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エンデバーエンドワンスオンライン  作者: 言離 猫助
第一章。激動!雪山での爆誕!
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誇り高きコボルト族のロッサ

 茶色はモフモフだった!雪山の岩陰に隠れている丸まってぷるぷるしてる毛玉を二匹保護したカンナは満面の笑みを浮かべて僕に見せつけるように差し出した。


「いいだろー!もふもふだぞ!やらんからな。」


 別に要らなかったけどドヤ顔がムカつくから少し意地悪をしておく。


「いいけどね。それ生きてるんじゃないの?カンナの回復は力技だからそこの2匹と含めて3人分はきついんじゃないかなー??あー共倒れかー俺たちは死に戻りあるけどそいつらはどうかなー。」


 ぐっ、とカンナが言葉に詰まる。おー悩んでる。


「も、もう一匹なら回復魔法の回復が間に合う…一匹だけなら抱かせてあげても?」


「おいおい、フェアじゃないねぇ。親に教わらなかったか?自分で拾ってきた生き物の命を人に丸投げするのに抱かせてあげても?かい?」


「お、オネガイシマス…。」


「よしきた!」


 基本的に不平等条約を旨としてる僕はさりげなく?相手に敗北感を抱かせつつモフモフをゲットした。

 と、そこでカンナが抱いている方が目覚める。


「あ、え?に、人間だ!」


 慌てて逃げようとするがそれはカンナの剛腕。おいそれと獲物を逃しはしない。


「大丈夫だよー怖くないよー取って喰ったりしないよー。」


 それ余計に不安あおってるから。


「そこな、犬っころ。お前の仲間の命は預かっている。お前が逃げたらこいつはどうなるかな?」


 コートの内側に収納してぬくぬくにしている毛皮ちゃん2号を見せる。


「やっぱり人間は悪い奴だ。父さんの言ってた通りだ!」


 言いながらも大人しくなる。当然カンナの脈動回復が発動しているため体力的にも回復しているようだ。


「まぁ名前を名乗れよ。名前くらいあるだろ?」


「サングリア家の誇り高きロッサだ!コボルトの戦士…になる(予定だ!)」


 コボルト?どう見てももふもふの犬っころの毛皮にしか見えないがそのうち二足歩行で歩き出すのか?それは、ちょっと見たいな。脅迫方向から交渉へ方向をシフトする。


「これは失礼した。誇り高きコボルトの戦士ロッサよ。我々は見ての通りただの人間の冒険者だ。先ほどは言い方が悪かったがこちらのコボルト殿はこの魔法のコートで暖を取っているだけだ。寒さに対して耐性のあるコートでな。雪山で意識のない状態で倒れておったのだ。緊急処置ゆえに許されよ。」


 ちょっと偉そうに謝罪してみる。キャラを作ってちょっと大人びた感じで…


「そうか!それは失礼した。そうとは知らず恥ずかしい真似を…。」


 耳がちょっと垂れてシュンとしてる感じが激プリティ!


「後ろで貴殿に回復魔法をしていたのはうちの凄腕プリーストだ。こう見えて回復技においてはかなりの腕前だ。誇り高きロッサどのなら…どうするべきかは分かるはずだな?」


「うん、ありがとうお姉ちゃん!」


 素が出てるぞ可愛いワンコめ。カンナもデレデレだ。


「それでロッサ君はこんなとこでどうしたのかな?雪山は危ないよ?」


 僕のロールプレイを台無しにするカンナの甘々な猫なで声がすべてを台無しにする。


「あ、えっと…内緒にしてくれる?」


「勿論だよロッサ君。私は約束は守る女さ。」


 私たち、と言わない所が成長が見えるねカンナ。


「雪山にあるお宝を探してたんだ。そしたら寒さで動けなくなっちゃって…あ、村は雪山の裾野にあるグラシアス村なんだけど。そんなに離れてないよ。」


 重要な情報がボロボロ出てくる。ナイスだカンナ。そしてこれはクエストのフラグっぽくない?雪山に眠るコボルト族の宝…きたこれ!


「手掛かりはあるのかね、誇り高きコボルトのロッサ殿。」


「あ、はい。熊のお兄さん。僕のことはロッサでいいです。あと手掛かりはあります。僕たちはそれを目指してここまで来ました。」


 でかしたロッサ。いいフラグだ!


「ならば、われわr「私たちがお手伝いしてあげるよロッサ君!」


 何故か出しゃばってくるカンナ。


「大丈夫だよ私たちはここのボスが倒せるくらい強いんだから!」


「え…凍兎様を倒されたのですか?」


 顔がこわばるロッサ。まずいせっかくのフラグが。


「こちらとしても仕方がなかったのだ。急に襲い掛かってきてな。命を守るため…だったのだ。」


「そうでしたか、いえ凍兎様は忌み神さまでしたから。村の皆も感謝すると思います。」


 セーフ!邪神扱いだったか。これが守り神系だと目が当てられなかったな。まぁボスだからリポップする気がするけど。


「でも、そんなに強いんならすごく安心です。でも僕たちにはお礼できそうなものが…」


「お礼なんていいんだよロッサ君。私たちはロッサ君のお手伝いがしたいんだ。」


 黙れカンナ。ただ働きでもするつもりか。


「そのコボルト族のお宝以外の物は君たちには用が無いんでしょう?それで私たちは満足だから。」


 ここはこれで満足しとけってことかカンナ。仕方ない。その宝次第だがダンジョンならそこそこの宝も手に入るだろう。道案内にモフモフがタダで着いてくるとなればこのあたりが落としどころだな。


「そうだな、ロッサ。俺たちと一緒に行くか?」


「あ、はい!改めてよろしくお願いします!」


 ちょろい。クエストフラグ回収成功だぜ。

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