表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/102

初めての反抗期

「エリエモーン、魔王の手先の居城に行くのに必要な秘密道具とか装備を教えて。」

とりあえず困った時のエリシスということでエリシスに相談してみる。


「エリエモン?その呼び方はなんなんだ?

必要な道具だが先ずは明かりだな。これは光の源を買ってもいいし、松明を持っていってもどちらでも構わないよ。後は旅に持参している荷物で問題無いよ。」

いきなり話を振られたわりに一呼吸も置くこともなく即答するエリシス。


エリシスさんかっけーよ。


「罠除けに何か用意しなくていいのか?例えば重りに紐がついたもので行く先の落とし穴や罠を先に作動させたりするような物とか?」


例えれば柔らかいモーニングスターみたいなイメージだ。

それを先に投げつけて罠を先にワザと作動させてしまうようなものだ。

我ながらいい案だ。もしかして俺、天才じゃないか?



「ダンジョンならそういった物も役立つこともあるかもしれないな。しかし、考えてみるといい、居城なんだ。彼らが城を出入りするたびに罠を避けながら奥に進むのは大変だとは思わないか?

そんな間抜けなことをしている魔王の配下がいるなら是非とも見たいものだよ」


まぁ、罠全体のスイッチの入り切りなど一般的ではないってことなのかな?

なら、エリシスの言うとおりかも。


「後は毒消しの類いや、布は用意しておいたほうがいいかもしれないな。」

しかし、続けてエリシスがそんなことを言うのだ。

おかしくないか?


「さっきのエリシスの話しで考えれば自分の部屋に毒なんかばらまいたらやはり自爆ものだと思うんだけど。」

俺はすぐに反論したよ。

論破されまくりだから、勝てると見たらここぞとばかり責め立ててるように見えなくもないな。

あれ?もしかして、俺性格悪い?


「いや、ある種の毒を持って生まれた魔獣がいることもあるんだ、後は魔族の方が一般的に毒に抗体があると言われている」

‥‥エリシスはまたまたスラスラと答えた。

これから何か調べる時はエリシスに聞こうか。


そして、呼ぶ時はぐーぐーるぅさんとか呼んでみる?


「そうか?じゃあ、朝に毒消しと明かりを買いに行くか?ところで装備は今のままでいいのか?」

俺はもちろんチョーヤバい短剣でいくつもりなんだけど。


「構わないよ。槍や、長剣は戦う場所によっては厳しくなることもあるだろうけど、ウチのメンバーにはいないものな。

後は、イオリ殿が爆発魔法を使う時は考えてから使った方が良いかな。

建物ごと崩れ落ちる恐れがあるのでな。」

エリシスの丁寧な説明にイオリも頷いた。


エクリクシスが使えないってことか?

ウチのパーティの戦力が半減してしまうじゃないか、、、でも、、、


「エリシス、丁寧な説明ありがとう。

ところで、イオリ。今回はイオリは留守番だからな。」

俺は体調が万全じゃないイオリは留守番にすることを決めていた。


「えっ?なんでイオリが留守番だと思うの?それはとてもとってもおかしいと思うの」

イオリは少し唇を尖らせて 抗議する。


その年相応に幼い仕種に思わずほっこりしてしまったが、内心驚いてもいたよ。


イオリが留守番に対して抗議したことも珍しいと言えば珍しいんだけど。

そんなことより驚いていたのはいつの間にか俺自身が『イオリは反対なんてしない』なんて勝手に思い込んだことだよな。


ちょっと俺、イオリに甘やかされすぎたのか?


「いや、俺もイオリの体調が心配なんだよ。ここは俺たちに任せて、イオリは次のカモーン海峡横断に向けて体調を万全にしておいてくれないか?」

俺は駄々っ子を諭すようになるべく優しげな口調で言った。


「シンヤ様。何を企んでるのと思うの」

しかし、どうやら俺は意図せず笑顔さえ浮かべていたようでイオリから見たら《何かを企んでそうな顔でイオリに留守番を強制する怪しいオトコ》にしか見えなかったようだよ。


「いや、イオリの居ぬ間に、他のオンナノコとキャッキャ、ウフフしたいなぁ〜なんて思ってないよ」

俺は目を逸らしながら答えた。

いや、子連れだとモテナイとか考えてないよ。

ホントに。


「やっぱり、イオリはついていくと思うの」

あらぬ誤解を与えてしまったらしい。

目が座ってるよ、イオリさん。


これは決意を変えてもらうのは難しいかな?


