地獄行軍(小屋の中)
よーし、準備は出来たかな?
もうすぐ囲炉裏の木が消えかかる頃僕たちはここにいた。
へやの4つ角。さぁゲームが始まる。
「これは凍死を防ぐための割と本気の策です。4つ角で次の角に人が来るまでで待って、背中を叩かれたら次の角っこに行く。簡単だろ?」
「回復とコートで凌ぎ切れないのかな?」
寒さでは凍えると思うけど?
「…まぁやってみよう。」
4つ角に移動する。俺→ロッサ→カンナ→ケモミミとなる。寒い。
「じゃあ僕から行きますよ」
いって軽く走り出す。小屋って言っても10m位範囲がある。ちょっとした運動。
すぐにロッサのモフモフを撫でる。「行け」
ロッサも駆け出した。動くと体が温かいな。
ロッサはカンナに。カンナはけも耳(娘)に。けも耳は僕のところに来た。来るわけない。ぐっと息を止める。どうやらルートに入った。さぁて誰かが気付くまで続けよう。
一睡もできなかった。すごい眠い。でも一種の結界は僕たちを守ってくれた。
「んぁー。一晩私も動き回ってたのは疲れたよ。体を温めるとともに覚醒を促す。いい運動にはなったかな。」
4人ともヘロヘロだけど僕が座りこむわけにはいかない。解決篇は探偵の仕事!
さて、解決篇を始めよう。ヨシ、いいな。
「さて前提状態として僕たちは死の危険にさらされていた。雪山の小屋で薪が尽きるほど燃やした人がいるからな。まぁ暖かかったけどね。結果として誰も殺さないためにさっきの運動をしたんだが何か異論がある?」
「アリマセーン。」「ないです。」「異論なし」
「んで、よーく考えてほしい。僕が起点だったんだ。起点をAにしよう。AからBに走った。Bの人もCに走った。CもDに走った。DはAの所に戻った。」
「簡潔に言うとそうだな。」
「そこ頭使って?」
おー3人が首をかしげている。と、最初に気づいたのはカンナだった。にわかに顔色が悪くなり演算をするように。もしくは確かめ算をするように。
「あ、あの。」
「正解!」
「まだ何も言ってないけど。」
「ほかに言いたくない。俺だって怖いけど仕方ない。過ぎたことだ。システムが認めた以上。これは事実だし、目論見通り多分フラグは折れた。」
「そ、そうだな。そうなんだな。」
二匹は分かってなかったので最後に教えておこうか。
「ヒントいる?」
絵を描くと分かりやすいよ。二人で考えてみて。
地面にぐりぐりと絵を描いて遅ればせながらも納得し、そして恐怖した。
「こんなことって!」「流石に嘘です!」
「目の前に起きた音が事実だよ。」
さて、賢明なる読者様にはお分りいただけただろうか。手垢の付いた話だがまぁ締めってのはおおよそこんなもんだろう。では、雪山遭難篇はここまで。栄光の宝さがし編を始めよう。




