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第六話 俺は酔って乱れるなんて信じない

ギルドの重厚な扉を開けると

修道士姿のマリーが待ち構えていたかのように話しかけてきた


「聞いたわよぉ

教皇相手に大暴れしたらしいじゃないのぉ

博史ったらあのぽんぽこタヌキの黒い噂なんてどこから仕入れたの?

マリリンも参加すれば良かったわ」

と修道士姿のマリーが話しかけてきた


「なんだお前マザーのクセに教皇嫌いなのか」

キリヤが煽るように聞くと


「あんなクズタヌキ好きなやついる?」

とあっさり正論で返された



「それで今日はどうするのぉ?」

「また金が無くなったから簡単な任務で今日宿代を稼ぎに行く」

「宿じゃなくて飲みではなくて?」

「…そうともいう」

「マリリンも行くぅ」


「本当に俺らのパーティに入るのか?」

俺が尋ねると、そこに新たな声が加わった。


「お、ダーリンじゃないか任務かい?」


「ブラン!昨日はどこ行っていたんだ?

てか、本当に冒険者登録したのか?」

「ああ」

そう言うと冒険者カードを見せてきた


 体力  28

 腕力  13

 魔力  17

 防御力 12


「意外と数値は平均的だな」


「適当に誤魔化したからね

レベルもスキルも自己申告だし

カードを作る時に全力出さなきゃ

これくらいのカード作れるわ」

そうなのか…

俺は全力でやって

ブランより大分下だったから

才能無いんだろうな


「あら、また気が合いそうな人が来たわねぇ」

マリーがブランを見て言う


「ほんとか?お前ら会ったら

喧嘩するぐらい気が合わないかと思っていたぞ」

マリーと気が合うってどうゆう事だろう

彼女ほどぶりっ子というか

底が見えないというか女は見た事が無い

そもそも女を知らないからかもしれない

女は魔性というからな


「誰このマザーさん?」

「ああ。ブランは初対面か

同じパーティのマリー」

「マリリンって呼びなさい」

「マリー…さん」

「マリリンよ」

「オバリン…」

キリヤがそう呟いた瞬間、

マリーの魔法がキリヤを裁き黒焦げにした

ブランの目が点になる


「お互い協力して良い関係が築けそうねブランちゃん」

脅迫じゃないのか…?


「おい!

博史は強いからブランのストライクゾーンだとして

何で俺は二人ともダメなんだよ」

黒焦げのキリヤが抗議する


「性格を抜きにしても、

あんたは一番運ないかもねい」


なんでお前ら俺の高いの…

数値見たでしょ…

俺がダントツで最下位ってことを


「あのー

受付の前で長く話されていると他の方に迷惑なのですが

あと、冒険者カードの不正も聞き捨てならないのですが」

受付のお姉さんの声で、俺たちは我に返る

今日の受付のお姉さんは何故か胸の下のあばら辺りに目が行く

服装もいつもと違うわけではない


だが、胸の下のシャツがしわしわっとなったところがやけに色っぽい

胸でもくびれでもないだが

それらの柔かい所を支える固さとシャツの上からでも感じられる




「あ、すみませんお姉さん

お姉さん、今日も簡単な任務ありますか?」


「はい!丁度、Bランクモンスターの任務が」


「ダメダメ、Bランクなんて!

Eランクとかがいいです!」


「この四人でパーティー組んでるなら

もうAランクとかやってもいいと思うんですけど…」


「いいんです!

簡単なのが良いんです!」


「うーんと、あ、ありました

Eランクで人数必要なやつ」


「ほんとでしょうね?」


「流石に任務内容を偽りはしませんよ」


「えーとなになに、牧場で牛の世話

いいねこれにしよう!」



「マリリンはぁ、おウシさんのおっぱいもぎゅもぎゅしたーいー」


「げ、冒険者がウシの世話なんかしたくないー」

マリーとブランが意外な反応を示す。

マリーはこうゆうの嫌い

ブランははっちゃけてやりそうだったが

真逆なのか…?


「マリー、ウシの世話好きなのか?

ぶりっ子はこうゆう任務

嫌いなんだと思っていた」

俺の心の声を、キリヤはトゲを増やして口に出した


マリーはぷくっと膨れ

「マリリンはぶりっ子じゃない、

マリリンはマリリンだもの」


「お、おう」

キリヤもこれ以上突っ込んではいけないと

危険を察知したらしい



牧場に着いて任務を始めると

ブランが嫌がっていた理由が分かった


ウシの乳を絞れば顔にぶっかけ

歩けばフンを踏み

ずっこける


平たく言えば不器用


思い返してみれば

拳銃をキリヤにめちゃくちゃにぶっぱなしていたらしいけど

一つもキリヤに当たっていないかったんだよな

キリヤの剣技が凄かったのかは覚えてないから知らないけど


「任務って討伐じゃないのー?」

半泣きで任務を行うブランをマリーが手助けする

意外だが、見れば微笑ましい

なぜかしっくりくる光景だった



「はいこれ約束の報酬ね!

あと、うちの牛乳とチーズ良かったらお食べ」

牧場主からお土産まで貰い、俺たちは上機嫌でいつもの酒場へ向かった


「ありがとうございます!

