雪山、その戦い。
主人公、君の本当の敵はどこにいるんだ…作者にもわからない行動をするな…。
二人が小屋の中に入ったのを確認して一気に浮遊魔法で上空へと飛び上がった。ミニマップからは目を離さず上空から一気に全体を見渡す。
そして発見する。白一色の雪山においては、それ以外はただの遺物にすぎない。今見えているのは小屋と…不審人物!
「てめぇかぁぁぁ!」
一気に急降下する。敵もナイフを構えて臨戦態勢だ。着地地点で交錯する。相手のナイフが刺さるが致命傷にはならない。その力はカンナの比ではない。
振り向きざまに十分に練りこんでいた火遁、彼岸花を相手にぶつける。燃え上がった相手が雪の中を転がって必死に火消しをしようとする。死なれると困るので蹴り転がす。ぶすぶすと煙を上げているがギリギリで生き延びているようだ。
「よう、ストーカー。僕たちの後を着けまわしてどういうつもりかな?場合によっては実力行使も辞さないつもりなんだけど。」
「いや、もうこっちは虫の息なんだが…。」
「うるせぇ、ネタは上がってるんだよ。キリキリ吐けよ。混乱じゃないな?認識に対する阻害か刷り込みか。とにかく、ろくなもんじゃないスキルを取得したようだな。PTを仲違いさせてバラバラにして一騎打ちってか。しかも相手はその時にはもうまともな思考能力はないってか。」
「全部わかってるじゃないか。なんで俺に確認取る必要があるんだ。」
「お前のせいで、立てたくもない死亡フラグを何戸建てさせられたと思ってんだ!もう回収しきれねぇだろうが!」
「いや、死亡フラグって…あんなもんあくまでただのフラグだろうが。しかも勝手にお前が言い出しただけで。」
だめだこいつは死亡フラグの重要性を分かってない。しかもコイツ自体は大したことない。情報も引き出せない。イライラしてきた。
「もういい、おわりだ。」
刃を立てたナイフが煌めく。相手は煌めく粒子のように消えていった。汚い花火だぜ。まったく。
とはいえ状況は改善していない。相手のスキルの影響下には無くなったが俺は死亡フラグを建てすぎてる。いつ雪崩とかに巻き込まれて死んでもおかしくない。そっと背中に背負ったもふもふを撫でる。ここで死ぬわけにはいかない。敵を倒して安心しているわけにはいかないのだ。何か手立てを考えねば。
いや、ここはあえてこう叫ぶべき場所なのかもしれない。そう思うと心が叫んでいた。
「僕たちの戦いはこれからだ!」
モブ君のスキルの影響が解けていないのか、本人の性格なのかもう誰にもわからない!
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