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紅葉(くれないば)の記憶  作者: 伊豆野音美
1/1

生き廻(めぐ)るもの

ふと目を上げて 空が澄んで高いと気づく

風に揺れた枝から (あか)い葉が散る


舞い上がり 風にもてあそばれ 葉は落ちる

その一瞬に どれだけ出会いがあるだろう

そして 別離(わかれ)があるだろう


人は所詮 一枚の葉で 独りじゃ何もできやしない

ようやく逢えた奇跡さえ 風に吹き消されてしまう


たとえ、それでも…

雨になぶられ 風にもまれ 波に飲み込まれようと

少しでも上へ空へ 諦められるわけないだろ


自分の人生を他人(ひと)に決められるなんて

黙って見てろなんて 勝手すぎる


自分の道は自分で探す 手出しはさせない

それが悪いのか?



雨でも消えない 季節外れの蒸し暑さ

枯れかけた草の上に 陽炎が揺れる


遠くに捨てた 幼い記憶がその上に重なる

背より高い 草叢(くさむら)をずっと掻き分け走る

どこか 出口すらわからない


歪められ続けた生命(いのち)の輪 もう戻らない 何をしようと

あの時のまま あなたに逢えたら良かったのに


たとえ、それでも…

灼熱の道も 泥まみれの道も 断崖絶壁の道でさえ

少しでも前へ歩め 好きも嫌いもどうだっていいだろ


自分が弱くて傷ついていくことも

不器用な生き様なのも よく知ってるけど


自分のこと 嫌いになりたくてもなれない

それが悪いのか?



一枚の葉にすぎなくても 存在する意義がある

あなたは弱くない

傷ついても歩んでいく姿は

とてもとても強い意志があるから

繰り返される 過ちの渦にも きっと勝てるよ



たとえ、それでも…

雨になぶられ 風にもまれ 波に飲み込まれようと

少しでも上へ空へ 諦められるわけないだろ


自分の人生を信じるのは 

自分以外いないんだ そうだろ?


幸せの“カタチ”は自力で探すさ 決められるわけにいかない

たとえ一枚の葉だとしても 存在するなら

それが悪いのか?




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