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二度とない十七歳

作者: 七草せり

「じゃあね、バイバイ……」


後ろを振り返らず、電車を降りた。


閉まるドア、ゆっくり動き出す電車……。


駆け足でホームの階段を降りた。



出会いは高校二年の時。


友達の彼氏の友人。


放課後、制服を着替え四人で遊んだ。

友達と彼氏、貴方と私。


三つ年上の大人な人……。


憧れが、恋になった。


「今日、どこ行く?」


金曜の午後の会話。


「海とか?」

「ありがち……。 でも、冬だし寒い」


何処でも良かった。

四人で遊べる事が嬉しかった。


「寒い! 早くファミレス入りたい」


十七の私達。

ハタチの彼ら。


車でのお出かけ。


「今度、 二人で会おうか」


貴方の言葉に胸が弾む。


彼の住む街まで電車で行く。


「二人だと、 何だか恥ずかしいね」


まさに青春?

それとも勘違い……?


何度か二人で遊んだ。


好きだと思った。

付き合えると思ってしまった。


「ごめん……。 付き合えない」


あっさり終わった。


「うん、 大丈夫。 私、 若いし」


泣くもんか。こんなの恋じゃない。


未練タラタラ……。


会いたい。


会えない。


「友達だよね?」

「友達。 変わらないよ」


ウソつき。友達じゃない。


「やっぱり、 好きなのかな……」

「諦めなよ……」


友達の言葉を聞く事はできない。


「最後。 最後に会って下さい」


きっぱり諦めよう。


忘れてしまえ。バカバカしいから。


「じゃ、 最後ね……」


電車に乗り、待ち合わせ場所へ向かった。


目の前の彼。言葉につまる。


最後。


そう決めた。

友達にも戻れない。付き合う事も

叶わない。好きな思いも消えない。


私の気持ちは何処へいけばいい?


帰りの電車。


私の家の駅。


彼はまだ降りない。


何か言いたい。


何も言えない。


電車のドアが開く。


これでバイバイ。


急いで階段を降り、立ち止まった。


電車の動く音が聴こえる。


二度とこない、十七の想い。





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