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初めての創造魔術

「ところで、橋本って女の子と二人きりでこんなに長い時間一緒に居たことないんじゃない?」

夜になって一晩野宿をしたがあまり寝られなかった為、寝不足の重い体を引きずってオツキ村に向かう道中だった。

宮下さんが突然そんなことを言い出した。


「いや、、アヤとなら結構そんな感じの時期もあったぞ。」

俺はなんでそんな事を宮下さんが言い出したのか腑に落ちなかったけど、確か彼女も彼氏を作ったことがなかったんじゃなかったっけ?


だから、彼女こそが男の子とこんなに長く一緒に居たのは初めてだったのかもしれない。


「そう。ところでなにか面白い話しなさいよ」

そういうことに何となく気付かれたのに気付いた宮下さんは、イキナリ雑な話のフリ方をしてきた。

一応照れ隠しなのか?

わかりづらいけど‥‥


「‥‥めちゃくちゃハードル高い話の振り方しないでくれないかな?宮下さん。」

何を言ってもスベることは間違いなかったので、宮下さんに抗議するだけにした。


「紳士たるもの、どんな時でも相手を笑わせるくらいの器がないと」


「宮下さんの中の紳士像はお笑い芸人さんか何かなのか?俺、持ちネタとかないからな」


「まぁ、今日はこれくらいで勘弁してあげるわ。ところで、こちらは真面目な話なんだけど、私には魔獣支配だけじゃなくもう一つ奥の手があるのよ、特異魔術ユニークマジックを作り出す能力が。」

衝撃の事実を伝えた宮下さんは尚も話し続ける。


「その御名は創造魔術クリエイティブマジックよ。」

そう言いながら彼女は右手で顔を覆い、左手は右手の肘を掴んでいる。

そう、厨二ポーズだ。


彼女がスキルで闇魔術とか生み出してしまいそうな気がするのは俺だけではないだろうね。


「そっか、流石宮下さん。期待してるよ」

でも凄いと思ったので声をかけると、宮下さんは満足そうに無い胸を張っていた。こういうチョロイところは結構憎めないんだよな。


「私の秘密を教えたんだから、橋本のことも教えるのよ?」


「えっ?何を教えればいいの?」

どこにエロ本を隠してたとか?


「‥‥きな‥‥んなの子のタイプはどんな娘なの?」

少し声が小さいが好きなタイプをきいてるんだよな?


「‥そうだな。やや大人しめで、少し天然はいってて育ちがよさそうな娘かな?」

俺は俺が思う凛の特徴を答えた。


「えっ?それって?ふぅん、そうだったんだ?ふぅん」

宮下さんはそう言った後、満足げに頷いてサッサと先へすすんでいくのだった。

相変わらず宮下さんはよくわからない。


「うわー、山だ。これを越えればとうとうオツキ村だけど少し休む?」

俺たちは暫く歩いたが、山道に入る前に休憩することにした。


「おいおいっ、こんな所で休憩したら俺のような強者に襲われるぜ。それとも、自殺願望者か?」

全く気配を感じなかった、、、



いつの間にか俺の背後に近づいていた彼は2メートルはある背に見合うだけの筋肉の鎧を纏っている。髪は立っていてワイルド系と言って差し支えないだろう。

ざんねんながら、顔が緑色で確実に人間ではない。


「いや、、出来れば争いたく無いんだけど、ダメかな?」

出来れば争いを避けたいのでそう言ったけど、、


「そうか?じゃあ、見逃して‥やる訳にはいかないんだよ。取り敢えず早く構えろ。無抵抗な相手をいたぶる趣味は無いもんでな。俺は強者を正々堂々、自信ごとコナゴナに砕くのが大好物なんだよ。」

相手は勿論見逃す気は無いようだ。


「は、橋本。相手の強さ、分かってる?

か、か、勝てるわけないわ。」

俺の後ろから俺の手を掴みながらそう言う宮下さんの手は震えていた。


恐らく俺たちが戦った第3段階のサイスより強い。そんな気がする。


「俺は冒険者、シンヤだ。名のある達人とお見受けしますが、どなたでしょうか?」

俺は下手に出つつ、作戦を考えるための時間稼ぎをした。勿論今回はエリシスが騙った『シンヤクン』ではなく正真正銘ホンモノだ。


「ああ、まだ名乗ってなかったか?俺はデルタと言う。一応魔王軍の幹部の1人ということになってるぜ。とは言え、まだ今代の魔王には会っていないから俺自身魔王を主として認めた訳ではないんだが‥‥不意打ちとは卑怯な。」

そう。デルタが長々と話している間に宮下さんは、あの視神経を乱すスキルを当てることに成功した。

よし、今しかない。


俺はデルタに向かい、突きを放つがアッサリ剣で弾かれた。その瞬間背中に悪寒が走ったので大きくヨコにステップした。


目の前を白刃が通り過ぎる。

っぶねぇ。ギリギリかわせたよ。

自分の第六感に感謝しつつ、デルタを観察する。


目を瞑っている。

そういうことか?


