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常識

作者: だてま

私はふと、とある歩道にいて、歩いている。左右の脚を交互に動かし、前進している。歩道のある道路は車道と歩道がブロックで仕切られていて、柵もある。車道の路肩は綺麗だが、アスファルトにはヒビが入っている。車は法定速度とは到底思えない速度で私を追い抜いていく。ゴムの変形する音と、エンジンの音、空気をかき分ける音がいっしょになって遠くなっていく。私は歩道の中央よりも左側をいつも歩くようにしている。交通規則がおよそそうなっているからだ。たまにだれかと対面する。そんな彼らは私とは違うルールにのっとって歩いている。以前はそう思っていた。違った。彼らのルールは「車道は歩く場所ではない」という程度で、歩道を歩いていればそれで良いのだ。進行ライン、脚の筋肉の使い方、交互に出る足のテンポ、視線、信号待ちの位置これらはどうでもよいものだった。決まりはなかった。よって、教えてもらう必要もなかった。それを彼らは常識と呼んでいた。

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