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初めての脱出

トモヤさん編

2話だけ我慢願います。

出来れば一言感想とか頂けると嬉しいです。


ちなみにこの物語を書き始めて1年。

初期から読んでくれている人とかまだ残ってるんでしょうか?


気になります。






「マズイな、まさか現勇者隊が裏切っているなんてな」

背中から血が出ているが、まぁ致命傷ではないだろう。

俺はある空き家の床下に隠れながら息を潜めている。


思い出すのも嫌だが、これまでの経緯を振り返った。




コトハ達シンヤのパーティーと別れてからオツキ村までは魔獣は現れず順調だった。


そして、例の村は簡単な柵に覆われており、どうやら柵を少し動かしたりしただけで音が鳴るような仕掛けが張り巡らされているようだった。その為、俺は正面の門から正面突破を図ることにした。


肝心の門は勇者隊のヤマトという屈強な男が見張りをしていたのだが、俺を見かけるなり少し警戒した様子で俺に詰め寄ってきた。


「流れの冒険者がこんな村に何の用だ?」

そう言われたので


「いや、もうすぐ日が沈むからな。一晩の宿を借りたくてたちよったんだが何処か軒下でもかりられないだろうか?」

俺はなるべく自然な理由で警戒させないように振る舞うことにした。


「そうか?そうだな、何か見返りを頂けないだろうか?貧しい村だからな。」

真剣な目で男はそう言ったので俺は迂闊にも警戒を解いてしまった。


「わかった、、ちょっと待ってくれ。えーと、ここに‥‥グハッ、何をする?っと危ない、マズイ」

腰につけた道具袋をまさぐり金貨をさがしていると、背中に痛みが走った。

しまった。完全に油断していた。


それから、相手に砂を投げつけ闘争。逃げ回って今は空き家の床下に居る。


ふぅ〜、完全にミスした。

安全が確保されてから後悔がドッと押し寄せてきた。


コトハに『役に立たねえ』とか言ったことがブーメランになって返ってきたな。


いや、冷静になれ。反省してる場合じゃないぞ。これからの手を考えるべきだ。



「ふうっ、お兄さん、こんなとこで何やってるのん?お兄さんも狭いとこが好きな人?」

考えに入り込みすぎたようで、横に人が来ているのに気付かなかった。ダメだ。失態だらけだ。それにしても、こいつは狭いところが好きだからこんなとこに入ってきたのか?


「お前、勇者隊の仲間か?」


「怖い怖い、お兄さん、殺気出過ぎやよ。大丈夫。ウチもココの人達は敵なんやよ。ここから逃げたいねんけど中々警備が厳重やしぃ、困ってるんよ」

真っ暗で容姿はよくわからないがシンヤやコトハ位の年齢だろうか?


「お前を信用するに足りる情報もないんだが、まぁ、大丈夫か?ところでお前は使える奴なのか?それとも足手まといなのか?」

俺は身もふたもない言い方をした。

ゆっくり吟味している暇はないからな。

使えないなら捨てれば良い。


「ふぅん、信じてくれはるんやぁ〜。ちなみにウチはアイテムを作れるだけのただの一般人やねんよ。お兄さんみたいな強さはもってへんのよ」


「生産系のスキル持ちか?何か今手持ちで有用なアイテムはあるか?」

俺はこんな所でゆっくりしている暇はないからな。有用なものが有ればもらってトンズラするつもりだった。


「う〜ん、水鉄砲、洗剤、石鹸位かな?どうするつもり?」

しかし、当てが外れた。

ロクなアイテムがないぞ、使えねえ。

確かに前世の洗剤とか強力で売れそうだけど、戦闘に必要かと言われれば、ノーだ。


「夜中に脱出するつもりだ。」


「あら、奇遇やわぁ〜、ウチも同じこと考えてたんよ。それでなぁ、たったらぁ♪偵察くん。」

まるで猫型ロボットが秘密道具を出すように彼女は何かを俺に見せた。

しかし彼女が手に持っているものが俺には見えない。暗いからとかではなく、何も持っているようには見えないのだ。


もしかして、『バカには見えない』とか言うんじゃないよな?

一応剣を握りしめる。


「あれ?ここは全米中が涙してスタンディングオベーションしてくれるとことちがう?こんなに可愛い子やのに」

彼女がふくれっ面をしたのがなんとなくわかるが、そもそも暗過ぎてそれすらもなんとなくなんだよな。


「いや、こんなに暗いと、いや、それもあるけどそもそも何も持っていないようにみえるが」


「え〜っ、愛と勇気を持ってるスーパー美少女ユウナさんになんてことゆうのん。信じられへんわ。」

‥愛と勇気だけが友達ってことか?

さてはこいつ、友達居ないな?

慰めてやるか?ぼくの顔を食べて!


「いや、話が脱線しているな。で、偵察くんってのがステルス機能でも備えてるって訳か?」


「うんうん、ウチはそれが言いたかったんやわぁ〜‥ステルス解除」

女がそう言った途端、目の前にピンクのウサギが現れた。なぜか耳をパタパタ動かしている。


「なんだ、この趣味の悪いウサギは?」


「可愛いと思わはるやろ?ウチの趣味ど真ん中やねんよぉ」

あっ、どうやら薄っすら明かりをつけたようだ。それで、初めて彼女の顔がちゃんと見えた。


茶髪で、なぜかセーラー服の上から白衣を羽織っている。スカートも割と短めにしているし、真面目なのかチャラいのかよくわからん印象だ。


しかし、そこを話題にするのは躊躇われた。


「あー、お兄さんも転移者なんやぁ。こんなところで会ったんも運命かもしれへんねぇ」

あぁ、そういうことか。

彼女は相手が自分を見た時の反応で転移者かどうかを判別しているんだろうな。


「意外と策士なのか、バカなのか判別しづらいな。まぁ、大体は把握した。要は偵察くんに脱出ルートを探ってもらおうという訳だ。」

俺は要領を得ない彼女の話を要約したが


「ウププ、偵察くんやなんて壊滅的にネーミングセンスがないんやねぇ」

完全に濡れ衣を着せられてしまった。


「いや、偵察くんってお前が言ったんじゃないか?頭沸いてんのか?」


「またまたぁ。ウチ前から思ってたんやけど、そうやって自分のミス、人のせいにする癖治したほうがいいと思うんやわぁ。」

前からって、お前は俺の幼馴染か?


「はぁ?おっ、お前、初対面だろうが?頭沸いてんのか?」


「フフッ、なになに?また同じ返しなんかなぁ?もしかしてボキャブラリーが貧困なんかなぁ?」

もしかして、俺はバカとかアホとかしか罵倒の言葉がでない生粋のアホあつかいされてるのか?


「ん、わ、悪いか?ウチは貧乏だったからな、中学でたら働かないと弟達を養えなかったんだ。」


「ウププ、不幸自慢なんてカッコ悪いよ。あっ、今なら周りに誰もいないみたい。」

いつの間にか偵察くんは居なくなっていた。

ちゃんと偵察はこなしてくれたようだ。


しかし、この少女、さっきから俺をやたら挑発してくるよな。何か狙いがあるのだろうか?

どちらにしても、信頼に値しないな。


「まぁ、いい、行くか?逃げるなら早めがいしな。」

そうして、俺たちは夜中に空き家から抜け出した。

一週年記念は番外編か、ヒロイン登場か?どちらが良いんでしょうか?

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