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第三話
コノは、日の出ているうちは、森にまよわない自信がありました。
それに、日が出ていれば、クマを先に見つけて、そこを通らないことにする、ということもできました。
でも、それは、日のしずんでいる時には関係ありませんでした。
今は、月明かりだけがたよりなのです。
いくら、暗やみに目がなれても、そこまでとおくは、コノには見えませんでした。
それに、夜に森へは入ったことがありませんでした。
でも、ウルルは少しちがいました。
鼻で色々なにおいが分かったのでした。
だから、家のにおいも、クマのにおいも分かったのです。
コノは、ウルルに、「お家のにおいはわかる?」と聞くと、ウルルが歩きはじめたので、コノは、ウルルについていくことにしました。
(つづく)