表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/22

09.面会

祝・第10部分


 翌日の学校は、それはもう地獄だった。

ハジメには覚悟しとけって言われてたけど、ここまでとは。



 朝、僕が教室に入った瞬間、マイナス100℃の風が吹いてみんな凍った。

ゆっくりと自分の席につくと、隣の席の女子があからさまに机を遠ざけたり、ジロジロこちらを見てくる女子のグループもいた。

誰も話しかけてくる人はいない。


 さらに今日に限って2限目の技術で、ノコギリを使う授業だった。同じチームの奴は、みんな違うテーブルに行ってしまう。僕がノコギリを持つと

「ひっ」っと悲鳴をあげる女子や、

「人殺し! こっち来んな!」と、おもしろ半分でからかってくる男子。


 4時限目の体育のサッカーでも、わざと顔面にボールをあてられたり、足をかけられ転ばされたり、ひとたび僕がボールを持つと、みんなコートの端に逃げていく。


 先生も先生で、注意してくれるものの、やっぱり強烈なマスメディアには勝てない。それに先生だって、内心どんな風に思っているかなんて分からない。


 そんな最悪な1日の中で、たった1つの救いは、ハジメと明日花がいてくれたことだ。


他人と関わることに恐怖を感じる明日花が、僕を『人殺しの息子』と言った男子のグループのところに行って、

「そういうこと言わないでよ!」と怒ってくれた。もともと明日花は男子から人気があるので、そのグループは明日花の前では、僕の悪口を言うのをやめた。


体育の時間授業開始10分で、すでにボロボロになった僕をグラウンドから連れ出してくれたハジメ。とりあえず保健室でケガの消毒をしてもらって、その後は旧校舎のそばで授業が終わるまで、サボっていた。

 それに、五十嵐家はとても安心できた。

おじさんもおばさんも恵里さんも、変な気を使うでもなく、ごく普通に接してくれた。それが僕にとってどれだけありがたいものだったか。



 その次の日には母さんも退院して、2人でマンションに戻った。ご近所さんは、僕らがマンションの廊下を歩くたびに、窓や玄関のドアの隙間からジロジロ見てきた。


 そんな日が2日ほど続いた木曜日の朝、母さんが朝食の席で言った。

「今日、お父さんに会いに行かない?」


父さんは、高台市警察署の留置場にいる。多分疑いがはれるまで、そこからは出してもらえないんだろう。


「まだ、お父さんと会って話してないでしょう? あんたが行きたくないのなら、母さん1人で行ってくるけど…どうする?」


僕の心は決まっている。父さんに会いたい。そして、父さんの口からこの事件のことを聞きたい。


「僕も行く」


 学校を午前で早退して僕と母さんの2人で、高台市警察署を訪れた。

事前に連絡を受けていた、熊本警部さんが出迎えてくれた。


 警部さんに連れられ、よく刑事ドラマに出てくる様な、薄暗い面会室に通される。

ただ、まだ容疑者なのでガラスごしってわけじゃなくて、ちゃんと椅子と机のある、対面式の部屋だ。


僕らが椅子に座ってから5分ほどして、ドアが開いた。



 そこには、すっかりやつれた父さんの姿があった。

本当に進みが遅くて、すみません。まだ全然、殺人事件について書いてないので、イライラしている方もいらっしゃるかもしれませんが、もう少し、もう少しだけお付き合い下さい。

明日から新学期が始まって、更新するのが遅くなると思うので、出来る限り今日中に更新して、事件の詳細を書きたいと思います。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