聖なる日々
黒きもやの張詰めし
小部屋の腐りつ
予は鴉
尽せど予が中予は愚か
足掻けど下に椅子はなし
春の風予の知らざるに
吹渡り
予が谷底や
眇めどおぼろに
見るもいぶせげ彼の芥
臭気の漂い
鼻痛し
自と予が身は汚れたる
自今予が身は腐れ落つ
火柱の立ち
予の面光りぬ
辺見ゆ
其が悪魔に狂いたりけり
予は尋常ぞ清けしや
予は苦し
炎の冷めし暗き虚しさ
夜の明けざる羇旅たるは
永久く涙を落としけり
予は苦渋にも生け歩み
月も星も在らねども
生けし此身は歓喜を尋むりぬ
虹の影の立込めて
俄と寒し雨が音
虹が光の欺きし
あらまし皎よ
よも夢か
夢も消にさり死を思す
恐れも消にき
予は腐りつ
見ゆるは全て在らざりて
予が空しきは幻なる哉
いずくに予の身よ在りし哉
過去りて
今の至るるをもやの示しし
蝉の雨なる時節なり
張詰めしもやよ幾らも晴れざりぬ
予の生ける中に其は永久き
予は予で在る可く生けたるに
神は奇し光と影哉