、茶色の制服姿で通称う〇こ制服姿である。
お互いの制服をそう呼びあって、笑いあっていた。
異世界召喚は、簡易ステージに二人が上っている時に起こった。
ルカがアニメ美術部で流行中のアニソンを歌い、それに合わせてわたしがルカの横でゾンビダンスを踊っていた時だった。
「異世界召喚始めましょう! はい、召喚!」
そのフレーズを歌い終えた時、突然、モニター画面に魔法陣が浮かんできたのだ。続いて、あっという間に光が輝きだしたのだ。
わたしは眩しさに踊るのを止め、慌てて目を閉じながら目元を手のひらで覆った。
すると、ぐわーという感じのまるでディズニーシーのタワーオブテラーに乗った時のような重力がわたしを襲い、堪らずその場にしゃがみこんだ。なにこれー気持ち悪いと叫んでいるとやがて、重力は消えた。
「え? ここ? どこなの?」
ルカの不安そうな声が耳に届いたので、わたしはルカを確認するために目を開けて、周囲を見て驚いた。
そこは、わたしたちがいたカラオケボックスではなかったからだ。
わたしたちがいる場所は、石畳の広い空間だった。学校の体育館ぐらいはあるだろうか? 空気の動きがないので、室内であることはわかる。
床には、何やら魔法陣のようなものが描かれていた。
暗闇を照らすように、10ヵ所ぐらいあるだろうか? ろうそくのオレンジ色の光源が、周囲をぐるりと照らしていた。
一言で怖い・・・不気味である。わたしは、急いで立ち上がると、ルカの背中に隠れ、その先に目を送った。
そこには、ファンタジーゲームに出てくるような白いローブを着た中二病の人? が6人と1人だけ中世の貴族風の若者の姿もあった。
ローブたちは、なにやら歓喜の声を上げていた。
「やった! 成功したぞ」
「われわれの理論は正解だった!」
「オデーブユーミコ王国万歳!」
そんな声の中、唯一、ローブ姿ではない中世貴族風の若者が近づいてきた。
金髪で白人、一般的に言われるイケメン高校生? が颯爽とした足取りでわたしたちの前で足を止めた。それから実に貴族様のような丁寧なお辞儀をした後、眩しい笑顔で自己紹介をしてきた。
「初めまして、聖女さま。わたしはオデーブユーミコ王国の第一王子、クンユー・ミコ・カマサと申します。クンユーとお呼びください」
しかし、さすがのイケメンもこの怪しい場面では、効果を発揮できなかった。
ルカは、王子の挨拶に頷きながらも、警戒する目で王子を睨みながら答えた。わたしの中では聖女? え、まさかの異世界召喚? と思ったりもしていた。
「初めまして、わたしは青木ルカです」
それからルカの斜め右後方で、ルカを盾に半分だけ顔を出して隠れているわたしを左手で小さく指さして続けた。
「わたしの従妹の稲村ナナです」
なに勝手に、わたしのことまで紹介しているのよ。とわたしはぷんぷんと怒りながらルカの右腕を強く握りしめた。そのままルカの陰から状況を見守る。
これまでの突然の出来事に怖がるわたしとは違い、ルカは落ち着いていた。
ルカは怒りを灯した目を王子にぶつけながら質問をした。
さすが生徒会役員、しっかりしている。頼りになる。まさにルカ様だ!
「ここはどこですか? そして、なぜ? わたしたちはここにいるのですか?」
「ここはオデーブユーミコ王国です。その髪の色からすると、パルカノンの方ですか?」
「オデーブユーミコ王国? ここは日本じゃないの?」
この後、わかったことなのだが、ここは地球ではなかった。
また彼らはオデーブユーミコ王国の神官たちと王子で、ここで国内から聖女召喚をしていたのだが・・・どうやら術式に間違いがあって異世界召喚をしてしまったらしい。
白ローブたちも驚いていた。
まさか自分たちに、まったく知らない異世界から人を召喚させる力があるとは、思ってもいなかったのだ。
これは不幸な事故で、通常ならありえない話のようだった。
わたしたちは、白ローブたちの間違いで、この異世界に召喚されてしまったのだ。ふざけた話である。
このあと、異世界召喚の恒例のようにルカは、元の世界に戻る方法を尋ねたが、王子たちは困惑の表情を浮かべるだけだった。
何しろ、召喚することも珍しく、ましてや異世界召喚など彼らにとって???の出来事だったらしい。
どうやら、わたしたちはしばらくの間は、異世界生活をするしかないようだった。
読んでくださった方、評価のほどをよろしくお願いします。メンタルが弱いので、できれば優しい評価をお願いします。あなた様のご自愛に感謝します。ナナより