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チート転生者と白狼娘  作者: ゴルゴン
11/17

新たな狩場、大樹山

新しい舞台や魔物を考えるのって楽しいですよね。今回は短めで戦闘はなしです。

  休みが終わりホロと一緒にギルドに向かう。

  休みの二日間は図書館に行ってこの世界のことを調べた。

  冒険者でも快く倒してくれるこの街に感謝しながらホロとともに読書をしてこの世界のことを勉強した。


  ホロは最初は文字が読めなかったが教えながら一緒に読書をした。

  調べたのは白狼人のこととこの国のこと。そして覇竜のことだ。時の読み方を教えながらだとあまり多くのことを調べられなかったがまた行けばいいと思い適当なところで切り上げて宿に帰った。


  まず白狼人について、白狼人は多種族に排他的は思想を持つエルフ以上に多種族に対して警戒心が強くほとんど人里にくることはない。男女ともに優れた容姿をしているが鍛えられた白狼人は虎人以上の戦闘能力をと連携能力を持っており、ある程度訓練すればほぼ全ての種類の武器を使用できる万能型の戦士となるため愛玩奴隷より戦奴隷にされることが多い。


  国について、巨人王の国ルガル。その名の通り巨人種が統治する王国、王は種族間の差別を非常に嫌っているためほとんど差別のない国を創り上げた。奴隷に対しても寛容で酷使をさせることを禁じている。善政を敷き民衆から絶大な信頼を得ている。大食い。

  ルガル王国には数多くの神造武器があり大将軍やS級冒険者だけが装備することを許されている。大将軍の実力はS級冒険者並みかそれ以上である。そして我らの王ルガルは大食いである。


  最後だけなんか違う気がするが神代の武器は気になるな……この街にS級冒険者がいるかもまだわからない。それに大将軍の持っている武器などは明記されていないから極秘になっていると。


  最後に覇竜について、覇竜シンラ。その名の通り竜達の覇王でありこの世界の全ての神々を滅ぼした邪竜でもある。神と巨人は共に覇竜率いる竜の軍勢と戦ったが長くは続かず負けが確信すると残った巨人に自分達の武具を全て託して逃した。

 覇竜の能力については何もわかっていない。竜達には国があったとされているがなぜか未だに発見されていない。竜達は竜人ドラゴニュートを従えていたが一部は裏切りルガル王に忠誠を誓っていると噂されている。


