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エンデバーエンドワンスオンライン  作者: 言離 猫助
第ニ章。大スノー域戦登録!
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明日の話をしよう

予約掲載を忘れてました、ごめんなさい。1時間遅れで投稿です!

 んー。娑婆シャバの空気が美味いー。ゲームとはいえ、毎日ログインしていた習慣をたった2日間休んだだけでこんな気持ちになるなんて、僕はこのゲームにどっぷり浸かってしまっているようだ。

 なーんて感傷は僕には似つかわしくない。僕は2日ぶりの雪山を駆けだした。そう、仲間たちの下へーー!!




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(パイロスターター視点)

 さて、準備は整いました。カンナさんとは(カンナさんとだけ)密に連絡を取り合っていたリコリスさんには付き合いきれません。と言うよりも元々が私達は宿敵同士。目の上のタンコブでしかなかった彼と一時的に手を組んだ「洞窟探索」は、とうの昔に終了しており、いつまでもあの男に付き合っている必要はありませんでした。そう、私達はファイアーシスターズ。燃やして、尽くして、おさらばです。


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(スカーレット視点)

 お、久々に妹の反逆心に火がついたようだ。私達は昔から対人戦を主戦場として戦ってきたPK屋さんだ。別にモンスターハントやクエストなんかも普通にやるけれど、やっぱり楽しいのは絶対に勝てないような馬鹿みたいな設定のBOSSモンスターを狩ったり、こっちと同等かそれ以上に強いパーティを相手取った殴り込みだ。そのためには事前の準備が必要になる。古来より3つの条件を無視した奴には勝利は無いとされている。天の時、地の利、人の和だ。これは天の齎す(もたらす)幸運は地勢の有利さには及ばない。だがしかし、地勢の有利さは人心の一致には及ばないというものだな。うん孟子さんの言葉だ。私は孟子さん結構好きだ。利を説くところが特に。

 私達、姉妹の和は言うまでもなくあいつらに負けてなどいない。そして今、あいつらもまた正道を行っているとは言えない現状だ。人の和は我らにあり。ならばこそ、次に地の利を受けるべきである。リコリスが千里眼で世界を睥睨する様に、忍者が事前の調査ですべての情報を精査する様に、リコリスと決闘をするに際してカンナちゃんが雪山にでっかいグラウンドを均したように。私達もまた地の利を受けるために全力を尽くすのである。具体的には私達のいつもの標語を活用するべきだろう。燃やして、尽くして、おさらばだ。


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(カンナ視点)


 リコリスからもうすぐ私たちの下に戻ってくると連絡があった。喜々として他のメンバーに伝えたが、どうやらファイアーシスターズは歓迎の意を示して模擬戦を行うようだ。2VS1だがまぁリコリスならいい勝負をするか、勝ってしまうだろう。カンナちゃんは手を出すなと妹の方に言われたため大人しくグラウンドに作った(併設してみた)観客席にて勝負観戦をしようとおもう。私が人力にて観客席を併設している間、ロッサ君に暇をさせるのは悪いし、私が好きで作る観客席を建造する手伝いをさせるのも申し訳ない(公私の混同は好ましくない。いや、別に公がこちらにある訳でも無いが)ので彼には昨日の続きをしてもらうことにした。自分が強くなる為に時間を使う。うん良い時間の使い方だ。さっそく荷物を袋に詰めてロッサ君に手渡す。いやぁ良い事をすると気分がいいな!


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(忍者視点)


 またカンナ殿がロッサ殿に重りを渡してグラウンドを周回させるという苦行をさせている…あれは嫌がらせ以外になにか意味があるのだろうか。極めた人間にしか分からない理由でもあるのかもしれぬ。君子危うきに近寄らず。拙者は恐ろしいのであの周囲には近寄らない。よって、炎を出して地面に穴をあけている姉とせっせと穴に布を被せて上に雪をそっと乗せる作業をしている妹の謎の共同作業現場を見学に行くことにしたでござる。素手で地面を掘り返して盛り土で観客席を建造するカンナ殿も大概だが、この姉妹も大概である。このPTの女どもは土木作業が好きすぎではないかな?


「せいが出るでござるな。お茶でもいかがかな。」


 二人は近づいて来て礼を言いながら、茶を飲み始めた。拙者ブレンドのこのお茶はMP回復効果がある。魔法を行使している姉の方は特に喜んで飲んでくれる。ちなみに拙者はリコリス殿ではないので仲間に毒を盛ったりはしない。面白いことになりそうな気配もなさそうでござるし。


「で、二人はなにを?」


「油断し倒して帰ってくるリコリスを罠にハメて1キルする。怒って飛び出してくるカンナちゃんを足止めしつつ戻ってくるリコリスを2キル。流石に3度目は慎重になって、表から戻っては来ないだろうから、ほどよく出来上がったカンナちゃんを打ち倒して3キル。あとはロッサ君を盾に戦域を離脱して気分よく雪山を降りるよ。そのために地の利を得ているのさ。」


 全く持って、気分良くない清々しいまでの悪役どもに拙者が愛想を尽かす…はずもなく、むしろ作戦の粗が荒々しく出ている点を指摘する。二人はそれを受け、作戦を練り直す。うんうん。悪役はやっぱり退場に際しても華が無いとダメでござる。この二人は良く分かっていて、だからこそ姉妹と組んで良かったと思う。さぁて、最後に雪山探索の締めに遊んでいくでござる。



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(リコリス視点)


 さて、ようやくカンナちゃん謹製のグラウンドが遠くに見えてきた。なんだかコロシアムのような観客席が一部作られているように見えるが…きっと気のせいだ。もしくは出来てても何も不思議ではない。暇だったんだろう。戻ったらまず、あらましを僕の口から説明して今後の話をする必要がある。いやぁ、昔はいけ好かないとおもっていた炎姉妹だがPTを組んでみたら意外と面白い奴らだったし今後も一緒にやっていくのも悪くない。きっと仲良くやっていけるしあの戦力は貴重だからな。


 少し早足で戻って、あと15分と言ったところか。僕はこれから話すべき内容を推古しながら雪道を往く。第一声はやっぱり、ただいまかな。それから僕はこういうんだ。


「明日の話をしよう」ってね。



いや、リコリス君側がのんき過ぎてギャップが凄い。大丈夫か主人公。


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