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16.容疑者1

お久しぶりです。学校が始まってから、随分更新が遅くなってしまって…本当にすみません。学期始めのテストは終わって、中間テストが二週間後にありますので、またまた更新が滞ってしまうかもしれませんが、頑張ります。出来たら、来月中に完結…できたらいいな。

小泉さんに何度もお礼を言って、丸江コーポをあとにした僕達。

次に向かうのは、表本町おもてほんまちの小林さんがバイトをしているコンビニだ。

川橋町から電車で2駅。表本町は、若者向けの店やデパート、飲食店が集まる高台市の流行の中心だ。




ビルの1回に入っているコンビニに、小林さんは勤めている。

お店の中に入ってみると、あまりお客さんはいない。

僕達は、キョロキョロと店内を見渡して小林さんを探す。資料に入っていた顔写真だけが頼りだ。


「ねえ、あの人じゃない?」

明日花がさす方向、お菓子のコーナーで品物の補充をしている男性。

間違いない。あの人だ。

「すいません。小林良人さんですよね?」

ハジメが近づいて話しかけた。驚いて顔を上げる小林さん。金髪に、耳にはピアス。つり目で印象はあまり良くない。でも鼻筋がスッとしてて、切れ長のつり目で整った顔立ちだ。なんか…怖くて、きれいな人だな。

「そうだけど。なに?」

立ち上がった小林さんは、とても大きくてヒョロっとしていた。


「僕達、中野礼子さんの殺人事件を調べているんです。少しお話を聞かせてもらえませんか?」

ハジメが正直に言った。こういう場合ってほとんどの大人は、

「子供の遊びに付き合っている暇はない!」とか言って、僕ら子供は追っ払われてしまう。でも小林さんは違かった。


「礼子のこと?君ら調べてるの?あと10分待ってて。そしたら休憩だから話してあげるよ」

小林さんはそう言って、店の奥に消えた。



10分後、僕達は小林さんと一緒に、コンビニの近くのファーストフード店に入った。


もう2時をまわっているのに、何も食べていなかったことに気付いた僕達3人は、それぞれハンバーガーとポテト、飲み物を注文してボックス席に座った。


「礼子のこと調べてるの? 君達が? どうして?」

小林さんは、ポテトをつまんでいた僕に問いかけた。

「えっと…」

理由を言った方がいいのかな。でも言ったら、自分は疑われてるって思って、話してくれないんじゃないのかな。


そんな風に心の中で迷っている僕を見かねて、ハジメが代わりに言ってくれた。

「彼は容疑者の1人、結城正彦さんの息子なんです」

ハジメは、本当のことをサラリと言ってしまった。

いいのかな…。まあ、ハジメが言ってもいいと判断したのなら、いいんだろうけど。

「君が結城さんの…。大変だったろうね」

「はい」

小林さんは、見た目とは全然違う、優しい良い人みたいだ。さすが名前が『良人』なだけある。


「それでお父さんの疑いをはらす為に?」

「はい。僕は、父がやったとは思えないんです」

「そうか。…結城さんも彼女の被害者の1人だからね」

「礼子さんの?」

僕は聞き返した。小林さんは

「うん」と短く答えた。「まあ、オレもその1人だよ。礼子って、ちょっと身勝手なところがあったから、色んな人に迷惑かけてたみたいだし。オレも色々あったよ。でも彼女、きっと寂しかったんだと思うんだ。オレは大学からしか知らないけど。彼女、いつもどこかうっすら、寂しそうな顔をしてた。だから、今は元気にやってるのかなって思って、頻繁に彼女のもとを訪れるようになったら、『言い寄ってる』なんて言われ始めちゃって。それに、新しい恋人もいるみたいだったからさ。安心したんだ。そしたらこんなことに…」小林さんの顔が曇った。礼子さんのことをこんな風に思ってる人がいたんだ。


「だから、君達には出来る限り協力してあげたいな」

「ありがとうございます」


ハジメは眼鏡を押し上げて質問を始めた。

「小林さんは、6日午後9時半まで友人のお宅にいたそうですが、そのお宅にはよく行かれるんですか?」

「うーん、そうだね。わりとしょっちゅう行ってるかな。その友達、稼ぎがいいからよく食事をご馳走してくれるんだ。オレ、いわゆるフリーターじゃん? だから、週に1回くらい世話になってるかな」

「そうですか。…では、結城正彦さんとは面識はありますか?」

なんでそんなこときくんだ?

「いや、無いよ。あ、でも礼子のアパートに行った時、チラっと見たことはあったな。かっこいい人だね、君のお父さん」

僕はちょっと嬉しくなって、少し照れてしまった。

「ありがとうございます」

小林さんは、自分の腕時計を見てギョッとした。

「おおっと、もうすぐ休憩終わりだ。ごめん、もう行かないと」

「いえ、大丈夫です」

僕が愛想よく答えた。

「また何かあったら、いつでも来てよ。力になるから」

そう言って、爽やかに立ち上がった。

「ありがとうございました。バイト頑張ってください」

「君達もね」

手をヒラヒラ振りながら、小林さんは去っていった。


「いい人だったね」

僕が言うと、

「うん」と明日花も答えた。

ハジメを見ると、何やら考えこんでいる。

「ハジメ?」

呼んでみると、ハジメは、パッと顔を上げていつもの様に眼鏡を押し上げた。

「何でもない。今日はもう帰ろう」

どうかしたのかな?



小林さんは犯人じゃないといいな。

僕は心の中でそんなことを考えていた。

前書きでも書かせて頂きましたが、完結は来月中には!が目標です。さすがに夏休みネタをズルズル冬まで続けられませんので。それに、一応次回作も予定してまして、その都合上、できたら来月中にと…。でも無理そう…まだまだ続きます。どうか、これからもよろしくお願いします。

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