雪山縦断ウルトラダッシュ(後編)
流石にこの時間は眠い。書き溜めストックないよ…うう。頑張るよ。
うわー。しかし、全く一撃も喰らわずにボスを倒した。ペアPTで役割が決まっていて、相性がよくてもこんなことはめったにない。
といっても感慨に浸ってるわけにはいかない。リポップ時間も、周りに新しい敵が潜んでいても分からない。ここは脱出に向けて歩き出すべきだろう。
「じゃあ同じように私は下、アンタは上で警戒しながらいこう。」
「OKまぁ良い所まで行けるように気合い入れていこう。飽くまでトライアンドエラーだ。敗北は糧と考えるべきだ。情報収集な。きっと次に生きるから。」
「分かってる。よろしく頼むよバディ。」
そう言ったのが30分前、同じ方角に進んでいることは常に確認しているが、全く景色は変わらない。っていうか下のカンナちゃんが全く音を上げないので驚いていた。
寒くないわけなし、気力がやばいな。ステータスに現れない面での本人の気質が凄い。
なので僕から折れてみた。
「下はどう?寒くない?」
「寒いよ、芯まで凍えそうだ。でも体力は減らない。不思議な感覚だなぁ。私ちょっと感動してる。」
とはいえ圧倒的に精神的な消耗はあるはず。
「いいニュースが届けられればいいんだけど…。」
「ははは、こんなのは根気、それからトライアンドエラー、だろ?トライ中に口を出すのは野暮ってもんさ。」
一々男前な奴め。僕のほうがよっぽどメンタル弱いな。
「あと1時間して何も見つからなかったらちょっと作戦会議ね。途中で洞窟を見つけてもそうする。」
「いいよ、でもまぁ必要なさそうだ。」
?
疑問文を浮かべた僕のほうをちらりと見上げにやりと笑う。
「足跡がある。兎じゃなさそうだ。それに残ってる時点で相当近い。人だといいな?」
「人なら真っ先に切り掛かるなよ。ちゃんと理由もなく殴り掛かるのはやめよう。」
「分かったよ。分かってるよ。あんなのは人に会ってちょっとテンション上がっちゃっただけじゃないか。」
あぁ、あと。彼女は何気なく呟いた。
「あと、多分少なくても多かれ少なかれ時間が経ったらやっぱり山下りは成し遂げられるよ。」
雪解けの匂いがする。そんな春を待ち焦がれた獣のように彼女はにまりと口元に笑みを浮かべた。
ここまで全部の見直し完了しました。読了間を重視して少し読みやすく…なってたらいいなぁ。
次回、NPCとの邂逅。
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