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初めてのヒキガエル

また、魔獣か?

何回目だよ?

オーガ11体が迫ってくる。


とにかく魔獣が出てくるわ、出てくるわ、、


勇者隊と交互に魔獣の相手をする事をレンと話し合って決めたんだけど、、、

ほんとに後悔したよ。


「イオリ、アヤ、頼むよ。」

俺がそう叫ぶと


「エクリクシス」

イオリが叫ぶ。

その瞬間、オーガ2体が爆発した。


俺とエリシスは座って観戦モードだ。

「エリシス?何秒で倒せると思う?」


「‥‥50秒と言ったところではないか?」

顎に手を当ててしばし考えた後、エリシスは答えた。相変わらず適当に答えるということをしないな、もう少し肩の力を抜けばいいのに。


「ちっちっちっ、ウチのイオリちゃんを甘く見ないでほしいな、2人なら30秒で十分だろ?」

等と2人でオレンジ色の液体を飲みながらレジャーシートに座って完全に観戦モードだ。

強いて希望を言うならポップコーンも欲しいな。


はじめはウェーブとかも2人でしてみたけどあまりに寂しい感じに仕上がってしまったので止めたよ。

時折「ガンバレ〜」っとイオリ達に声援を送る位しかすることがなくなった。


「ターゲットオン」

アヤが叫ぶとアヤの手から光の玉が現れ、

三体のオーガに向かって飛んでいく。


そのままオーガの頭に吸い込まれるように直撃する。そのままオーガが倒れて動かなくなったと思ったら消滅した。


「エクリクシス」

イオリが再度叫ぶと残りの六体のオーガが爆発した。

うわぁ〜、イオリってば1回目はアヤに遠慮して手加減してたんじゃないか?


「26秒か、、俺の勝ちだな。エリシス。

約束通り俺の言うことを一つ聞いてくれるんだろ?」

そんな約束なんてしてないけどな。


「えっ?そ、そんな約束した覚えはないのだけど、、、」

エリシスは目を見開いて、わかりやすく驚いている。


「えっ?覚えてないの?頼むよ」

俺もそんな記憶なんてないけどな。


「えっ?そうだったのか?なら聞いた方がいいのかな?何が望みなんだ?」

相変わらず押しに弱いなぁ、エリシスは。

そんなんだからこんなパーティーに入る羽目になったんだよなぁ。


「世界の半分を‥‥じゃなくて、もう一回連れ込み宿に‥‥チッ、イオリとアヤが戻って来たか」

俺はバレないように話を完全に中断した。


「‥‥‥はーしぃーもーとーくんっ?私がすぐ後ろに居るの忘れてない?」

コトハさんが俺の肩をたたいた。ビクッ、、、、、

な、な、なんだと?完全に背後をとられていた?


「いやぁ〜、もちろんコトハさんも行くんだよ?お互いのスキル運用について話し合いたいからね」

ご、誤魔化せたか?

『や、やったか?』並みにフラグ発言をしてしまった。


「‥‥橋本ク〜ン?ちょっとこっち来て。」

コトハさんは離れた位置に向かって歩きながら笑顔で手招きする。笑顔とは裏腹にコトハさんからはドス暗いオーラがどんどん吹き出してきてる。

そろそろ第二形態とかに変身しそうだ、、、


なんかメチャクチャ怖いんだけど。


そして、皆んなから離れた位置に着いた時点でコトハさんが口を開く。


「橋本クンはエリシスさんと付き合ってるの?」

は?何言ってるの?


「いや、、、付き合ってないよ。」

俺は冷や汗をかきつつ即答する。


「でも、連れ込み宿に連れ込むってことって、、、そういうことじゃないの?それとも橋本クンの下半身は別の生き物なの?」

コトハさんは少し目を細めて言う。

普段は大きな目でも心持ち下がった目尻が彼女に親しみやすさを与えているのだが、今は目付きが怖い、、、


「いや、コトハさんが想像しているようなことはしないからね。」


「じゃあ、そういう事はイオリちゃんと?」

あれ?なんか雲行き怪しいんだけど。


「いや、違うからね。」


「そっか?じゃあ、私、立候補しようかな。」

いきなりそんなことを言い出した。

牛乳とか飲んでる最中だったら絶対吹き出してたよ。


「えーと、俺と連れ込み宿に行きたいってこと?もしかして、ビッチなの?」

思わず思ってることがそのまま口から出てしまった。


「えっ?あれ?そうなるの?ち、違うよぉ、私そういうことしたことないからね。」

いや、そんな話を聞かされても、、、


「あれ?そう言えば恋愛解禁したんだっけ?いいオトコ居た?」

取り敢えず、話を変えよう。


「う〜ん、王子様に求婚されたよ。」

‥‥どっかで聞いた話だな。そのうちに王子がストーカー化するんじゃないか?