  調べられたのはこのくらいだがかなり役に立った。シンラについては神を滅亡させたくらいしか分かっていないがそれは自分で調べればいいだけだ。


  「タクヤ様、今日は何を狩るんですか?」


  「そうだな……大型の魔物を狩ってみたいけど依頼がなかったら適当な奴にするよ。ホロは体調大丈夫か?」


  「大丈夫です!せっかくお休みをもらって新しい武器も使えるようになって疲れも取れたんですからお役に立ってみせます!」


  尻尾をピンと立てて意気込むホロ。

  パンドラが弓に変化したのだ。

  金属製の重厚な弓で獣人用のかなり重たい弓らしいがパンドラの能力で軽くなっている。

  名前があるのかと鍛冶屋のおっさんに聞いたがただの弓らしい。

  先日鍛冶屋に行って採用の鎧にはやっぱり剣とか槍が似合うよなーと思いながら眺めていたら弓を見ていたホロのパンドラが形態変化したのだ。ホロに何かしたのか聞くと


  「弓を使えたらもっとタクヤ様のお役に立てるかと考えていました……なんとなく扱えそうな気がします」と言っていた。


  これは推測だが本人が使いたい、もしくは使えるようになりたいと思ったらその武器に変化するのかもしれない。まだホロが使えるかわからないから憶測に過ぎない。


  「なあホロ、弓に変化したのはいいけど矢はどうするんだ?」


  「それなら心配いりませんよ……この通り出せます」


  ホロは手に魔力を集中させ矢を作り出した。そしてまるで長年使ってきたかのような自然な動作で弓を構えた。

  ホロの魔力量はわからないがあとはどれだけ狙えるかにかかっている。


  そうしてギルドに入って行く。

  先日とは違い今日のはなぜタクヤのような新人がボアラを倒せたのかという疑問の視線と美人なホロを引き連れている嫉妬の視線が突き刺さる。

  ホロは確かに美人だし優しいが一緒に寝てると思いっきり抱き枕にされて地味に苦しいのだが渡す気は無いので軽くした『竜の威圧』を使い視線を引っ込ませる。


  カウンターに行くとボアラがいた日の受付嬢ではなく冒険者の試験を受けた日の人だった。

  彼女はタクヤを見つけるとこいこいと手招きをしてきた。


  「何かあったんですか?」


  「いや〜ボアラさんを殴り倒したって後輩から聞いてぜひ本人から真実を書こうと思いまして!あの時のあなたはすごくカッコよかったってそれはもう熱心に私に語ってくるんですよ……でも私は本人から聞かないと信用しないので教えてください!それに後ろにいる可愛らしい白狼人の方まで連れてすっかり殿方ですね……リア充め」


  「最後のはよく聞こえなかったけどそういう関係じゃないしボアラを殴ったのは事実だからこれ以上話すことないぞ?」


  「うーん、そうなんですか……そのかっこいいところは見たかったですが今後は気をつけてくださいね、殴り合いの喧嘩なんて日常茶飯事ですが殺しは本来重罪です。今回はボアラさんの素行が悪かったから罪に問われなかっただけですから」


  受付嬢は急に明るい声から胸が底冷えするような低い声で忠告してきた。

  威圧のような魔法まで使ってきている。


  「ああ、気をつけるよ。ところで君の素顔も隠しておいたほうがいいか?」


  「はいはいもちろん秘密ですよ、もし話したら……わかりますよね?それでは今日の依頼をお見せしますね!」


  受付嬢はにっこり笑ってまた忠告するといつもの顔に戻って通常営業に戻った。


  「今日はグリフォンとかハーピィを狩ってみたいんだけどないか?空を飛ぶ魔物ならなんでもいい」


  「空を飛ぶ魔物ですか?そうですねぇ……今ある依頼だと大樹山ビックツリーマウンテンでの調査くらいしかないです。それにこの依頼は調査が目的であって戦闘が目的ではないですし空を飛んでいる魔物と必ず遭遇するとは限りませんがやってみますか?」


  「そういう依頼はやったことないな、具体的にどんなことをすればいいんだ?あとはなんについて調査するかも教えてほしい」


  「はい、調査依頼とは本来は未開拓の地域などで気候や生息している動植物や魔物を調べたり行方不明になった貴族や冒険者の死因と探索を行うことですね。学者やギルドに紹介された者が同行し原因を調べるのでその護衛が主な任務です。今回はヒッポグリフとフレイムリザードの争いの原因の調査です。この二種の魔物は生息場所も違い普段はこちらから手を出したり近づかなければおとなしいのですが現在群れで殺し合いをしているようなのです」


  「なるほど、だが魔物ならほっとけば絶滅して平和になるのでは?いくら温厚だからといって人に危害を加えないわけじゃないだろうし……」


  「それがそうでもないのです、フレイムリザードの炎のせいで木々が燃えて木材が取れなかったり他の動物にも被害がでています。それに最近ではサラマンダーやグリフォンまで喧嘩に参加しているようでいつ近隣の村に被害が出るかわかりません」


  サラマンダーやグリフォンと聞いて興味が湧いたタクヤはホロをチラッとみたあと頷いたのを確認し依頼を受けることにした。


  「わかった、一応ヒッポグリフとフレイムリザードが普段巣として使っているような場所を教えてくれ」


  「はい、ヒッポグリフは大樹山の木ならほぼどこでも巣を作ります。鳥の巣と見た目は同じですが大きいので一目でわかると思います。フレイムリザードは土の中や洞窟に巣を作ることが多いです。ただサラマンダーやグリフォンも巣を作る場所は同じなので注意してください。特にサラマンダーは成長しきった個体ならB級下位の強さになります、ボアラさんを倒したあなたなら大丈夫だと思いますけど!」


  「買い被りすぎだ、あいつが油断しきっていただけだしな、もう行っていいのか?」


  「いえ、今回は水魔法が得意な魔術師を同行させるのが条件になっておりますので早速呼んできます……貴族の方ですがいい人です。少々真面目すぎる方ですが気にせず頑張ってください」

 

  請け負ってから家族の性格を言う受付嬢の悪女っぷりに苦笑しながらホロを見ると「私なら大丈夫です!」と笑顔で言ってくれた。

  オークのときから思っていたがこの世界の魔物は強い。サラマンダーやグリフォンには注意しなければならないだろう。


  奥から受付嬢とローブをまとった青年が出てきた。

  栗毛で短髪の真面目そうな青年だ。目は藍色をしており先っぽがサファイアでできた杖を持っている。

  青年はタクヤを一瞥すると嫌そうな顔をしていたがホロを見た瞬間わずかに顔を赤らめていたのは見逃さなかった。

 