「いや、でも、あっ、あれだよ、あれ。

今回はついて来たら奴隷契約解除してしまうからな。これは脅しじゃないからな。」

俺は年下相手に思いっきり大人気ない態度にでた。


他のパーティメンバーの好感度ゲージが、すごい勢いで下がり始めている音が聞こえるような気がするけどね。気のせいだと信じたい、、、


「そんなの卑怯だと思うの。そんなこと言われたらついていくって言えなくなってしまうと思うの」

どうやらイオリは諦めてくれたようだ。


「普通の奴隷なら奴隷契約の解除は喜ぶものなのだけど。イオリ殿は解放されてもある程度お金があるし尚更なのだがな」

エリシスが思わず呟く。


もしかして、俺とイオリは正しい奴隷関係を築けていないのか?


「シンヤぁ、イオリン可哀想やから連れて行くだけでも連れて行ってあげたらどうなんかなぁ?

イオリン、魔法は絶対に使わないって約束できる?」

そこにアヤの取りなしが入ったので結局イオリもついていくことにした。


もちろん、魔法は使わないように約束したよ。あの針千本のまないといけない例の約束でね。




そして、翌朝、食堂にて。


「うめ〜〜、なんだよこれ?どこでも食べれるのか?このビーフシチュー。」

今日のフォーメーションや、準備漏れがないか話し合うために食堂に来ていたが、ビーフシチューを一口食べた瞬間、俺はシチューしか見えなくなっていた。


これは以前食べたドワーフ製のシチューと同じ味だったよ。

もしかして、この店、チェーン店だったの?


「‥‥リーダー、いい加減にして下さい」

エリシスはそう言いながらシチューの皿をエリシスの側に引き寄せる。

俺は目の前から引き離された皿に視線を奪われていた。

そして、そこから顔を上げると無意識にエリシスを睨みつけていた。


「えっ?リーダー?なんでそんなに怒っているんだ?別に私がシチューを横取りしようというのではないんだが、、、、」

そんな視線を向けられたエリシスは何とか無実の罪を晴らそうと弁解したものの、俺の表情が一向に和らぐ気配がないのを感じたのか弁解を諦めて皿を俺の前に戻した。



「ふぅ〜、食べた食べた。みんな、美味しかったよなぁ。」

俺は満足げに腹をさすりながら皆んなを見渡してそう言ったんだけど、心なしか皆んなの雰囲気が悪い気がする。


「皆んな、そんな暗い顔してどうしたの?

もしかして、明日魔王の配下の居城に行くからブルッちゃったの?

大丈夫だよ、いざとなったら俺もキリフダを使うから心配いらないよ。」


俺は皆んなの心配を和らげるよう、殊更明るい声でそう言ったんだけど、、、


「ちょっと、、シンヤクン、そこに正座してくれるかな?」

コトハさんが俺が座っているイスじゃなくて、店の床を指差してそう言うんだよ。


「えっ?コトハさん?怒ってらっしゃるの?」

俺は全く意味が分からない。


でも、よく考えると俺がオンナゴコロなんてわかるはずがないんだよな。


ここは素直に正座することにした。


「シンヤくん、君はいつから食いしん坊キャラに転向したのかな?エリシスさんがせっかく明日の打ち合わせをしようとしてくれてたのに当のリーダーはシチューにムチューって、ちょっとウチューイチ、ジコチューじゃない?チューイする気も起こらなくなるよ。

さて、私は何面チューって言ったでしょう?正解したら私からチューのプレゼントがあるよ」


イヤイヤ、説教するなら最後までちゃんとしてよ。

最後、クイズになってるよ。


しかし、何で単位が面なんだよ。


いやホントは全部分かってるんだよ、でも言わされるのはちょっと癪だと思わなくもないんだよな。


それにしても、コトハさんはなんかこういう言葉遊び的なもの好きだよなぁ〜


「いや、言いたいことは分かったよ。

みんな、ごめん。《五面》

今から打ち合わせを始めていいかな?」

結局、俺がこう切り出してようやく打ち合わせが始まったんだよ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