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僕は双子に恋をした

時は流れ僕は小学校中学年になった。この頃の僕には彼女がいた。この時の彼女は顔も名前も今でも覚えている。彼女とはもう交流すらできていないが、それでいい。一番傷ついているのは彼女の方で、僕は加害者側なのだから。

当時付き合っていた彼女は双子だった。そしてその片方とお付き合いしていた。その女の子が低学年のときに初めてキスをした相手かと言うと断言はできない。なにせ僕の記憶と父が話す記憶があまりにも違っているのだ。父の話では当時最初に僕が好きだったのは双子のもう1人の方だったらしい。その子に手紙を渡すために双子のもう1人にお願いしてやりとりをしていたそうだ。しかしやりとりをしているうちにその手紙を渡すよう頼んでいたその子の方が好きになってしまったらしい。そしてその子こそ僕が中学卒業までお付き合いすることになる彼女である。このことが事実なら僕はとんでもないクズ野郎だ。もしかしたら倉庫でのキスの相手はこの双子のもう一人の方だったかもしれない。でも今の僕は思い出せないし確認のとりようもない。しかも父の話のこのことを僕は覚えてすらいないのだ。正直僕はこのことを否定したい。でも何かが引っかかっていて完全に否定しきれない気がする。でもこの後悔をするようになったのは僕が大人になってからだった。

当時の僕はそんなこと一切思っていなかった。

ある意味素敵な時間だったと思う。この時も僕は嘘をつけず、友達に話してしまい、校内では知られたベストカップルの一組だったとは思う。しかし彼女の意向もあり、できるだけひっそりと恋人関係を続けていた。そして月日は流れ僕らは中学年になった。そうすると体の成長もあいまって僕は2つの事件を起こしてしまう。1つ目は彼女には関係ないので省くが、僕の人生においてはかなりのターニングポイントたったと思う。

そして2つ目、これが彼女と別れるきっかけの事件になると思う。

それはとある授業に起きた出来事だ。その日は珍しくパソコンを使った授業だった。僕は張り切って考えてきたニックネームをなれないキーボードで入力していく。そう、この時出席番号などではなくニックネームを自由に入力してよかったのだ。特に僕は当時家にパソコンなども無く、インターネットに触れてこなかった反動か、変わったニックネームを何個もつけていた。そして異変が起こる。面白がった不良グループの1人がこのニックネームの犯人探しを始めたのだ。次第に犯人探しは進んでいきついに僕が特定されてしまう。その時何を思ったのか、不良のその子の言葉に対しチャットを打つかのようになれないキーボードで文字をうち反論を始めたのだ。普段言葉では絶対に対抗できない不良相手。しかし、文字ならできてしまった。そしてそれを読みヒート・アップしていく不良、ついに暴力沙汰になりかけたのだ。さすがにほかの生徒たちが不良を抑え、その間に一旦避難しろと言われ、僕は言われるがままその教室を後にした。少し廊下を進んだとき、後ろから彼女が心配してきてくれた。とても優しい素敵な彼女だった。でも当時の僕は自分を制御できずにいた。だから彼女を傷つけたくない一心で最悪の言葉を言ってしまった。

今の僕は何をするか分からない、だから僕から逃げたほうがいいよ。

当時のことは曖昧な記憶でなんとなくでしか覚えていない。でもこの時の言葉だけは鮮明に覚えている。この言葉が彼女にとって引き金になったのだろう。しばらくした後卒業を前にして別れ話を切り出され、卒業式当日きっぱりと僕はフられた。でも僕が悲しむのは許されない。僕が一番彼女を傷つけてしまったのだから。だからこれから先一生僕は彼女に償えないというこの後悔を抱えて生きていく必要がある。なぜなら彼女は僕の初恋の相手かすらも分からないのだから。

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