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「酒乱」スキルで異世界生活!? 記憶をなくしたら勇者になってました  作者: あいだのも
第一章 ロマネンド王国
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第七話 酔っぱらって王宮に忍び込んだら捕まります

ギルドの扉を開けると

受付のお姉さんが笑顔で迎えてくれた。


「やあ、お姉さん、今日は簡単な任務ありますか?

何を言われたって討伐任務は行かないからですからね」


「キャロットよ…

あなた達はこれからも付き合って行きそうだから

名前で呼んでもらえると嬉しいわ」


なんともまあご褒美展開だろうか

あれほど色々とお世話になっている

キャロットさんの名前呼べるなんて

とはいえ、俺に気の利いた口説き文句など出てくるはずもない。


「キャロットさん!

是非今晩うちで一緒にお酒…うぎゃ」

キリヤが腰を振りながら言いかけたところで、

マリーの守護霊のような魔法の巨大な拳が

キリヤを床にめり込ませた。


「キャロットさん、ごめんねー

場をわきまえないアホはほっておいてねー」


はぁとブランもため息をつく


マリーもブランもいかにも常識人ですみたいなことを言っている

あれ、マリーはだしもブランは盗賊ってだけで

ちゃんと常識人なのか?

今日のブランのTシャツの文字は『それでも私はやっていない』


「いえ、キリヤさんがクズなのは皆知っていますので

今更何を言われても誰も相手にしませんので」

キャロットさんの辛辣な言葉に

床のキリヤがピクッと動いた気がした。


「キャロットさん、今日の任務は?」


「ああ、そうでしたね博史さん

ちょうどこの書類を王宮に届けて頂く任務がありますので

あなた方に言って頂いた方がスムーズだと思います」

なんだろう俺らの方が良いおつかいなんて


「分かりました。これを王宮に届ければ良いんですね」

俺たちは書類を受け取り、王宮へ向かった。




王宮の入り口にて封筒を衛兵に渡すと

「博史様一行ですね

まさか直々に来て下さるとは

王女様から教皇襲撃の防衛報酬が出ています

生憎ですが王女様は隣国へ訪問なさっており夕方まで不在ですが

受け取って帰られますか?」


報酬…?

いや、そんな大層な事したつもり…

「はい、貰って帰ります・る・わ」

マリー、キリヤ、ブランは声を揃えて返事をした。


「ブランにも出ているのか?」


「あ、…はい確かにブラン様のお名前もありますね」


「ブランは何もしていないだろう?」

とキリヤが言うと


「いいじゃんいいじゃん、あたいらはもう一心同体パーティなんだし

どうせ、あんたらの報酬は飲み代に消えるんだろうし」

確かに…


「それでは奥へどうぞ」

衛兵の方が門を開けて中へ入れてくれる


「今日はパァーリィだな博史」


「そうだなキリヤ、今日はぱぁーっと飲もうぜ」


「アンタらいつもパァーっと飲んでいるでしょ」

ブランが呆れ顔でついてくる



――――――――――――――――――――――――――――――――――」




気がついたら裸で大きな木製の拷問台に括りつけられていた


まず鼻を突いたのは血と汗の混じった鉄のような匂い

石の床は冷たく、

ところどころに赤黒い染みが広がる部屋

灯りはほとんどなく

壁に取り付けられた数本の松明が揺らめく炎を放っているだけ

俺…拷問されていたの…?


近くにはクリスの衛兵ダークチョコレート色の獣族の女性

フローレンが自分の槍を大事そうに抱いて寝ている

敵の気配は無い…

え、え、どんな状況ですか…


か、金…

辺りを見渡すと

机の上に俺の服と金が綺麗に畳んで置いてあった。

良かった、金はまだある。


童貞がいきなりこんなプレイなんて

いや、それよりなんで彼女がここにいて

このようなことをやっているんだ


俺は結ばれた拘束をなんとか取ろうとしたが

全く取れる気配が無かった


「ちょ…そこの…」


フローレンは起きる気配がない

くっ…どうするか…


「き、キリヤ!

居るんだろう!?

この、拘束をほどいてくれ!!」

そう言うと部屋の奥からマリーがやってきた。


「え、え、え、マリー…?

ちょっ…

み、見ないでくれる…」


「マリーじゃなくてマリリンって呼びなさい

博史くんやっぱり昨日の事覚えてないのねぇ

最高の夜だったわぁ

彼女との相性もバッチリぃ

マリリンこうゆうのにもハマりそう」

昨日の事を嬉しそうに思い出しながら

顔を近づけて俺の秘部を覗き込むようにいう


「え、マリリン…

何…ちょっ…ほどいて…」


「あらぁ、そうゆうのもマリリン興奮するわねぇ」

そう言うと顔に手を沿えながら赤らめた


「おっとマリリンしっかり

パーティーで身体の関係を持つとややこしいことになるんだった」

と自分の顔をペシっと叩くと普段のマリーの顔に戻った


ってことは身体の関係では無いってこと…

一体何があったんだ


「キリヤ!

