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21.再出発


「もしもし…ハジメ…?」

僕は受話器越しに、ゆっくりと呼んだ。


母さんと話した後、即行で五十嵐家に電話をかけた。電話に出たのは、恵里さんだった。

「ちょっと待ってね」と恵里さんが言った後、保留音の『ロンドン橋』が流れ始めた。陽気な音楽とは裏腹に、僕は緊張していた。


何て言おう…。


ロンドン橋の繰り返しが3回目の半ばになり、うっとうしくなってきた時、突如甲高いメロディーは止まり、その代わり沈黙が僕と受話器越しの相手の間に流れた。

そして冒頭に戻る。


「もしもし…ハジメ…?」

ハジメは何も言わない。僕は、ゆっくり深呼吸をした。

「昨日は…ごめん」

まだ沈黙。

ハジメの声が、聞きたい。

「僕…もう一度頑張ってみる。犯人を突き止める。だから…ハジメ。また、もう一度僕に協力してくれる?」

またまた沈黙。だけどさっきまでとは違い、ふっと空気が緩んだ気がした。


「おまえがやりたいんなら、俺達は何度でも協力するよ」

僕はその言葉に、不覚にも泣きそうになってしまった。

すると受話器の向こうから元気な声が聞こえてきた。

「光太! 良かった。私も協力するよ! 力になれるか分からないけど、でも私も出来ること頑張る。一緒に頑張ろうね」

明日花だ。


僕は、もうほとんど半泣きでやっと一言、


「ありがとう」


と、言うことができた。




翌日、僕は久しぶりのバスケ部の練習で、紫雨町へ。

練習は午前中に終わったので、ハジメの家にお邪魔して、ハジメの部屋で僕と明日花は、おばさん特製の冷やし中華をご馳走になっていた。


食べながら、昨日母さんと話したことを2人に話した。


「じゃあ、いいんだな?」

話し終わって、麦茶をすすっていた僕にハジメが聞いてきた。

「え、何が?」

「『礼子さんのため』に真犯人を突き止めるんだな?」

僕は麦茶のグラスを座卓に置いて、ハジメと明日花をそれぞれ交互に見た。

「うん。礼子さんのためって理由ができたから、もう平気だ」

「そうか」




礼子さん、僕はまだあなたのこと許せそうにないんだ。

でも、父さんのあなたへの愛を、母さんがあなたのために流した涙を、僕は信じてみようと思う。

僕は直接会ったことないからあなたのこと、よく知らないけど、でも、父さんのために、母さんのために、あなたを殺した真犯人、僕が絶対突き止めるからね!





光太は、ハジメのことを信頼しきってるのです。もちろん明日花にもだけど。だから、ハジメの声を聞くと、ホッとするんです。決してホモなどではありません。純然たる友情です。

光太にとって、明日花が元気をくれるのなら、ハジメは安心させてくれる存在なんです。光太は実に幸福者です。


光太は何気かなりスゴい奴だと思います。だって普通、父親の不倫相手のために何かしようなんて思いません。でも光太は、礼子さんのために頑張るって決めました。光太はこれで、また一歩成長したんだと思います。そんな彼を皆さんも暖かい目で見守って下さると嬉しいです。



休みの日に、一気に更新しちゃおう!って思ってこの三連休は頑張りました。更新したら、その分下書きを進めて、推敲して、更新して……その繰り返しでした。でもその分充実した休みになりました。また明日から頑張れそうです。今日中にもう一話くらい更新したいな〜なんて考えていますが、無理かな。宿題もまだやってないし(-.-;)

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