今夜のいいツマミ貰ったな」


「ああ、いつもの酒場で飲もうぜ」



―――――――――――――――――――――――――――――――


目が覚めた

今回は冷静に周囲を確認する。


今回は冷静に周囲を確認する。

俺は酒場のテーブルに突っ伏しており、

隣にはブランがいる

マリーはいない

おそらく、また誰かをお持ち帰りしたのだろう

周囲にはいつも通り、冒険者たちが転がっている

うむ、問題なさそうだ。


「おう、博史起きたか」


「キリヤ、今日は何も問題無かったんだな」


「問題、まあ、いつもに比べたら大したことではないか

博史、お前オーガを倒したんだぞ」


「はぁ?

皆で飲んでいただけだろう?」


「初めはそうだったんだがな」

キリヤは、またもや俺の記憶にない武勇伝を語り始めた。



――――――――――――――――――――――

【昨夜の回想】


初めは、血と泥だらけの「ほら吹きのミジム」が酒場に現れたのがきっかけだった。


「だ、誰か助けてくれ…

ボリスが魔物の巣に閉じ込められたんだ!」

俺ら冒険者は死ぬのは珍しくない

それに良くミジムはこの手の嘘をついては

場を混乱させ一人楽しむような奴

だからほら吹きのミジムと言われている


誰も相手にしなかったんだが

急に酔った博史が立ち上がった


「博史、行くのかよ?」


「悪ノリのボリスは、クリスの時から教皇の時も

飲みには全部参加していた

パーティじゃなくても

仲間だ

助けに行くぞ」

そう言って、お前は一人で出て行ってしまったんだ。


ボリスが毎回参加していたなんて

よく覚えていたな

シラフだったら迷うな


もちろん俺らも後を追った


聞けばボリスが受けた任務は

俺らが断ったBランク任務だそうだ

ちょっと背伸びして討伐任務をやったから

このようなことが起こる


俺らも同じ目に合うのかと思っていたら

俺らのパーティーは思ったよりかなり優秀らしく

悪ノリのボリス一行が苦戦した道を難なく進み

あっという間に大泣きのボリスを救出してしまった。


マリーが回復魔法を恍惚の表情で掛けて

いざ帰ろうとした時


その男は立っていた

赤い肌に真っ黒い目

金色の角を生やした

身長5メートルはあるかという大男

「オーガだ!逃げろぉー!」

ボリスが叫ぶと同時


「うぉおおお!」

オーガが咆哮すると

ボリス一行は気絶した


プレッシャーだけでB級冒険者を気絶させるオーガ…

間違いなく討伐ランクはS


「クリティカルバインド」

ブランが唱えるとオーガは魔法で拘束された

ブランが銃弾を放つが

カキン、カキンと金属同士がぶつかるような音が響き渡った

「固い…」


その隙に、キリヤが腰に掛けた剣で切りかかる

「ジャスティス!」

だが、オーガはでかい図体のわりに素早く

拘束されたまま足だけ一歩引くと

キリヤの剣は空を切った


間合いを完全に分かっているかのように

キリヤの剣はブランの拘束に当たってしまった


「くっ、弾かれる…」

ブランがそう言うとオーガの拘束が解け

そのまま右手に持った棍棒でキリヤを殴り潰した


「バカっ!なに私の拘束切ってんの!?」


「エクスヒール」

マリーが潰されたキリヤに唱えると服だけが破け、

土埃にまみれたキリヤが棍棒の下から出てくる


「おい、なんだこいつ強すぎねぇか!?」

キリヤがそう言うと再びオーガは棍棒を振りかぶる


「逃げた方がよさそうねぇ」

マリーはそう言い

もうその場にブランは居なかった


キリヤが棍棒を受けようと構えると

横から閃光の様に博史が現われ

オーガの棍棒を蹴り上げると棍棒が砕けた


「うがっぁ!?」

オーガは反動で後ろに倒れ

そのまま這いつくばるかのように逃げ帰って行った


―――――――――――――――――――――――――――

【回想終わり】


…らしい


なんとも信じられない話だ

そもそも普通の体格の俺が

5Mのオーガの棍棒を蹴り上げるなんてありえるはずがない

またキリヤが盛っているのだろう


「で、助けたボリスはどこに言ったんだ?」

とキリヤに聞くと


「マリーが『治療』とか言って

お持ち帰りやがった」


「なんで治療じゃなくて

持ち帰りって分かるんだ?

マリーはおっさん好きじゃなかったんか

ボリスはまだ若手だろう?」


「ボリスが帰ってきたときには

もう傷一つ無かったからな

どうも、弱ければいいらしい」


「そういうものなのか?」


「なぁ博史

なんで俺ってモテねぇんだろうな」


性格…って言いたいが

俺も同じくらいクズだ

墓穴を掘るだけ

むしろキリヤの顔の良さは俺には無い


「俺に聞くな」


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★





【キャラクターデータ更新】

パーティ名: シューティングスター(仮称)

メンバー: 博史、キリヤ、ブラン、マリー

キリヤ レベル: 12

ブラン レベル: 46

マリー レベル: ?(不明)

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筆者が泣いて喜びます。


その他の作品も読んで頂けると嬉しいです。

【最恐オーガは他種族女子と仲良くなりたい】

【囚われ姫は魔王に恋をする】

⚫︎囚われ姫は魔王に救われる

https://ncode.syosetu.com/n1925ii/


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