もういいわぁ」


「なんで俺はこんな役回りなんだ…」

と奥の部屋からキリヤが出てくる


「あんたはセーブが効かなそうだからよ

あとブランの拘束は強すぎて

マリリンじゃ切れないから切ってあげて」


「けっ お前が羨ましいぜ」

キリヤが腰に掛けている剣を抜きシュっと振ると拘束が解けた

本当に羨ましいか…この状況…


「それで何があったんだ?」


「昨日は」

キリヤが語り始めた。



―――――――――――――――――――――――――――――

【昨夜の回想】



王宮で報酬を貰った後


その報酬を手に結局いつも通り

いつもの酒場で楽しく飲んでいたんだ

4人で飲んで居たのが段々と広まり

酒場全体で盛り上がるのも毎回の事になった


その一人、冒険者ボリスの悪ノリ

「クリスが暇しているだろうから

バレずに王宮に忍び込もうぜ!

夜の王宮に潜入するってなんかワクワクするだろう?」

って言葉に皆が心躍り王宮へ行くも


酔っぱらいが王宮に忍び込んでバレないはずもなく

みんな捕まりかけた


衛兵の一人がフローレンを呼んできて


「あなた達って…

もう刺し♥て良いわよね」

フローレンが槍をドンっと地面に突く


「マリリンに任せなさい

獣族はプライドが高いのよ」


仁王立ちで威嚇するフローレンの横から肩を組み

「一緒に飲みましょう?」

と声をかけた


「…なめてるのか?」

マリーの喉元に槍の穂先が突きつけられる。


マリーは動じず

「あら、獣族は酒に強いと聞いたが嘘なの?

あ、そうなの貴方は獣族の落ちこぼれなのね」

と挑発した。


「なにをぉ?」

簡単にフローレンは簡単に挑発に乗ってきて

周りの衛兵が止めるなか

二人の飲み比べが始まった。


流石は獣族

みるみるうちに器が空になっていったが

マリリンもペースを落とさない


ただ喧嘩発端の飲みくらべといっても

黙って飲んでいるわけではなく

会話があり、二人は下ネタで盛り上がっていた。

「どんな男が好みなの?」

マリリンが聞くと


「刺し♥ても壊れない男」

下ネタに聞こえるが

決して下ネタでは無くリアル…

なんともえげつない好み


「男が刺してマリリン達が刺されるのよ」

マリリンも下ネタで返すと


「私は刺し♥たいんだぁー」

酒を飲み干した器をドンと地面に叩き置く

空になった器にすぐさまボリスが酒を注ぐ


「マリリンは性癖じゃなくて恋愛の話しをしているんだけどね

でもマリリン達なら貴方の願い叶えてあげられるわよ」


「本当か♥」

フローレンが座ったまま左右にしっぽをブンブン振る


「ええ、マリリンは回復が得意なの

そして刺されても簡単に死なない人が…」


「俺様の事かぁい?」

別卓(地面)で飲んでいたキリヤが呼ばれたかのように行くと


「キリヤはだめね」

マリーの神の手がキリヤを引っぱたくと壁にめり込んだ


「博史ぃー」

そこで意気投合し

フローレンが突き刺し

エリリンが回復する

二人の中で無限のWin-Winが生まれた


ただ常人だったら刺すと痛がり、最悪死んでしまう


そのときに博史に白羽の矢が立った


ブランだけは止めていたが

博史が満更じゃなさそうな顔をしていると

ブランは怒って博史を拘束だけして帰ってしまった



――――――――――――――――――――――――――――――――――


【回想終わり】



これは俺は怒った方がいいのか、

喜んだ方がいいのか

泣いた方が良いのか


「それにしても何故ブランは怒って帰ってしまったのあろうか

俺何か悪い事をしたのか」


「…マリリンし~らない」



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★



【キャラクターデータ更新】

キリヤ レベル: 14

ブラン レベル: 47

フローレン レベル: 58

クリス レベル: 38

マリー レベル: ?

「良かった」と思ってくださったら

是非ブックマーク、★★★★★をお願いします。

筆者が泣いて喜びます。


その他の作品も読んで頂けると嬉しいです。

【最恐オーガは他種族女子と仲良くなりたい】

【囚われ姫は魔王に恋をする】

https://ncode.syosetu.com/n1925ii/


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