あ〜〜、そう言えば凛とのメッセージが中途半端で終わってたよ。


「えっ?それで、片足だけ靴を脱いで逃げてきたの?」


「あー、そうなのよ。帰りはカボチャの馬車もなくて帰るの苦労したよ。ってシンデレラみたいにいいものじゃないよ。王子って言ったってイケメンとかじゃないからね。

ちょっとアレに似てるし。」

コトハさんは勿体ぶった言い方で肝心の正解を教えてくれない。


「アレ?ってなんだよ?ミョーに気になる言い回しだよ」


「アレだよ、アレアレ。わからない?」

まさかのノーヒントか?

もしかしてアレアレ詐欺とか?


「あー、わからないな。そんなヒントでわかるのはイケメンくらいだよ」


「あ〜、レンクンも知っている人だしね、正解したら景品としてスーパーコトハちゃん人形をあげるよ」

やっぱり、イケメン=レンってのは万国共通なのか?


「えっ?それは今、SNSでも話題のスーパーコトハちゃん人形?一個でコトハちゃん人形の3倍のポイントを貰えるアレか?」


「‥‥あれ?橋本クン?SNSなんてやってたの?ID交換する?‥ってダメだったね。スマホ使えないんだったよ。」

あー、やっぱり他の人は使えないんだな?


「そうだな。まぁ、そう言えば答えだよな?

もしかして俺に似てる?」


「え〜、話の流れから言ってここで橋本クンが正解なら私かなり嫌な奴じゃないかな?答えはヒキガエルだよ」

コトハさんは俺の質問を否定した上で答えを教えてくれた。


「あ〜、それが答えだったんだ。ヒントは《トリガー+クリスマスキャロル》とかにすれば良かった気がするんだけど、、、」



「あ〜、ノエル?ちょっといいヒントだね。さすがセンスの塊橋本クン。聞いたよぉ〜、そんな橋本クンが仲間助けるためになりふり構わずオトコに告白したんだって?オトコだよねぇ、見たかったなぁ〜」


えっ、、、、、、?ま、さ、か?ぼうそ‥‥じゃなくて、まさかアヤが喋ったのか?

「もしかして、アヤから聞いたのか?」


「‥‥いいえ、私、好きな人のことはとことん調べることにしてるから。

だからと言ってコトーカーとか呼ばないでね」

あくまでもトボけるコトハさん。一瞬の沈黙でさすがにバレてるんだけど、、、

コトハ+ストーカー=コトーカー?


「うーん、俺の負けだ、追及はしないよ。まぁ、告白の件は他の人には話さないでくれるか?」

まぁ、別に責める気もないけど、勇者隊には知られたくないしなぁ。


「わかった。その約束に命を賭けるよ。」

コトハは胸の前で祈りを捧げるように手を組んで目を閉じるとそう答えた。


「いや、重いわっ!」

コトハさん、即答する内容が予想よりかなり重過ぎたよ。意外と地雷系の女の子なのかな?


そうして、話が終わったのでコトハはみんなの所に戻っていった。

そのタイミングで俺は凛にメッセージを送ることにした。


「凛、元気にしてるか?前回の話しの続きが気になるんだけど聞いていいかな?」

こんな感じでいいかな?

すると直ぐに返事が返ってきた。


『前回は途中で話しが中断しててゴメンね(/ _ ; )

ギルド併設の食堂なんだけど、何を食べても、何を飲んでもタダになってたんだよ。

食堂のお姉さんに理由を聞いたらギルドからお金は貰っているっていうの。

それに、今度はギルド職員さん達が物凄く丁寧に話してくる上に余所余所しくなっちゃって、、、何が起こっているのかな?』

???なんだこれ???


うーん、分からない、、、、、、、、

あっ?そういうことか?


あれ?これ不味くないか?


「凛、ごめん。たぶんそれ俺のせいだ。」

俺は今回ばっかりは解決策を提示することは出来ず、謝ることしかできなかった。



つづく

次の話と次の次の話はいつもと若干ティストが変わります。イオリ回です。許してください。

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