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『酒乱』というゴミスキルで追放された俺、実は酔えば無双する最強勇者だった 〜美少女たちとスローライフ…を目指してたのに、記憶にないけど目が覚めたら相手をボコボコにしてたので英雄に祭り上げられる件  作者: あいだのも
第八章 転生者による反乱のロマネンド

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第八十二話 窮鼠猫を嚙むけれど相手次第では焼け石に水

――王城・戴冠式会場の上層部。

祭壇の轟音と崩落の余波がまだ地鳴りを立てる中、王都は混乱の極みにあった。

廊下には逃げ惑う群衆、騎士の叫び、遠くで続く火の音。

だがその最深部に、第一王子は鎧を乱しながら

震える指で、古びた石の盤を指した。そこには古代文字で何かが刻まれている。


第一王子の顔は青白く、しかし目には狂気の光が宿っていた。

彼はゆっくりと盤へ歩み寄り、荒々しく上着の内を探ると、小さな鍵のような装置を取り出した。装置は金属と黒曜石が混じったような不吉な輝きを放っている。


王子は笑った。それは勝ち誇った笑みでも、敗北を認める笑みでもない。断絶と絶望の笑みだ。

「そうだ。処刑されるくらいなら、この国もまとめて葬ってやる。

王座に座る資格などない者どもに、この世界を渡すわけにはいかない」


盤の中心に装置を差し込むと、古代文字が血のように赤く染まり始めた。

空気が変わる。

壁のひび割れから青白い光が湧き、空間がひんやりと冷えていく。


「やめろ!」叫ぶ声が暗闇を切った。

「お前はまだ救える――!」


王子は振り向きもしない。ゆっくりと、しかし確固たる口調で言う。

「救い? くだらぬ。俺は王になるために生まれ、王であるために手段を選ばなかった。

だが、処刑される屈辱を受け入れるほど愚かではない。ならば――全てを燃やすのみだ」

彼の瞳には、もはや正気の色はなかった。王になれないのなら、全てを破壊する。

それは、選民思想が歪んだ果ての、純粋な破壊衝動だった。


盤の刻印が次々と光り、床から古代の機構が目覚める。

石柱が軋み、彫刻された紋様が一列に動きはじめる。

空気は金属が焼けるような匂いに満ち、遠くで何か金属音が連打する。


王子が機構の中心で両手を掲げると、盤の光が彼の身体を包み込んだ。



「ここで終わらせる。」王子は叫び、装置のスイッチをひねる。

一瞬の静寂。次いで、低く長い警報のような音が空気を切り裂いた。


「やめろぉぉおお!」

必死な博史を見て、王子はにやりと笑い、その胸元からもう一つ、小さな符のような板を取り出した。

盤に押し付けると、装置は最後の起動を告げるように赤く燃え上がった。

「全員、道連れだ。王の俺が死ぬなら、お前らも道連れにしてやる!」


装置は臨界を迎え、祭壇全体が古代の光を解き放つ。

広い空間が共鳴し、壁が粉砕され、亀裂が街へと広がっていく。

床下の鎖が断ち切られ、未だ眠る付随する兵器群が目覚める。

存在するだけで大気を切り裂くほどのエネルギーが放出され、温度と圧力が急上昇する。


王子の笑いは止まらない。彼の目に迷いはもうない。

装置の光がピークに達すると、王子は自らの胸に手を当て、かすれた囁きを漏らす。

「これが、俺の答えだ――新しい秩序のための浄化だ!」


(どうする..

酒を一気に飲めば助かるかも知れないけど..)

博史にアメリコでの出来事が蘇る

目の前でブランが殺され

怒り狂い…ヴァンパイアを惨殺し

そして、仲間のキリヤをボロボロにしてしまった


酒が我を失わせ、大切な仲間を傷付けてしまった


あれから無意識に酒をセーブするようになって『酒乱』のスキルは発動しなくなった…

..俺はここで酒を..飲んでいいのか..?



一瞬、世界が白に吞まれるかと思うほどの光が炸裂した。

衝撃波が全方向へ走り、石の柱は粉砕され、鉄の装甲は溶け、広間の外にいた者たちの叫びはそのまま断ち切られた。

空気は炎に変わり、地が裂ける。


(くそ、皆死ぬくらいなら飲んでやる)

博史が酒を飲もうとしたその時だった。


「……赦しを、光よ」

マリーの声が響いた。


祈りと共に、白い光が彼女の全身から溢れ出す。

それはまるで祭壇そのものを覆うような柔らかな輝きで、赤黒く荒れ狂う古代兵器の光と激しくぶつかり合った。


「な……に……!?」

王子が目を見開く。


轟音。

赤と白の光が衝突し、数瞬、空間が歪むほどの衝撃が走った。

だが次の瞬間、赤黒い光はすべて白に呑み込まれ、霧のように消え失せていった。


装置は沈黙し、古代兵器の機構は動きを止めた。

空気は静まり返り、何一つ破壊されていない。


「……馬鹿な……俺が……俺の兵器の力が……!?」

王子の絶望の叫びが、崩れ落ちるように響いた。


「危ないわねー

こんな古いおもちゃ使わないでよー

マリーの魔力がすっからかんになってしまったわー

早く男で補充しなきゃ、きゃは」


王子は膝をつき、力なく嗤った。

「……こんな、屈辱が……あるか……」

彼は崩れ落ち、その姿は二度と動かなかった。


祭壇に残ったのは――

倒れた王子と、力を振り絞ったであろうマリー、そして呆然と立ち尽くす博史とブラン。


「……よかった」

博史は荒い息をつきながら、静かに酒を下ろした。


破滅の光は消え、国は無傷のまま残された。




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