  「お待たせしました。この方はクラーク・デュオル様、水属性の魔法を得意とする貴族のお方です。今回の調査を担当していただきます。クラークさま、こちらの冒険者の方はタクヤさんです。まだC級の冒険者ですが最近噂になっているボアラを倒したのは彼です。こちらの女性はホロさんでタクヤさんの従者?です」


  「ほう……君があの暴漢を始末してくれたのか。奴は我が国の恥だった故いつか私が始末してやるつもりだったのだが手間が省けた。礼を言う」


  クラークは感心したように呟いたあと礼を言ってくれた。彼の中でのタクヤの評価が上がったようだがチラチラとホロを見ている。


  「いえ、彼が油断しきっていたから勝てただけですので運が良かっただけです。今回はよろしくお願いします」

 

  頭を下げながら言うとクラークは頭を上げさせた。

 

  「そう畏るな、今は家族と平民だが外に出てしまえば一人の人間だ。今から任務が完了するまでは普段通りに接してくれて構わない、よろしく頼むよタクヤ君……もちろんホロさんもな」


  「はい、ではよろしくお願いしますクラーク様さん。タクヤ様だけの白狼人のホロです」


  ホロがそう言うとクラークは少しムッとした表情になったがすぐに無表情になった。


  「では早速出発しよう、時間は有限だ」


  性格が悪いと聞いたがとてもそんな感じはしないクラークに好感を持ちながらタクヤとホロも後に続いた。


  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


  「タクヤ君の武器と魔力は変わっているね、ここらでは珍しい感じだ。それにホロさんの武器も不思議な魔力を放っている、どこで手に入れたんだ?」


  「ホロの武器は鍛冶屋にあったやつをタダで譲ってもらった、俺の武器は……家族の形見だ」


  どう説明すればわからないので適当にごまかしなかまら鞘から神羅を抜く。クラークは納得したように頷いてくれたから多分信じてくれたのだろう。


  「美しい刀身だ。剣のような勇ましさはないがそれ以上に美しい。それにロングソードよりも長いな、君の攻撃に巻き込まれないようにしなければな」


  クラークは笑いながら冗談を言ってくる。

  魔術師である彼が剣士であるタクヤの間合いに入ってくることはないからもちろん嘘だ。

  見た目から真面目な印象しかないが冗談も言えるようだ。


  「迂闊に触れないようにな、そういえば気になっていたんだがクラークはなぜかの調査に来たんだ?水魔法が得意だからというわけでもないんだろ?」


  タクヤがそう聞くとクラークは真面目な顔になり口を開いた。


  「うむ、魔術の修行のために来たというのもあるが最近魔物の活動が活発化している報告が増えているんだ。この調査で少しでも活発化の原因が探れればと思って志願したんだ」


  「魔物の活発化……それは最近見かけたザンクやオークチーフも関係あるのか?」


  ザンクとオークチーフの名前を出すとクラークは驚愕の表情を浮かべた。


  「なんだと?!そいつらはここ数年ほとんど見かけなかった希少な魔物だ、そんな奴らまで近くに出てくるようになったのか……どうやら今回の調査も身を引き締めねばならんかもしれんな」


  また何かトラブルが起きるのか、俺は歩くトラブルメイカーか何か何かなのかと思いながら大樹山に到着するまでの二日間を馬車に揺られながら過ごした。

  何度かクラークがホロにいいよろうとしたがその度にタクヤ様一択と言って膝枕をねだって来たりタクヤを無理やり寝かせホロの膝に頭を乗せたりしたりと小さなトラブルがあった。


  ちなみにタクヤとクラークが会話をしている間ホロは魔術の矢を限界まで作り魔力枯渇で倒れるまで行い魔力量を少しでも増やそうと一人で頑張っていた。


  辛い!辛いですがこれもタクヤ様のお役に立つため!!……あとで頭撫でもらいましょう、自分へのご褒美が欲しいです!


 


 


 

 


 

 


神造武器……神が竜達との戦争で使っていた武器。どれもこれもチート能力を持っていたが覇竜には通用しなかった。ルガル王国では一部の人間と王だけが所有している。

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