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初めての対人戦?

俺たちが警戒しつつ洞窟の中に入っていくと、無数の火トカゲの視線が一斉にこちらに集まった。


それでもエリシスならなんとかしそうな期待感もあったし、何よりも彼女はまだスキルを温存している。

だからこれくらいはやってもらわないとな。


問題はやはり俺の方だよなぁ。対人戦なんてエリシスと初めてやったくらいだからな。

もちろん、命をかけるのは初めてだ。


それに敵は5人らしい。

なんでわかるんだよ?っと思ったが、エリシス位のレベルになると敵が気配を消す等してない限りは朝飯前のようだ。そのうち戦闘力までわかりそうだな。

『戦闘力たったの5か?ゴミめ。』とかエリシスに言われたら三回くらいは死ねそうな気分になるけどね。


まぁ、さすがに敵の情報は不明だけど、なんとか粘ってエリシスに助けに来てもらうしかない。めちゃくちゃ人頼みの作戦だけど、チートが微妙な俺は今自分にやれることを精一杯やるだけだ。


洞窟の入り口の陰に隠れて息を潜める。

なんでこういう時、自分の心臓音のボリュームが大きくなった気がするんだろうな?


やがて、誰かがこちらに近づいてくる気配があった。

うわぁ、皆んなで話しながらとか気配を隠す気もないようだ。やはり人数も多いしかなり油断しきっているんだろうな。

だんだん話し声が近づいてくる。


「ほんとに奴ら3人はこの洞窟の中に入ったんだろうな?」


「まちがいありません、デボスさん。ところでこれで私も分け前を貰えるんですよね?私は金貨は要りませんからエリシスさんが欲しいです。あの美貌にあのカラダたまりせんよ、あんなオンナと一回やって‥‥えっ?いや、冗談ですよ私なんてコドモの小遣い程度で‥‥やめ‥ウワァ〜〜」

えっ?、仲間割れ?一人脱落?

あと4人か?


「ちょっと何をしてるのん?仲間やろ?仲間とは共に讃えあい、共に笑い合い、共に苦労をわかちあうもんやとウチは思うで」

えっ?女の子の声??彼女も仲間なのか?

ちょっと関西弁っぽい気もするけど、、、


「はぁ〜?こいつ、いきなり登場して何を言っているんだ?今時木の上から登場って大昔の魔王リュウザキ.ホタルのマネかよ。」

ちょっと待って、女の子は奴らの仲間ではなさそうだな。

まぁ、敵の敵は味方とは限らないから状況が好転したかどうかはさっぱりわからないんだけど。


「ごめんなぁ、その元ネタのリユウザキさんやねんけどウチ知らへんのよ。まぁ、のぼったのはいいけど降りられへんとか言う状態なんよね。」

声しか聞こえないけどこいつバカだ‥‥


「しょうがないなぁ、お嬢ちゃん。下ろしてやるから俺らといいことしようぜ。」


「ごめんなぁ。取り敢えずオジさんは鏡みてから今の発言するかどうかもう一晩考えてみてなぁ」


「なんだと?変な兜被ったイカれたオンナが何を言いやがる?それに武器を投げてお前を落とすことも出来るんだぞ。口の利き方に気をつけるんだなぁ」


「自分が優位に立ってると思ったら強気な奴っておるんよなぁ、特に小物に多いらしいねんなぁ。あっ、ここテストに出るから覚えとかないとあかんよ」

多分女の子は1人で、仲間はいないとおもうんだけど煽りすぎじゃないか。

大人数の男に乱暴されたい願望でもあるのだろうか?


「てすと?なんかわからんが俺が本当に実行しないとおもったら大間違いだぜ。どうせいまから人を殺すんだから1人も2人も同じだ。

みんな、手投げ武器を一斉に投げつけろ」

オトコがそう叫ぶ。


「ターゲットオン。」

と同時に少女も叫ぶと


「ウワァ〜」


「ツギャ」


「ウゲッ」


「グッ」


オトコ四人の叫び声の四重奏カルテットが聞こえる。


その後もしばらくは男達の叫び声が聞こえていたが次第に静かになったので、洞窟の外をそっ〜と覗いて見てみる。もちろん皆んなでお遊戯などしてはいなかったよ。


ガラの悪そうなオトコが四人、うつ伏せで倒れている。全員死んでいるのか?ピクリとも動かない。


そして、視線を上に上げると‥‥居た。

仮面の様な怪しい兜をかぶった少女が少し遠くの木の上から俺を見つめている。


どうみてもやったのはあいつだ。


相手を瞬殺したところから考えると5人を相手にするより遥かにマズイ状況に追い込まれている。とはいえ相手は1人だ。逃げてしまえばなんとでもなりそうだが‥‥5人のオトコは俺の割と近くにいるんだよな。

つまり、逃亡すら取れるかはわからないってことだろう。


彼女は遠隔攻撃を持っている可能性が大だ。

恐らく『ターゲットオン』というのがスキルのスイッチだったのだろう。


狙撃か?もしかして狙撃なのか?

ダーツなんかよりそっちが欲しかったぁ〜〜


いや、考えてもしょうがない。少女はオトコ達と揉めていた。その為に殺されたんだと思う。


それなら交渉の余地もあるかもしれない。

それに少し冷静に考えてみると。ちょっと行けるかもしれない気がしてきた。だって‥‥



「綾崎、久しぶり。覚えてるか?橋本だよ、橋本」

俺は少女に話しかけた。


「‥‥‥えっ?橋本?ホントなん?私が何度迎えに行っても引きこもり続けたあの橋本なん?」


「‥‥なんか悪意しかない質問だな。でも、悪かったよ、迎えに来てくれてたなんてはじめて聞いたけど、心配かけてたんだよな。」

あれ?確か、引きこもってからは俺宛に訪ねてきた奴なんていなかった筈だけど、、


「別に心配なんてしてへんかったもん。橋本のくせに生意気だぞ。」


「うーん、なんで◯ャイアン口調なんだよ?俺も色々あったんだよ、ほら、あの、思春期だったし。」


「ますます、わからへんねんけど。とにかくここから降ろしてくれへん?」

降りられないのは本当だったようだ。


「わかった。ほら、おいで」

俺は木の下に行き綾崎を見上げて両手を広げて見せる。


下から見上げると‥‥スカートの中がハッキリ見える。パンツは白でスカイブルーのリボンが付いているようだ。


綾崎は兜を脱ぐと、木から手をはなして俺に向かって飛び込んでくる。


俺はキャッチしようと待ち構えていたけど距離感が合わなかったようだ。

そのせいでちょうど俺の顔に綾崎の胸が、、どうせ鎧の感触‥‥‥‥‥‥じゃない?

こ、これは?まさか???

のーぶ‥


綾崎を支えきれず仰向けに倒れた俺は、後頭部を地面に打ちつけ、そのまま気を失った。


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