最初からあてにならない視覚を自ら捨てて、他の感覚を頼りに俺の気配を探っているって訳なの?


まずいな‥正直勝てる気がしない。

‥でも、勝てないなら逃げればいい。


俺は気配を消しつつ、その場から去ることにした。そぉ〜っと、そぉ〜っと、彼から離れる。よしっ、デルタに勘付かれてないようだ。


そのまま宮下さんへアイコンタクトで逃げるよう促すが、ここで問題が起こった。

デルタはアッサリ彼女のいる場所を掴み上段から切りつけた。



‥ったぁ。俺は宮下さんに飛びかかり、何とか斬撃をかわしたが、軽く腕に掠ったようで、右手の上腕部が熱い。


マズイな。恐らく宮下さんは気配を消せてないのかちゃんと位置を把握されているようだ。


まぁ、動いた場合だけなので、ズッと止まっていれば問題なさそうだ。

とはいえ、ズッと止まってなどいられない。

スキルにも効果時間があるはずだからね。


でも、俺は心配していなかった。

だって今なら使える。


俺にだって宮下さんと同じように奥の手があるんだよ。


俺は使い慣れたスキル名を叫ぶ。

「ラックゾーン、ダーツ召喚」



そして、世界は時を止めた、、、




「シンヤさん。久しぶりですね。」

アリアが久しぶりの笑顔で上品に手を振りながら俺に挨拶をする。


「あー、アリア、早くダーツを始めてくれ」

しかし、俺には余裕がなかったので早く始めてもらえるように言ったのだが、


「シンヤさん。久しぶりですね。」

アリアは俺に先程と全く同じ仕草で同じ挨拶をする。


「だから、アリア。早く始めてくれませんか?」

俺は再度早く進めてくれるように懇願するが、


「シンヤさん。久しぶりですね。」

また、全く同じ挨拶が返ってきた。

もしかしてだけど、アリアがNPC化したんじゃなかろうか?


「アリア?大丈夫か?」

さすがに心配になってアリアに声をかけると、


「大丈夫じゃないのはシンヤさんの方じゃないでしょうか?何かあったら電話してくださいって私言いました。でも、着信0件です。おかしくないでしょうか?」

アリアの不満が爆発した。


「いやぁ、冒険が忙しくてそれどころじゃなかったんだよ。」


「冒険と私‥どっち取るんですか?」

仕事と私どっちが大事なの?みたいな感じか?

ってアリアって俺の彼女?


「いや、アリア様?これアリアを取るって言ったらどうするんですか?まぁ、それはさておきダーツに進んで頂けないでしょうか?」



「イヤです。」


「えっ?アリア様どうしたんですか?」


「1日1回は電話をくれると約束して下さい。」


「‥‥わかりました。で、ダーツにいってくれますか?」


「‥わかりました。約束を破ったら‥許しませんよ」

アリアはニッコリと笑ってそう言うけど、、、

目が笑ってないので怖いです、、、



とは言えダーツの用意はしてくれたよ。

ダーツ部屋に案内されると、ダーツの的は以下のようになっていた。



ステータス100倍‥10度

ステータス10倍‥30度

召喚術‥‥130度

変態‥‥60度

地球破壊爆弾‥‥30度

ステータス2倍‥‥100


今回は色々あるが、ちょっと地球破壊爆弾はヤバそうだ。できればステータス100倍あたりがいいよな。


「とにかく投げるしかないな、エイッ」

俺は今回は気が急いていて、すぐダーツを投げた。


矢が的に向かって飛んでいき、的に刺さる。


「トンッ」


的の回転が弱まっていく。

あっ、もう少しで文字が読めそうだ。

見えてきた、見えてきた。


おぉ〜っ、ステータス10倍だ。

やった、これならなんとかなるかもしれない。


「ありがとうアリア。お陰で良い結果が出たよ。」

俺がアリアにお礼を言うと、


「いいえ、私は何もしてませんから。それより、や、く、そ、く、を忘れないで下さいね。ハリセンボン飲ませますからね」

いや、ハリセンボンはフグ目ハリセンボン科の魚だからな。あんなん、飲めるか?

まあ、針千本も飲めないけど。


そして、時が動き出した。


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