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エンデバーエンドワンスオンライン  作者: 言離 猫助
第ニ章。大スノー域戦登録!
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勝ったような負けたような戦い

あの、お久しぶりです。サボってたわけでは…いや、ごめんなさい。さぼってました。


今日から連載再開します!大丈夫、私やれば出来る子!

 戦いから得られる物はあっても勝敗から得られる物はない。


 父親の言葉だったような誰かの名言の引用だったような言葉だ。少なくても僕の言葉ではないな。僕だったらこう言うと思う「何か大切な物を戦わなきゃ得られない様な奴は、勝敗からだって何も得られないだろう。」ってね。実際、僕なんかは生きているだけで激動だ。じっとなんていられない状況で、日々得られる物の事なんて考えている暇なんてないってのに、まだこれ以上を欲するなんてのは甘えすぎだと思う。それこそ勝ち取れって話だ。


 んーと、何の話だっけ。そうそう、少し記憶が混濁してたみたいだ。僕はカンナちゃんと戦い勝利した。なんだか何ヶ月も前の話のような気までしてくるけどついさっきのはずだ。間違いない。


 ゆっくりと目を開く。四肢に力を込める。右手、左手、右足、左足。指先から手首、前腕、肘、二の腕、肩、足趾、踵、膝、股関節。動く…こいつ動くぞ!!なんちゃって。


 両手を地面に突っ張り、上半身を起こす。胸の辺りが少し吊る気がするが問題なく稼働する。


 その勢いで立ち上がる。ゆっくりと周囲を見渡すと、もうそこには誰もいない。紫に咲き誇る百合の花も存在せず、ほんの少し雪が被った手製のグラウンドだけがそこにあった。ここで、僕が全裸になって踊り出しても、誰も止める人間はいないのだ…!!!!


「いや、止めますよ?」


 足下で困ったような顔でこちらに語りかけてくる2足歩行の柴犬っぽい生き物。通称ロッサくん。いつからそこに?


「いや、今来たとこですけど。なんか小さな声でぶつぶつと呟き始めたと思ったら、突然僕が全裸になって踊り出しても誰も止める人間はいないのだ!!とか言い出したので見て見ぬ振りをしようかとも思ったんですけど。頭打ちました?お医者様呼びますか?」


 いや、僕は元々こんな感じだけど?って言うより僕的にはロッサくんが読心術でも会得したのかと思ってヒヤヒヤしたよ。


「その心は?」


 心も頭もないよ。いちいち僕の行動にオチを求められても困るんだよねー。


「ちょっと緩くなってません?」


 そうなんだよね。いや、僕もちょっと困ってるんだけど、ひょっとしたら僕はこの先不意打ち以外で負けることが無いかもしれない。


「そうなんですか?確かに今の戦い方なら…。」


 いや、違うんだ。今の戦い方を通じてはっきりと思い知った。5つ。あと5つスキルを獲得するだけで僕は多分さっき言ったみたいに、負けることが無くなってしまうと思うんだ。まだ、『理論上』なんだけどね。


「うはー。寒い寒い。負けてしまったな。おい、リコリス、たき火を頼む。」


 おや、お帰り。意外と怒ってない様に見えるねカンナちゃん。まぁ火に当たってお行きよ。


「あったけぇ…ロッサ君のもふもふと相まって、かじかんだ心が解きほぐされるようだぜ。仲間に良く解らん毒殺を受けた私の心がな。」


 それはいいね。カンナちゃんの冷たい氷のような心が温まるなら僕もたき火を出してる甲斐があるってもんだ。


「嫌味だよ。」


 知ってるヨー?


「なんだ、おまえ、なんかまた雰囲気が変わったな?」


 そうかい?ロッサ君にも言われちゃったんだけどそうかなぁ?


「なんか、緩くなった…いや、もともと緩かったが。あぁそうか。おまえ、今ちょっと冷めてるな?」


 …おおう。さすが番長様は審人眼が違いますねぇ。


「なんか見えちゃいけないもんでも見えたかい?それとも私とのバトルつまんなかった?」


 後者はまず否定しておこう。ナイスバウトだったぜ。僕の方が役者不足じゃ無いかとヒヤヒヤしたもんだ。つまりはまぁ前者だ。最強の武器は欲していても、無敵の防具は要らなかったんだよなぁ。絶対に敗北しない方法とかゲーマーからしたらバグの一環さ。冷めるどころの話じゃない。


「つまり、私との戦いでリコリスは最強の一端を掴んだのか。」


 そうなんだよ。うんざりする話だけど、この膨大なスキルシステムの組み合わせによる勝利の方程式を掴んでしまった。まだ、初めて数日なのに。超つまらないんですけど。


「…やめるのか?このゲームを。私とのバディは解消するのか?チームとして動いている忍者や、あの姉妹は?なによりロッサの件は。」


 落ち着きなよ、まだ辞めるなんて言ってないだろ?ロッサのクエストが終わるまでは抜けるつもりは無いし、自分の理論に穴が無いか確かめ算をするくらいは僕だってするさ。うっかり穴があるなんてのは日常茶飯事だし。いがいとミスのあるお茶目さんだぜ?


「そうか。」


 でもさ、これだけは覚えておいて欲しいんだけど。

 そう言って僕は大きく伸びをした。


『パーティなんてのは1クエスト毎に作り直すのが常識だし、同じメンバーと常に組み続ける事の方が珍しいんだよ。それは、離ればなれになっても覚えておいて欲しいけど、出来たら僕のアンニュイな気分を吹き飛ばすような、デカイ刺激が欲しいところだねぇ。』


 そう言って僕たちはゆっくりと観客席に歩いて行く。勝者も敗者も得るものの無い。苦み走った良い戦いだったと胸を張ることぐらいしか僕には出来そうに無かったけれど。


『で、おまえら、なんで僕たちが一生懸命戦ってたのに酒飲みながら焼き芋してんの?』


 即席メンバーと僕たちの戦いは続く。多分まだもうちょっとだけ。




わーたーしー書き置きないのにー連載再開とか言ってるー。


いや大丈夫です。やれば出来る子だって信じてるのでやります!YDKです!


 最近と言えば東京に行って来ました。良いホテルに泊まり、うまい飯を食い、人の金で酒を飲んできました。いやね、最初は押しつけられた嫌な出張だと思っていたんですが、ところがどっこい慰安兼ねた接待旅行でした。人生初の慰安される側!私が先生!



…え?レポート提出?聴いてないんですけど?3時間くらいのメモだけで原稿用紙4枚はきついって思いませんか?美味しかった朝ご飯の事書いても良い?あ、刺す?ごめんなさい。書きます。はーい!猫助レポート書きマース!!!

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